更年期と言えば、ホットフラッシュや気分のアップダウンが起こるイメージ。ただ、膣にどういう影響があるかなんて考えたことある? 実は、更年期のエストロゲン量の低下は膣にも物理的変化をもたらすことがわかったそう。

「膣の変化は閉経周辺期、閉経期、閉経後といった更年期におけるあらゆるステージに生じる可能性があります」と話すのは、月経管理アプリを手がけるFlo Health社のチーフ・サイエンス・オフィサーのアナ・クレプチュコヴァ氏。乾燥や膣の形、サイズなどに大きな変化が生じることがあってもそれはいたって普通のことだと、彼女は話す。

更年期を通じて膣に一体どんな変化が起きるのか、詳しく見ていこう。

1.乾燥やかゆみ

    エストロゲンは膣壁を滑らかにしてくれるのに役立っているため、その量が減ってしまうと膣が乾いたように感じる。メイヨー・クリニックによると、これは膣萎縮といって膣壁が薄くなり、乾燥することでかゆみやヒリヒリ感などの症状が出るという。保湿剤や潤滑剤など、なし得る治療法について医師に相談してみよう。

    2.セックス中に出血しやすくなる

    「更年期は膣内の皮膚が薄く、傷つきやすくなっているため、セックス中に出血したり、裂けたりすることがある」と話すのは、ノースカロライナ州シャーロット在住でかかりつけ医及び救急医師を務めるモニーク・メイ医学博士。皮肉にも、性交や膣への挿入を伴うマスターベーションを頻繁に行えば、血流がよくなり膣内の水分量が増えるため、裂けにくくなるそう。なのでできればセックスライフは維持したいところ。

    3.サイズが小さくなる

    セックスに関連するもう1つのこととして、セックスが不足した場合の膣の形状変化がある。「膣は筋肉組織で構成されています。他の筋肉同様、頻繁に使われなければ縮んでハリがなくなります」とメイ医学博士。これを防ぐ最善策は更年期もセックスを続けるか、膣への挿入を伴うマスターベーションを行うことだそう。もし痛みが生じる場合は膣用の保湿剤や水溶性の潤滑剤を使用してみて。それでも効果が得られなければ医師に相談してみよう。

    4.尿路感染症になりやすくなる

    米国産婦人科学会(ACOG)によるとエストロゲン量の低下は膣壁を薄く、乾燥しやすくするだけではなく、尿路の粘膜を薄くしてしまうこともあるとのこと。結果、膣や尿道の感染症が発生したり排尿回数が増えたりする。

    ただ、これにはさまざまな対処法がある。膣用保湿剤や潤滑剤、局所的エストロゲン療法(膣クリームや膣剤など)、全身エストロゲン療法(ピルや皮膚パッチなど)、エストロゲンに反応する組織に刺激を与える選択的エストロゲン受容体調整薬(SERMs)などが挙げられる。

    5.匂い

    「更年期にオリモノがにおうようになり、水っぽくなったという人が多くいます。これは膣内の酸性バランスの変化によるものです」とクレプチュコヴァ医師。膣内の酸性度が低くなるが、これはエストロゲン量が低下するため。

    クレプチュコヴァ医師いわく、これは更年期の正常な症状。ただ、もし気になるようであれば産婦人科に相談してみて。

    6.膣の伸長や膨張

    膣が他の臓器へと伸長したり膨張したりすると膣脱が起こる。クリーブランド・クリニックによると、更年期には骨盤部の筋肉が緩むことが原因だそう。

    症状を感じる女性は多くないものの、膣にふくらみを感じたり、引っ張られるような重さを感じたり、横になると楽になる腰痛があったり、失禁したりすることもあるという。これらの問題が発生した場合は、医師に相談しよう。骨盤エクササイズや重症な場合は手術などを推奨される場合もある。

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    ※この記事は、『Prevention』から翻訳されました。

    Text: Judy Koutsky Translation: Asami Akiyama