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雨=走れない、なんて方程式は存在しない。マラソン大会は雨天でも開催されるから梅雨シーズンも雨の中のランニング、すなわちシャワーランを楽しみたい! 全日本ライフセービング種目別選手権大会優勝の経験を持ち、現在はランクラブのメインコーチとしてランニングの楽しさを伝える笹田直太さんに、シャワーランの魅力と注意点を教えてもらった。

梅雨時期のシャワーランは大会に向けて絶好の練習に

「私にとっては最高のコンディションです」
今年4月、世界のトップ選手が集ったボストン・マラソンで、風雨の悪天候に見舞われながらも優勝した川内優輝選手の言葉は記憶に新しい。

「今日は雨か……走るのは止めておこう」と思う人も多いかもしれない。けれど多くのマラソン大会は雨天でも開催されるから、今のうちに悪いコンディションの中で練習しておくことはトレーニングの一貫として必要なこと。

夏のシャワーランは熱中症リスク軽減&呼吸が楽に

「特に梅雨時期のシャワーランは、気温が低く凍えるような思いをしないうえに、夏の強い陽ざしからは逃れられるので気持ちよく走れますよ」と笹田さん。
夏場の練習は、炎天下でランニングをするので熱中症のリスクが増える。一方、雨天時は気温・体感温度ともに下がるから熱が身体にこもる感覚を軽減できる。また、湿度は上昇するので喉や鼻の乾燥を防いで走行中の呼吸が楽になるのも嬉しいポイント。

危険には要注意

気を付けるべきは足の運び・場所・体調管理

雨の日のランニングは地面が滑りやすくなっているので、走行中は足が後方に流れやすくなってしまう場合がある。そんなときは、地面に足を上から置くように着地して地面をプッシュするイメージで走ると地面の反発を感じやすく走りやすい。

また、マンホールや側溝の金網、白線、苔の上、急斜面などは避けて走るのが鉄則。雨天時は、雨音で周囲の音が聞こえづらくなったり交通量が増えたりするから、車通りが少ないところを選ぶなどして安全面を最優先させて。

寒さを感じた時にはすぐにランニングを中断することも大切。普段1周10キロのコースを走っているのなら、短い距離(例えば3~4キロ)を周回するコースに変更するのが◎ 体調に異変を感じた時はすぐに着替えたり、髪を乾かせるように準備をしておくことも忘れずに。

シャワーランにぴったりのギア選び

視界をクリアに&明るいカラーで安全面に配慮

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まずは視界をクリアに保つことが大切。キャップもしくはサンバイザーをかぶって、顔に当たる雨を少なくする。この場合、サングラスも有効だけれどレンズの色が濃いもの、可視光線透過率が低いものは、周囲が見づらくなってしまうためレンズが透明なものを選ぶとベター。

ウエアは濡れると重くなるコットンなどの素材ではなく、ポリエステルのTシャツもしくは防水・撥水加工が施されているジャケットを羽織るのがおすすめ。脇下や背中にファスナーまたはメッシュが付いていると着衣内のムレを逃がしてくれる。シューズは滑りを予防するためにも、ラバー素材のグリップが効いたアウトソールが走りやすい。

雨天時、車・自転車からの認識を高めるためにもシャワーランのギアを選ぶときは明るい色をチョイスすることを心がけて。

マラソン大会が雨の日でも天候には抗えない。それならば、練習のときからシャワーランで経験値を上げておくと、ボストン・マラソンで見た川内選手のように本番でも力を発揮できるはず。体調や安全には十分に気を付けて、梅雨時期も楽しくランニングを続けよう!

※落雷などの荒天時には危険が伴う為、外で走るのは控えましょう。

■お話を伺ったのは……

笹田直太(ささだ・なおた)さん
ランニングを始めとし、睡眠や食事の指導、バリエーション豊富なランニングイベントを提供しているランクラブ、BaSRC(Body and Soul Running Club)にてメインコーチを務める。2017年全日本ライフセービング種目別選手権大会(2kmビーチラン)優勝の経験を持つ。ロンドンオリンピック日本代表藤原新さんに師事し、フルマラソンPB は2時間45分54秒。

Photo: Gettyimages

Headshot of Sawako Motegi
Sawako Motegi
コントリビューティング・エディター

スポーツファッション・サステナブルの記事を担当。山梨県の富士河口湖町へ移住し、オンラインを駆使して取材活動を行う。フェミニズムや環境問題などの時事ネタやニュース、人を掘るのが得意。  2020年までウィメンズヘルス編集部に在籍。