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3月11日(日)、快晴のなか行われた名古屋ウィメンズマラソン。名古屋の名所をまわるコースは目にも楽しく、アップダウンが少なく走りやすいと人気。2万人以上の女性が参加するこのエキサイティングな大会で、エディターSが初めてのフルマラソンに挑戦。「走る」、ただそれだけなのに、これほど燃えるのはなぜだろう? 運を動かしたい女性に、ますますおすすめしたくなる運動の力を発見!

データをもとにシューズ選び

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フルマラソンに出場することを宣言して初めにしたことといえば、シューズ選び。
今年から名古屋ウィメンズマラソンに協賛しているニューバランス。ニューバランス原宿では、シューズ選びのエキスパートがアドバイスをくれる。一目見ただけでシューズサイズや普段から悩んでいた足の痛みのことを言い当てられ、少し気後れしてしまうほどすごいのだ! さらに、3Dスキャンで足型を計測すると、足の大きさの左右差、アーチの高さなども詳しく知ることができるのでおすすめ。

エディターSも当てはまる、アーチが低い足は疲れやすいので、インソールはアーチ部分に厚みのあるサポートタイプにチェンジ。床に敷いたタオルを足指で手繰り寄せる、アーチを上げるトレーニング方法も伝授してもらい、疲れにくい足を目指す準備もばっちり。

あっという間に本番へ

気合は十分にあったものの、思うように練習ができないままあっという間に大会前日。エキスポで賑わうナゴヤドームを訪れ、「FINISH」と書かれたゴール地点を眺めると、急に現実味が湧いて緊張に包まれる。ゴールでタキシードを着たグッドルッキングガイに微笑みかけてもらうシーンを想像し、何とかゼッケンを受け取ると次は「NBRC」が主催するコンディショニングランへ。

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「NBRC」とは、「ニューバランス」が提案するランニングコミュニティ。名古屋ウィメンズマラソンに向けてこれまで練習会を開催してきた。大会前日の決起会では、コンディションを整えるように実際のコースを4キロラン。これまで練習会に参加していたランナーたちの熱い思いが詰まったボードは、見ているだけで気持ちを高めてくれる。

いよいよマラソン当日。
スタート地点に立ったものの、これから始まる数時間は全く予想がつかない未知の世界。不安とワクワクが入り乱れる気持ちに、待ったをかける間もなくスタートの合図が鳴る。結果、30キロ地点でリタイアというエンディングで初めてのフルマラソンは幕を閉じた。

悔し涙の理由その一、スピード配分

頭の中で何度も繰り返していた「飛ばしすぎるな」のアドバイス。青空の下、声援を受けながら走ると、気持ちよさは最高潮に。走り始めの10キロは、弾むような足取りで、思わずスピードにのってしまう。けれど、初めてフルマラソンに挑むのなら、「遅い」と感じるくらいペースを抑えるのが正解かも。

悔し涙の理由その二、体の状態を知らない

軽快に走っていたのは20キロ地点まで。「10キロを4本走ればゴールできる」とイメージしていたので、きりのいいところで小休憩を取ろうと一度足を止めた途端、嘔吐してしまった。胃の内容物を出したらいくらかスッキリしたけれど、そのあとに取った行動がよくなかったらしい。

「スタミナを切らさない! 水分だけはしっかり摂る!」とインプットしていたものだから、補給食に用意していたバウムクーヘンとゼリーを食べ、エイドではパンをもらい、給水所ではコップ1杯の水を飲むと、気分はすぐに急降下。あとからドクターに聞いた話によると、お腹の中の水分が多すぎたそう。自分の体がいま、どんな状態にあるか知る術を身に着けておく必要性を実感。

悔し涙の理由その三、自信が不十分

一番の敗因は、「自分に自信がなかった」こと。
過呼吸による手足や顔の痺れに耐えられず救護所に入った30キロ地点。「もうストップする?」とドクターに聞かれて頷いたのは、これから12キロを走りきれる自信がゼロだったから。練習不足の一番の怖さは、ダメになりそうなとき、「練習していないし無理だよ……」とネガティブな気持ちが頭によぎること。「あれだけ練習したから大丈夫」と自分を励ましてあげられるかどうかが、大きな壁を乗り超える分かれ道。

二度とこんなことしない! が翌朝には大会エントリー

悔しい思いをした初のフルマラソン。走っている最中は、「二度とこんなことするものか」と怒りさえ覚えたものの、途中で諦めた自分にはもっと腹が立っていた。その思いが冷めきらぬ大会の翌朝には、再びフルマラソンにエントリー。

「走る」。ただそれだけなのに、楽しい気持ちも、苦しい気持ちも大波のように押し寄せるマラソンは体感してみる価値あり! 何を目指すかなんて分からないけれど、完走できたらきっと自分を好きになれる。もっと自信を持てる。そんな前向きなマインドをくれるのが、運動の力なのかもしれない。

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Sawako Motegi
コントリビューティング・エディター

スポーツファッション・サステナブルの記事を担当。山梨県の富士河口湖町へ移住し、オンラインを駆使して取材活動を行う。フェミニズムや環境問題などの時事ネタやニュース、人を掘るのが得意。  2020年までウィメンズヘルス編集部に在籍。