そのだるさ、体力が落ちたせいじゃなかった!? 運動が招く「負の貧血スパイラル」

06 March 2019

そのだるさ、体力が落ちたせいじゃなかった!? 運動が招く「負の貧血スパイラル」

ダイエットや体力アップのために、ランニングやトレーニングを日常的に取り入れる女子が急増中。パワーアップして、元気で楽しくキラキラした毎日! ……になるはずが、現実にはだるさなどのプチ不調や貧血を起こすケースも……。実は運動が貧血を招いている? 貧血にまつわる特集の第4回は、運動女子と意外に見逃せない貧血と運動の関係についてフィーチャー。血液疾患に詳しいナビスタクリニック新宿・貧血外来の濱木珠恵先生に、その現状とケアを教えてもらった。


健康のために運動は必要。でも、体の状態にあった運動でなければ逆効果!

「体調不良で訪れる女性のうち、多くの人が運動不足です。この場合、症状の改善だけではなく体力の底上げにもなるので、適度な運動をおすすめしています。問題なのは、適度を超えた運動をしている人が増えていて、それが原因で貧血になったり、悪化させたりしているケースです」。そう指摘するのは、貧血外来で多くの女性を診察している濱木珠恵先生。

実際、濱木先生のもとを訪れる女性の中には貧血に自覚がなく「体がだるい、疲れやすいのは年のせいだと思っていた」と思い、体力アップのために急に運動を始めた人もいると言う。その中には、「今は仲間とフルマラソンを目指して毎日走り込んでいます」という人までいるそう。

「20代や30代で、だるさなどの不調の原因が年齢のせいということは、あまり考えられません。病気の可能性もありますが、まずは貧血を疑うべきかもしれませんね。貧血なのに運動不足や体力の低下と勘違いして、急にハードな運動をすれば、ますます酸欠になって症状が悪化してしまいます」

過度な運動が貧血を招いたり、無自覚な貧血が運動で悪化したりと、これでは“貧血の負の連鎖”。健康のための運動が逆効果、不健康を呼び寄せてしまうことに。


運動前には、貧血のサインを確認。自分を過信しない

貧血の連鎖を断ち切るために、運動前に体が貧血のサインを出していないか、振り返ってみて。

「めまいや立ちくらみがある、だるさや疲れが抜けない、ダイエットなどで鉄の摂取が減った、生理による出血過多、睡眠不足など貧血の要因はさまざまです。自分の生活や体の調子を振り返って、貧血もしくは貧血気味かも? と思い当たることがあるなら、ハードな運動は控えた方が良いでしょう」


運動で大事なのは適度であること。有酸素運動は貧血にも効果大

健康のため、貧血の予防・改善にもなる運動として、濱木先生がおすすめしているのが適度な有酸素運動。

「有酸素運動は、体のすみずみに酸素を届けてくれます。酸素が体に行きわたれば、だるさなどの不調も改善するはずです。まったく運動していないなら、談笑できるくらいのスローペースのジョギングを1日15~30分を目安に行ってください。

走るのはちょっと苦手だったり、運動が苦手な人などは、手始めにラジオ体操にトライしてみましょう。ラジオ体操は第一だけでも13の動きをし、400種近くの筋肉を動かすことができます。慣れたら、運動強度の高い第2まで。できれば下半身の筋肉を鍛える、ハーフレンジやスクワットなどの筋トレも取り入れるとベストですね」

この他、腕を振ってなるべく多く歩くなど、日常の運動の強度を上げるのも体力アップには効果的だそう。

「多くの人が運動不足です。健康のためにも運動はすべきです。でも、女性の場合は過度な運動による貧血のリスクもあることを忘れないでほしいですね」と、濱木先生。

 

運動を始めると目標ができたり、仲間がいると楽しさもプラスされて、ついついハードにのめり込んでしまうことも。気づけばアスリート並みの運動量で、体を壊してしまった……、なんてことのないように。“適度”を心得るのが運動の基本で、楽しむコツと言えそう。

 

■お話を伺ったのは……
濱木珠恵(はまき・たまえ)先生
医療法人社団鉄医会ナビスタクリニック新宿院長。虎ノ門病院、国立がんセンター中央病院で造血幹細胞移植の臨床研究に従事。都立府中病院、都立墨東病院で血液疾患の治療に従事したのち、2012年9月より東中野院長。2016年4月より現職。貧血外来などで女性の健康をサポートする治療を行う。専門は内科、血液内科。著書に『ドラキュラ女子のための貧血ケア手帳』(主婦の友インフォス)など。ナビスタクリニック新宿 https://navitasclinic.jp/shinjuku

Photo: Getty Images Text: Yuko Tanaka

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