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調味料を変えれば体調が変わる? 専門家が明かす「調味料」の賢い選び方【エビデンスのあるオーガニック第3回】

ドイツ在住のオーガニック専門家が解説する、体を変える調味料選びのポイントとは?

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various colorful spices on wooden spoons
Yagi Studio//Getty Images

ドイツ在住のオーガニック専門家・レムケなつこさんが4回に渡って、エビデンスのあるオーガニック情報をお伝えする本連載。前回は“オーガニックコスメ”についてを教わったが、第3回目は“調味料”について。脇役のイメージが強い調味料だが、実は私たちの健康に大きな影響があるよう。なつこさんのお話で調味料選びが変わるかも!?(以下「」なつこさん)。

たかが調味料、されど調味料!

cropped shot of young asian woman groceries shopping in a supermarket standing by a produce aisle, holding a bottle of organic cooking oil and reading nutritional label
d3sign//Getty Images

「調味料はよく使うからこそ、体への影響は非常に大きいんです。それから、調味料は添加物の宝庫。だから、私のオーガニックスクールの生徒さんたちの中にも、調味料を変えただけで体調が良くなったという人が結構いるんですよ。例えば、20年以上悩んできた花粉性の症状がなくなったり、アトピー性皮膚炎の症状が落ち着いたり、頭痛や生理痛が軽くなったり。他にも、朝からやる気が出るようになった、疲れにくくなったことで仕事のパフォーマンスが向上したとか。 

このような体感を得られると、マインドセットは変わりやすいですね。さらに一緒に食べている家族やパートナーから、『こんなに体がラクになるんだったら、もっと食べたい! もっと買っていいよ。っていうか、もっと買おうよ!』などと言われたら、なおさらです。周りに支援者・応援者、同じ仲間を作っていくことは、オーガニックライフを続けるときにとても力になりますよ。

ソイ(大豆)食品の落とし穴も知って

soy milk on the table
manusapon kasosod//Getty Images

「最近は日本でもソイバターなどの植物性バターが身近になっているようですね。植物のミルクを使用しているという点はやはり、すごく良いと思います。畜産によってもたらされている地球や未来世代への環境負荷は計り知れないほどのものなので、植物性食品を選択することでその状況を少しでも軽減できるはずだから。 

ただし、健康という観点からだと、商品によってさまざまで一概に良いとは言い切れません。おすすめの選び方は原材料がシンプルであること。商品パッケージやメーカーのHPなどで原材料を確認し、なるべくシンプルなものを選ぶようにしましょう。 それから、ソイ(大豆)食品のことでお伝えしたいのは、オーガニック認証をとっているかどうかにも留意してほしいということ。もし、オーガニック認証をとっている大豆ではなく、遺伝子組み換えの大豆を使っていたら、遺伝子組み換えにばく露する可能性があるので、植物性商品とはいえ、おすすめできません」

<なつこさん流・オーガニック調味料選び&使用の4つのポイント>

【1】使う頻度が高いものからオーガニックのものにチェンジ

【2】オーガニック調味料は原材料がシンプルかどうかをチェック

【3】住んでいるエリアに近い場所で作られたオーガニック調味料を選ぶ

【4】オーガニック調味料は好きな味であるかも大切にする

3は地産地消の概念に加え、同じエリアで作られた調味料の“菌”は自分が持つ菌と同じ故、体に対する負担が低いと言われているから。

4は意外と思われる人もいるかもしれませんが、大切なポイントのひとつだと思います。調味料は嗜好品なので、好きな味でなければ、おいしく食事を食べられませんよね。 

ちなみに私はドイツに住んでいても、味噌汁を毎日飲みたいので、日本に帰ると必ず、『マルカワみそ』の味噌を購入して帰ります。味噌は酒精(エチルアルコール)が入っていると、発酵を止めてしまうのですが、こちらの味噌はそれが入っていない。そして、国産有機大豆にこだわっています。まさに“生きた味噌”ですね。 

この味噌の購入もそうですが、帰国した際はオーガニックフードのスーパーマーケット『クランデール』によくお邪魔しています。こちらはこだわりのオーガニック食品全般が揃いますが、友人でもある川田社長によく日本の調味料に関する情報をいただいて、購入の参考にしています」

手作り調味料も上手に利用を

dried spices in small bowls
SCIENCE PHOTO LIBRARY//Getty Images

「我が家では安心な原材料を使って、手作り調味料を楽しんでいます。よく作るのは“ケチャップ”と“トマトソース”。毎年、庭で有機トマトを大量に収穫し、食べ切れない分で作ります。熱湯保存をすれば、1年くらいは持ちますよ。 

あとは、“酢”も手作り。コンブチャを育てているのですが、コンブチャを数ヵ月置いておくと、おいしい酢ができるんです。ちなみにコンブチャ株はベルリンにある有機コンブチャメーカーさんで、有機のものを購入しました。 

それから、“にんにく入りの発酵ハチミツ”。作り方は皮を剥いたにんにくを生ハチミツの中に入れ、常温で1ヵ月ほど置いておくだけと簡単です。我が家は早く食べたくて、1〜2週間で使い出しちゃいますが(笑)。にんにくとハチミツの量は適量でOKですが、ハチミツぜひ、天然・非加熱の“生”を使ってくださいね。生ハチミツは加熱処理されていないので、高温に弱いビタミンや酵素などの栄養素がそのまま生きていますから。ちなみにこのにんにく入りの発酵ハチミツは和洋問わず、どんな料理にも合う超万能調味料ですよ。私はみりん代わりに煮込み料理や炒め料理に入れたり、ドレッシングの材料と一緒にミキサーにかけてピューレ状にして茹で野菜にかけたり。 

ハチミツは保存期間が長い食品ですが、水分が加わると微生物が大量に発生し簡単に発酵するんです。日本の夏だと、発酵が進みすぎて爆発する可能性があるので、瓶などの容器の1/3量までにし、時々ちょっと蓋を開けてガスを抜いてあげると良いでしょう」

ケチャップの作り方はこちら

メインの食品ではなくても、毎日の食生活から切り離せない調味料。オーガニックのものにチェンジするメリットがきっとよくわかったはず。なつこさん直伝の手作り調味料もぜひトライを。体に優しくて、しかもおいしいなら取り入れないなんて損!

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【教えてくれた人】

なつこ

レムケなつこさん

レムケなつこさんオーガニック専門家。ドイツ法人オーガニックビジネス研究所IOB代表取締役CEO。慶應義塾大学経済学部卒業後、本場ドイツの大学院と食品研究所でオーガニックを研究開発。オーガニックセクターの国連IFOAM欧州本部リーダーシップ研修にて、日本人初として選抜される。20代でボリビアにてJICA⻘年海外協力隊、メキシコでJICA専門家として途上国の生産者支援に関わった経緯から、オーガニックに目覚める。現在はオンラインスクール運営、企業研修、コンサルティング、講演、執筆のほか、InstagramやYouTubeを通じてオーガニックに関するさまざまな情報発信なども行う。プライベートでは、夫と男児の3人暮らし。

YouTube:「オーガニック専門番組」

Instagram:@natsuko_bio

Text:ERI HAMADA

【これまでの記事はこちら】

何がいいの? オーガニック野菜を食べるべき本当の理由【エビデンスのあるオーガニック 第1回】

レムケなつこ流オーガニックコスメの選び方【エビデンスのあるオーガニック第2回】

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Kanna Konishi
ウィメンズヘルス・副編集長

編集者として多くのメディアに携わったのち現職。健康オタク歴20年、趣味は"毒出し"で、体と心と部屋を効率よく整え、環境にもいい健康法を探るのがライフワーク。チアリーダー経験あり、勝手に人を応援しがち。仕事では「心から推せるものしか紹介したくない!」と目を血走らせ、常に情熱大陸に上陸中。 

Instagram: @editor_kanna_purico

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