監督ロブ・マーシャルからは「天使」と称されるハリー・ベイリーの歌声に疑いの余地はないけれど、この映画のもう一つの見どころは、彼女の鍛え上げられた肉体美と言っても良いかもしれない。実際に彼女は、映画を撮影していた時は「私の人生で最高の体形だったわ」とインタビューで語っている。
ディズニープリンセスを演じるなんて華やかなイメージがあるけれど、彼女がアリエルを演じるために受けた激しい“マーメイド・トレーニング”の内容を聞けば、ハリーがそう話すのも納得できるはず。
ロンドンのストレングス&コンディショニングコーチ兼パーソナルトレーナーで、映画のキャストのトレーニングを担当したサナ・シルヴァーニによると、ハリーをはじめ、他の人魚たちにとってコアトレーニングと肩周り(特に首)のトレーニングはとても重要だったんだとか。なぜなら、ハーネスやワイヤーが装着され宙吊りにされた足のない人魚の下半身を支えるためには強いコアが必要。加えて、人魚のように泳ぎ、人魚のように動き、さらに歌や演技、ダンスを苦痛なく笑顔で演じるためには肩周りの強さが必要なんだとか。
そのため、ハリーはコアトレーニングや有酸素運動やスタミナトレーニングを毎朝5時半からやっていたんだって。(ちなみに起床時間は4時だって。信じられる?)
サナによると、ハリーのトレーニングメニューには、デッドリフトやヒップスラストなどの定番の下半身エクササイズや、人魚のためのコアを鍛えるためにデッドバグ、プランク、サイドプランクなどのアイソメトリックホールド(体を一つの姿勢で静止させること)などの基本的な自重エクササイズから取り入れていったそう。
そして、バンドやケーブルなどプロップスを加えて、徐々に負荷を加えていった。体が慣れていったところで、GHD(Glute Ham Developer/グルート・ハム・デベロッパー)というマシンを取り入れ、背筋を鍛えるフェイスダウンプランクをはじめ、上を向いたホローホールド、サイドプランクなどのアイソメトリックホールドを行った。また、同じく鎖のついたネックブレースをGHDに装着し首周りの強化にも励んだそう。