実は、ランニングシューズはほぼ男性の足型で作られているって知ってた? アディダスが約4年かけて開発したランニングシューズ「ウルトラブースト22」は女性の足型に特化して作られたもの。もっと楽しく、もっと快適に走ってみたい。そんな”もっと”が詰まったランニングシューズのこだわりとは?

女性の足は、男性に比べて甲が低く、かかとが狭い

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2017年、「ME CAMP」や「ADIDAS RUNNERS TOKYO」を始めとする女性ランニングコミュニティを持つアディダスは、120万人にも及ぶフットスキャンデータの集積に取り掛かった。アメリカ、イギリス、中国の女性ランナーたちの協力によって始まったこのシューズの開発。収集したデータは、2019年から分析され、ようやく2021年12月2日、満を持して発売へと至った。

女性の足は、男性に比べて甲が低く、かかとが細いので、従来のランニングシューズは女性にとってアッパー(特に甲とアキレス腱)のフィット感に欠け、土踏まずのサポートが足りず、オーバープロネーション※1になりやすいという結果を導き出した。


着目したのは 解剖学的な足型へのアプローチ

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この研究データで証明されたのは、西洋人と東洋人の足型は微差であるということ。従来、”西洋人の足型は甲が低く、幅が狭い”、”東洋人の足型は甲が高く、幅が広い”とされてきたが、アディダスのデータによると女性の足にそこまでの差は見えなかったという。逆に、男女の足型の差は明らかだった。そこで女性が快適なランニングができるよう、数ミリ単位の違いにこだわったアッパーの開発と、中足部「ADIDAS LEP」の改良が始まった。

多くの女性が欲しいと思ったカラーリングで勝負

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また、カラーバリエーションは行わず、ランナーからもっとも支持されたカラーリングのものを一つだけに絞った。このシューズは、兼ねてよりアディダスがパートナーシップを組む「パーレイ・オーシャン・プラスチック※2」のリサイクルプラスチックを50%含む糸を採用。”女性の為のランニングシューズ”として目的を明確にしているこのシューズは合理的かつ環境へも配慮している。

機能性にはこだわりを持ち、フィット感をより向上させた「ウルトラブースト22」

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アディダスの中でもベストセラーとなる「ウルトラブースト」シリーズ。男女問わず、ランナーが期待する機能性はここ数年で大きく変化した。それは”エナジーリターン”である。このシューズは、全モデルに比べエナジーリターン率※3が4%アップしている。データに基づき、女性に特化した普遍的な正解の足型を追求しながらも、パフォーマンスとサステナブルを共存させたこのシューズ。是非、実感してみて欲しい。

ウルトラブースト22」¥24,000/アディダス(アディダスお客様窓口 Tel: 0570-033-033 )

※1オーバープロネーションとは、着地の際に、かかとが大きく内側に倒れ込み過ぎている状態のことを言う。

    ※2パーレイ・オーシャン・プラスチックは、海岸や海沿いの地域で、海に流入する前に回収されたプラスチック廃棄物をアップサイクルして生まれた素材。未使用プラスチックの代わりに、この生まれ変わったリサイクル素材を使用し、adidas x Parleyのスポーツウェアをつくり出した。
    海沿いで回収されたプラスチック廃棄物は、梱包され、Parleyの関連サプライヤーに運ばれ、細かく裁断され、高性能のポリエステル織糸に再生する。これがadidas x Parleyコレクションの素材となるPARLEY OCEAN PLASTICとなり、スポーツにも地球環境にも有益な素材として再利用されている。

    ※3エナジー(エネルギー)リターン率って何?
    足を踏み込んだ時のパワーを蹴り上げた時のエネルギーに変換し、次の一歩へスムーズな足運びへとつなげるために設計されたシューズの特徴を指す。

    Headshot of Chie Arakawa
    Chie Arakawa
    ウィメンズヘルス・シニアエディター

    タレント・アスリートインタビュー・スポーツファッション・ウェルネス記事などを担当。女性誌FRaUでファッション・スポーツ・ダイエットなどの編集キャリアを積み、その後スポーツライフスタイルマガジンonyourmarkのプロデューサーとして在籍後、2022年までウィメンズヘルス編集部に在籍。