昨日までシュッとしていたフェイスラインは突然ぼやける。次の瞬間、二重あごの解消法を必死で探し、スマホのインカメラで周辺を詳しく観察。イギリス版ウィメンズヘルスのエイミーも数ヶ月前、フェイスラインがぼやけていることに気付いた。
二重あごはエイミーだけの悩みじゃない。エステティックサロン『Mallucci London』創始者のパトリック・マルッチによると、ここ2年でフェイスラインを気にする人が急増した。「あごと首の境目がなくなったときの対処法は、大きな注目を集めています」
でも、原因となる基礎疾患がない限り、二重あごを気にする必要はない。エイミーの場合は二重あごで自信を失いかけていたので、いろいろと調べてみることにした。その内容をご紹介。
二重あごの原因は?
・遺伝
・あごと顎骨が小さい
・首の筋肉が弱い
・肥満
・姿勢が悪い
体脂肪が多すぎることで二重あごになることもあるけれど、スキンクリニック『Illuminate Skin Clinic』の創始者でメディカルディレクターのソフィー・ショッターによると、体重が至って正常・健康的でも二重あごになることはある。体脂肪分布は遺伝と思春期によって決まるため、人それぞれ。
脂肪体の1つがあごの下に付いている人もいる。あごや顎骨が小さい人は、あごの下の脂肪が十分に支えられず、二重あごに見えることもある。
「二重あごは広頸筋(首の筋肉)が弱っているサインです」と話すのは、スキンケアブランド『Quantum Botanika』の創設者でフェイシャリストのナタリヤ・ロビンソン。「広頸筋は首の周りと顔の下半分を支えており、他の顔面筋より早く衰えます」
耳鼻咽喉科医のカンビズ・ゴルチン医師によると、皮膚と筋肉の緩みや姿勢の悪さも二重あごの要因で、成人の約7割は二重あご。
二重あごは気にするべき?
普通は気にしなくていい。二重あごは自然な理由(遺伝や骨の造りなど)で起こり得る。でも、体脂肪が多すぎて二重あごになっている思う場合や、疾患や投薬によってあごが腫れていると思う場合は、医師に相談するのがベスト。原因を突き止めて、必要であれば、体脂肪や体重を安全に減らす方法を教えてくれる。
二重あごの筋トレとは?
専門家の間では賛否両論。美容外科医のデイヴィッド・ジャック医師は、「広頸筋を鍛えるエクササイズをすると、二重あごが悪化して、顔の下半分が下に引っ張られる可能性が高いです。期待とは正反対の結果ですね」と話す。
でも、フェイシャルワークアウト『FaceGym』創始者のインゲ・セロンは、2種類の二重あご解消エクササイズを勧めている。「一貫性が大切です。それぞれのエクササイズを10回ずつやりましょう」
二重あご筋トレ1:考える人
1.こぶしを作り、その上にあごを乗せる。
2.こぶしであごを押し上げたまま、その力に逆らうように口を開けて閉じる。
3.この口の開閉を10回リピート。疲れるけれど、その価値はある。
二重あご筋トレ2:あごのプッシュアップ
1.片手でアルファベッドのVを作り、その中にあごを置く。唇を上の歯の上に持ってきて、5秒ホールド。これを10回リピートする。
2.左右のあごに手を当てて、指で耳を隠す。この状態で「イー」の音を10回出す。
3.両手の薬指を口の両側に入れ、左右に引っ張る。あごの筋肉で、指を歯に触れるまで押し戻す。
顔全体の引き締めやリフトアップには、最近はEMSを利用した美容機器などもあるので。予算があるなら検討してみて。
また、ゴルチン医師によると、全体的な姿勢を良くすれば二重あごが目立たなくなる。
スキンケア商品で二重あごは解消するの?
「残念ながら、局所的な商品で二重あごは消えません」とショッター。
ジャック医師も「二重あごには、皮膚よりも深いところにある構造が関係しています。そのため、スキンケア商品で二重あごが目立たなくなる可能性は低いですね」と話す。
でも、ショッターによると、スキンケア商品で首の肌質を改善するのは名案。首の肌は薄いので老化が早い(手の甲や目の周りと同じ)。
「肌のハリが維持できれば、あごの脂肪体が垂れにくくなり、フェイスラインや首がスッキリします」
二重あごを取り除く治療法は?
運動とバランスの取れた食生活に加えて、姿勢の改善やあごのエクササイズに取り組んでも、たぶん二重あごは消えてくれない。二重あごを完全に取り除くには、本格的な施術が必要だから。でも、これは簡単にやるようなことじゃない。
「首とフェイスラインをスッキリさせて、二重あごを目立たなくする治療法には、外科的なものから非外科的なものまでいろいろあります」
二重あごの治療法
ここで紹介する治療法は万人向けじゃない。あなた(と医師)が適切だと思うなら良いけれど、無理してやる必要はない。これは完全に個人の好み。
以下の治療法に興味があるなら、まずは自分でリサーチを。ユーザーの声や口コミを読み、慌てて決断しないこと。「患者の状態を精査して二重あごの原因を特定し、その原因を排除するための計画を練ることが重要です」とゴルチン医師。
1.リポサクション(脂肪吸引)
長らく実践されてきた治療法。ダウンタイム中は、フェイスバンド(サポーター)を付ける必要がある。
効果:長期的で高い効果が得られる。
2.キベラ
脂肪を溶かす注射。痛みと腫れが大きく(ウシガエルみたいになる)、複数回の施術が必要になることも。
効果:とても効果的。
3.ネフェルティティリフト
ボツリヌストキシンを使って首の筋肉を弛緩させ、顔面筋を上に引っ張ることで、フェイスラインをスッキリさせる。フェイスラインの形成と輪郭の改善にダーマルフィラー(皮膚充填剤)が使われることもある。
効果:あるけれど、6~12ヶ月しか持たない。
4.クールミニ
仰向けでリラックスしていると、マシンが脂肪細胞をマイナス11度ほどに冷却する。これで、その部位の脂肪細胞の約25%が永久に死滅する。
効果:あるけれど、個人差あり。マルッチとショッターはクールミニとダーマルフィラーを組み合わせて、効果を最長2年間持たせている。
5.ハイフ(高密度焦点式超音波療法)とラジオ波
たるんだ皮膚を引き締める治療法で、体重の減少による二重あごには理想的。取り除かれる脂肪は最小限。モフィウス8かウルセラというマシンがオススメ。ダウンタイムは2~3日。
効果:引き締めに効果的。
まとめ
二重あごでもそうでなくても、あなたは受け入れられ、愛されるべき存在。二重あごを減らす・取り除く施術を受けるのは、入念なリサーチをしたあとで。医師としっかり話し合うのも忘れずに。
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Amy Lawrenson Translation: Ai Igamoto