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昼寝するべき? しないべき?

昼寝にはエネルギーと集中力の回復能力があるそう。

睡眠によって、パフォーマンス、注意力、集中力、そして判断力が向上するのを実証する研究が増えている。どれも地球を周回する宇宙ステーションで働く人々には不可欠な特質であることを前提に考えれば、昼寝がもたらす利益にNASAが興味を持ち始めたのも意外ではないことなのかも。

NASAが宇宙飛行士を対象に行った実験では、25分間の昼寝で判断力が35%、用心深さが16%も上昇。NASAで午後の昼寝が奨励されているのも納得。地球環境に適した研究では、昼寝とコーヒーを比較。結果、15~20分の昼寝をした被験者の注意力とその後のパフォーマンスが、昼寝の代わりに150㎎のカフェイン(スターバックスのグランデサイズのコーヒーに含まれるカフェイン量に相当)を摂取した被験者よりも高かった。

短い昼寝をすると、起きている間ずっとオン状態の脳の一部が休息に入る。一休みすると筋肉が回復するのと同様に、脳のこの部分も元気を取り戻すそう。10分間の昼寝に最も効果があるとする睡眠科学者もいるが、30分以下の睡眠であれば効果的というのが大多数の声。眠りに落ちるあの感覚はなくても、ただ目を閉じるだけで活発な脳をスイッチオフし回復することができる。

でも、30分以上寝続けてしまうと逆効果になることも。長い昼寝の後は、眠る前よりもボーッとして動きが遅く感じる危険があるから。“睡眠慣性”と呼ばれるこの状態は、深い睡眠の最中に起こされると発生する。起きてすぐ感じるあのフラフラ感は“まだ終わってないよ、眠りに戻って”と体と脳が自然と発するメッセージ。深い睡眠に入るのは、大抵眠りについてから30分後。だから専門家は30分以内を昼寝の限度としているのだ*。

正午から夕方にかけて、もう目が開かない…という時には短い昼寝を取ろう。グーグルやアップルなどの先進的な企業には仮眠室が設けられている。アルベルト・アインシュタインやウィンストン・チャーチルといった、歴史上の優れた思想家たちも昼寝の大いなる支持者だったそう。

*場合によっては、1.5~2時間の長い昼寝も意味があるかも。長時間の昼寝は、夜の睡眠中に脳と体が経験するものと似た状態を作り出す。ただ、夜の睡眠は昼寝よりずっと大事で、昼寝の取り過ぎで夜眠れないとなると本末転倒。だから専門家は、日中の深い睡眠が純粋に必要な人にだけ長時間の昼寝を勧めている。1日2回の過酷なトレーニングを行うアスリートは、長い昼寝の恩恵を受けつつも夜の睡眠に苦しまない人の良い例。有名なアメリカ人長距離ランナー、メブ・ケフレジギの昼寝は、15~90分の間と幅があるそう。

※この記事は、当初Rodale Wellnessに掲載されました。

http://www.womenshealthmag.com/health/why-you-should-power-nap?internal_recirc=outbrain_tb

Text: Brad Stulberg, Steve Magness Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images