外に出てから30分も経っていないのに肩が赤くなってきたみたい。市販の日焼け止めで一番いいものをたっぷり塗ったんだから、もう焼けたなんてありえないよね……?
あなたにも似たような経験があるなら、その気持ちはよく分かる。あらゆるルールに従っているつもりでも、ひどく焼けてしまうことがあるもの。
新たな研究結果は、紫外線対策に対する私たちの理解が思いのほか浅いことを示している。事実、日焼け止めを選ぶ際に考慮すべきなのはSPFだけであると考えている人の割合は51パーセントにのぼるという。
そこでUK版ウィメンズヘルスでは日焼けに待ったをかけるため、私たちがいとも簡単に焼けてしまう理由と、二度と間違わない明確な紫外線対策を太陽光エキスパートのハワード・ムラード博士に教えてもらった。日焼け止めを塗りたくって最善の結果を期待するだけでは、どうやらダメらしい。
あなたの間違いを見つけ、この夏の紫外線対策を万全に行おう。
【いとも簡単に日焼けする理由】
タイミングが悪い
日焼け止めが肌に十分浸透し、保護バリアを形成するには30分ほどかかる。それ以前に日差しを浴びれば、肌はしっかり守られない。しかも、日焼け止めを塗った直後に服を着れば、日焼け止めが衣類に擦れて落ちてしまう。おろしたてのスポーツブラに染みができるだけでなく、肌が部分的に紫外線から守られないことに。
量が足りない
多くの女性が簡単に焼けてしまう主な理由は、単に日焼け止めを十分使っていないから。適切な量を使わなければラベルに書かれた保護作用は得られないので、手足にサッと一塗りしたところで日光に対する十分なバリアは築けない。ムラード博士は、「体と顔全体に28グラム (ショットグラス1杯分) の日焼け止めを使い、太陽の下に長時間いるときは絶えず塗り直す」 よう勧めている。
汗をかいても塗り直さない
水泳やシャワーの後に日焼け止めを塗り直すことは誰もが知っているけど、日焼け止めの効果は汗でも落ちることを忘れる人が多い。公園を走るにせよ、ビーチで汗をかくにせよ、発汗レベルに気を配り、必要に応じて頻繁に塗り直す必要があるとムラード博士は語る。「たくさん汗をかいたり、泳いだり、水に浸かったりする予定なら、ウォータープルーフの日焼け止めを40~80分ごとに塗って最大限の防御をしよう」。1日1回塗ればOKの商品はカバー力が長持ちするし、オイルフリーのクリームなら汗をかいてもニキビができにくいはず。
間違ったSPFを使っている
SPFは、日焼けと皮膚がんの原因となる紫外線B波に対する日焼け止めの防御力を測る指数。
英国皮膚財団が推奨するのは、SPF値が30以上の日焼け止め。これまでの調査によって、量が十分である限り、SPF30では約97パーセント、SPF50では約98パーセントの紫外線B波が防げることが分かってる。
紫外線A波に対する防御力が弱い
ムラード博士いわく、「日焼け止めのSPF値が示すのは、あくまで紫外線B波からの防御力」。日焼けを引き起こすのは確かにB波だけど、A波から肌を守るのも極めて重要。「実際のところ、最もダメージの大きい太陽光はA波なので、A波とB波の両方から肌を守るブロードスペクトラムの商品を使うことが大切」 だという。「A波の強さは年中変わらず、雲や窓さえ通り抜ける」 と博士は注意を促す。「早過ぎる肌の老化やコラーゲン分解、さらには皮膚がんの要因にもなる」。
紫外線A波に対する防御力を調べるには、商品に書かれたPA値をチェック。日本では防御力の表示に+が用いられており、PA+は紫外線A波に効果がある、PA++はかなり効果がある、PA+++は非常に高い効果がある、PA++++は極めて高い効果があることを意味する。
Text: Roberta Lister Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images