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愚痴を言ってしまった後に罪悪感を覚える必要はもはやない? 同僚との冗談や愚痴がもたらす、ポジティブな効果が研究で明らかに。その正体に迫る!

豪・メルボルン大学の研究員、ヴァネッサ・ポーシア博士は、アメリカの病院で働く看護師と医療専門家のチームを12カ月間にわたって追跡したそう。その結果、ジョークも愚痴も「ある特定の方法」で使われると、スタッフ間の人間関係をより良く築くだけではなく、気分を改善するのにも役立つことが分かったそう。

ポーシア博士はラジオ番組「ABC Radio Perth」に対し、「一般的に人々は、ジョークや愚痴には何の価値もないと思っているか、職場にふさわしくないと考えている」 と語った。

「でも、実際はストレスやフラストレーションを処理するのに役立つし、チームメンバーが冗談や愚痴を言い合っていると、そこに明らかな変化が見て取れる」

ポーシア博士は、この領域に関する文献があまりにも少ないと感じ、言語学など他の分野の調査も行って 、この仕組みに対する理解を深めるよう努めた。すると、愚痴による“憂さ晴らし”が絆を深める活動として機能し、スタッフがネガティブな感情から抜け出すのを助けると同時に、元気づけることにも気付いたのだとか。

「愚痴を言って憂さ晴らしていると、日々直面する問題やトラブルに対処する気持ちが、仲間内でどれだけ似ているかを認識できる。憂さ晴らしによって、例えば医師や看護師も、立場は違ってもさまざまな問題に対して同じような気持ちを感じている。お互いがそれほど違わないということに気付けたのは、私が観察したチーム内で起きた最も素晴らしいことの一つ」

「日常的なヘルスケアの企画会議の中で、愚痴=小さな憂さ晴らしイベントに参加することで、メンバーのネガティブなエネルギーをある程度処理し、エネルギッシュな感覚を持ちながら会議室を去っていく」とポーシア博士は言うが、いくつかのシンプルなルールを守らないと、憂さ晴らしはあっという間に有毒になる。

「愚痴っていいのはその部屋にいない人のことだけ。不平不満を外在化=客観的に考えるためにも、問題を愚痴を言う人々の外に置く必要がある。そのため愚痴の対象は、例えば会社の問題ある組織や別の部署で働いている扱いにくい人間のように、その場の全員が同意できるものでなければならない。そこにいるチーム内の個人について、絶対に愚痴っちゃダメ」

その一方でポーシア博士は、ジョークは 「厄介な状況を笑いのネタにしてくれる」 と話す。

「厄介な問題に関する冗談を言い合うと、問題をチームで乗り越えやすくなり、その過程でポジティブな感情を生み出せるようになる。これは結束を強めるだけではなく“認知的視点”から見ても大切なこと。気持ちが前向きだと、心の広い人間でいられるから」

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Lucy BodeTranslation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。