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痛む筋肉の修復とスピーディーなリカバリーに欠かせないツール。ベテランランナーは手順を心得ている。フィニッシュラインを切ったら飛びあがって喜んで、メダルを掴んでボランティアに感謝し、テントで差し入れをもらう。でもリカバリーに最も重要なのは、レース前に準備したそのバッグの中身。その内容をオーストラリア版「ウィメンズヘルス」からご紹介。

このリカバリーバッグは、着替えを詰めるだけのものではない。疲れた筋肉をリフレッシュさせ、一日中体をサポートできる貴重なバッグなのだ。帰りの車やパーティーまでの道をよたよた歩かなくて済むように、大会当日のバッグにはこの4つのアイテムを忍ばせよう。

最適な燃料

リカバリーにはタイミングが命。走るのを終えた一時間以内にタンパク質と炭水化物がミックスされたものを摂取し、筋肉痛や疲労を防止しよう。摂取するのが遅れた分だけ、筋肉が自力で修復するのに時間がかかる。

炭水化物はレース中に燃やされたグリコーゲンを補給し、タンパク質はレース中の筋組織にできた小さな傷を修復することでリカバリーを促進する。グリコーゲンを補充するために65~90gの炭水化物を、筋破壊を食い止めるために15~30gのタンパク質を摂取する努力をしよう (性別を問わず60~80kgのランナー向けの指標なので、体重に応じて摂取量を増減させること)。

レース後の差し入れコーナーでは、ベーグル、スポーツドリンク、バナナといった炭水化物が出されるのが一般的。でも、質の高いタンパク質供給源を見ることは稀。プロテインシェイクやプロテインパウダーミックスなどを自分で準備することを検討してみて。持ち運びに便利な燃料補給スナックにはこんなものがある。

● 全粒小麦のイングリッシュマフィンに大さじ2杯分のナッツバターとジャム (タンパク質13g、炭水化物61g)
● ミックスナッツ、大豆、ドライフルーツを1/4カップずつ入れたトレイルミックス (タンパク質24g、炭水化物54g)

トライアスロンのプロで美食家のレベッカ・ワシュナーは、栄養たっぷりの自家製骨スープまたは骨出汁のジュースを持参するそう。「長時間のフライトや車の運転による疲れを取り除いてくれる」。ナトリウムや少量のタンパク質も同時に摂れるだけでなく、水分補給にもなる。シェイクと一緒に持って行きたいのはサンドイッチ。全粒ピタ、常温保存可能な1/4カップのハムス、冷蔵したチキン85gを断熱バッグに入れるだけ (タンパク質31g、炭水化物48g)。これでリカバリーを後押しするのに必要な量のタンパク質を摂取することができる。

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すぐに補給できる水分

尿の色が濃い場合やフィニッシュラインを切ってから何時間もトイレに行く必要がない場合には、脱水症状を起こしている可能性が高い。水分が充分に補給されていることを示す尿はレモネード色。

レース後は電解質入りの水分をたっぷり補給すること。ナトリウム、塩化物、カリウム、そしてマグネシウムとカルシウムが入った液体を飲むのがおすすめ。レース会場で必要なミックスが提供されない場合に備えて、バッグに電解質タブレットとパウダーを入れておこう。これ以上スポーツドリンクは飲めないという時には、プレッツェル、缶入りのスープ、もしくは完走後のピザといった塩っ気のあるものと一緒に水を飲んで。ビールに微量栄養素と液体が含まれることは確かだけど、飲酒は時間を置いてから。

フォームローラー

厳しいレースの翌日はベッドから起き上がるのが辛く、階段を下りるなんて到底不可能に思えるもの。でも、レース後に取り出せるローラーを持っていれば、その苦しみも半減。

フォームローラーが毒素を出し、血行を促進し、体の動きを良くして筋肉痛を和らげてくれることは臨床学的に実証されている。痛む筋肉を動かす方法はたくさんあるけれど、最新のバイブレーション機能付きのフォームローラーならリカバリーが加速できる。まだ限られた数ではあるが、従来のローラーと同等またはそれ以上に効果的であることを示す研究結果がある。

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加圧してストレス軽減

レース中にコンプレッションウェアを着る人もいれば、レース後のリカバリーに取っておく人もいる。加圧作用のあるコンプレッションウェアは血行を促進し、長距離レースで溜まった老廃物を排出してくれる。リカバリーバッグに長いコンプレッションソックスを入れ、予備の一組を他の荷物の中に入れておこう。レース直後に飛行機に乗る必要がある場合、多くのランナーが痛みや腫れの防止に最も役立つと口を揃えるのがこのアイテム。

この記事は当初、ランナーズワールドに掲載されました。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text:Pam Nisevich BedeTranslation:Ai Igamoto Photo:Getty Images