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筋肉をキープして、体重増加を防ぎ、エネルギッシュなワークアウトをするために、毎日適量のカロリーと栄養素を摂取する人は多いはず。
でも、エクササイズをするかしないかで、食事内容はどう変わるの? ワークアウトで燃やさないなら、カロリーを減らすべきなの? リカバリー中の体には、どんな食べ物が必要なんだろう? 気になる疑問に対する回答を、オーストラリア版ウィメンズヘルスからご紹介。

公認管理栄養士のナタリー・リッツォによれば、アクティブな日とそうでない日に摂取するべきカロリーや栄養素の量は人それぞれ違うので、 “スタンダード” は存在しないけれど、“ガイドライン”はある。

国際スポーツ栄養学会によると、ハードな有酸素運動(ランニング、HIIT、スピンクラスなど)を行うアスリートは、リカバリー中に糖質とタンパク質が3:1の割合で含まれる食事をするべきなんだそう。これでグリコーゲンの再合成が促進され、翌日のワークアウトへの準備が整う。

リッツォが言うように、この割合は「全カロリーの50~60パーセントを糖質から、20~25パーセントをタンパク質から摂るという、アクティブな日とほとんど変わらない」

でも、ワークアウトの強度が低い場合には、体が違う割合を求めているかも。「筋トレやヨガなどの低強度エクササイズを中心に行う人は、糖質とタンパク質の割合を2:1に近づけてもいい。大切なのは、運動をしない日の食事にも糖質を入れること」

カロリーを計算するフィットネストラッカーではなく、自分の胃に従うのが原則。公認管理栄養士でスポーツ栄養スペシャリストのケリー・ジョーンズいわく、「エクササイズで実際に消費されるカロリー量は、それなりに正確なモニターの数字と大幅にズレることがあるので、マインドフルな食べ方をして、空腹感や満腹感から総エネルギー消費量を把握するのが一番」

リカバリー中に必要な栄養素

ジョーンズによると、オフの日の食事で大切なのは、糖質とタンパク質の割合は変えずに、適切なタイミングで食べること。糖質、脂質、タンパク質は筋肉の修復を助けるので、活動量が少ないからといってカロリーや栄養素をカットするのはNG。

「厳しいワークアウトを終えた体がしっかり回復するには、24~48時間かかる。だから、オフの日にはリカバリーの燃料になる糖質、体内の炎症を和らげ、心臓と関節をサポートする良質な脂質、そして体内組織を修復する脂質を十分に摂ることが大切」と、ジョーンズは続ける。

リカバリーが終日続くようにするには、タンパク質を朝食で少しと夕食で50グラム摂るよりも、1日の中で20~30グラムずつ数回に分けて摂った方がいいそう。

また、「オフの日にはタンパク質を減らしても問題ないと思っている人が多いけれど、ワークアウトの後約48時間は、体がタンパク質を使い続ける。タンパク質やカロリーの不足は、筋成長や運動パフォーマンスの妨げになりかねない」と、リッツォは注意を促す。

オフの日は食べすぎに要注意

アクティブな日とそうでない日で、食事内容や栄養素の割合が大きく変わることはなくても、空腹度合いには差が出るかも。リッツォいわく「いくつかの論文が指摘しているように、エネルギーを大量に消費するワークアウトの直後は、通常、空腹感が抑えられるので、燃やしているほど多くのカロリーを摂取することがない」

一方のオフの日には、前日に燃やしたカロリーを体が取り返そうとするため、アクティブな日よりおなかがすくかもしれない。ハードな運動で抑制された食欲ホルモンが、正常値に戻り始めた可能性もある。

リッツォによると「ワークアウト中は、血液が筋肉に運ばれ腸から離れるので、あまりおなかがすかない。翌日は、食欲増進ホルモンのグレリンが正常値に戻り、食欲抑制ホルモンのレプチンが減る」

でも、そこで大食いしてはダメ。マインドレスに食べてしまうのを避けるには、タンパク質、食物繊維、ヘルシーな脂質をたっぷり摂って、満足感を続かせること。また、オフの日には汗をかいたり喉が渇いたりしなくても、水分を補給することが大切。「翌日のワークアウトから最大限の効果を引き出すためには、オフの日の適切な水分補給が不可欠」

そしてオフの日の体内では、前日のワークアウトによる炎症が続いているので、リッツォが言うように、抗酸化物質が豊富な食べ物(ビーツ、ベリー、葉物野菜など)をたくさん食べて、炎症を和らげよう。

オフの日の理想的なメニューとは?

「私なら、休みだからといってメニューを大きく変えることはしない。ワークアウト前後のスナックをスキップするだけ」とリッツォ。これはもちろん、その人の体の大きさ、活動量、普段のワークアウトの種類によって異なる(クロスフィットはジョギングよりエネルギーが必要になる)けれど、ジョーズが教えてくれたオフの日のメニューを参考にしてみよう。

朝食: アボカドをのせた全粒トーストに、卵2~3個とフルーツ。

スナック: 昼食まで4時間以上あるのなら、枝豆とドライフルーツなどのスナックで、糖質とタンパク質を摂っておくべき。

昼食: 鶏肉とキヌア。好きなドレッシングをかけたグリーンサラダを添えれば、次の食事まで乗り切れるはず。

スナック: リカバリーを1日中継続するには、ランチ前のスナックと似たような栄養構成で、夕食の前にもスナックを食べておくのが大事。無添加のプロテインバーなどが手っ取り早くてオススメ。

夕食: サーモン、さつまいも、さやいんげんの組み合わせはバランスがいい。デザートにはダークチョコレートを。

さあ、今度からはワークアウトをお休みする日の食事にも意識を向けてみよう。

※この記事は当初、アメリカ版メンズヘルスに掲載されました。
※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Isadora Baum Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。