睡眠時間を増やしたいなら、遅い時間のカフェインをやめたり、ベッドルームを居心地よくしたり、寝る1時間前には電子機器をさわらないほうがいい、ということはわかっている。それでもやっぱり眠れない人もいるのでは。不眠のスパイラルに陥らないための今すぐ取り入れられるコツを眠りの専門家が教えてくれた。
筋肉の緊張をほぐす
「リラクゼーション方法の一つとして、段階的筋弛緩法で身体の緊張をゆるめて」と神経科医のサンドラ・ブロック医学博士。つま先から頭まで、筋肉のパーツごとに5秒間隔で力を入れ、そして順に緩める。終わりに、リラックスしているところをイメージ。ブロック博士は、実際に行ったビーチのきらきらする波や、太陽の光、ココナツのサンローションのにおいをイメージするそう。このイメージだけでも眠くなりそう。
起きることを考える
矛盾っぽく聞こえるかもしれないけれど、「寝られないことが気になって起きてしまうときは、むしろ起きていることを考える」と話すのは、「My Child Won’t Sleep」の著者でDuke小児神経科を専門とするUniversity’s Pediatric Neurology Sleep Medicine Program、スジャイ・カンサングラ医学博士。これは、「逆説的意思」と呼ばれるテクニックもので、わざと反対の起きることを考えることで、不安を減らしリラックスできるようになるそう。
安眠スムージーを飲む
いつもの寝る前のおやつに安眠スムージーをすすめるのは、睡眠関連の薬学の専門家で「Sleep Soundly Every Night, Feel Fantastic Every Day」の著者、ロバート・S・ローゼンバーグ。安眠を助けてくれる必須アミノ酸のトライプトファム、カルシウムやマグネシウムの豊富なギリシャヨーグルトと、低カロリーのアーモンドミルクに、冷凍タルトチェリーを加えてスムージーに。タルトチェリーは、1時間以上も睡眠時間を長くするという効果も最近判明。お好みでシナモンを少々加えれば、ぐっすり眠れるスムージーのできあがり!
一人時間を確保する
シカゴ大学の行動睡眠の医学専門家、リサ・メダリーは、「寝る直前は一人の時間を作るようにしている」と話す。一人のリラックスタイムは、目をつぶったときに気が散ることを思い出すのを減らし、対人関係の問題を忘れさせてくれる。落ち着いた気持ちで、ゆっくりと寝るモードに入れるので、寝る前の一人時間はおすすめ。
ノートに書き出す
ローゼンバーグ氏が妻と実践しているのは、ノートに気になっていることを書き出すことだそう。このテクニックは「建設的な心配」とよばれる。寝る少なくとも3時間前に気がかりなことや対処法をノートに書いて、文字どおり一晩おいておくのがポイント。
ゆっくりと呼吸する
ジョゼ・コロン医学博士で「The Sleep Diet: A Novel Approach to Insomnia」の著者は、「呼吸に集中することでよく眠れる」と話す。いつもより静かに、そしてゆっくりと呼吸をして、100から反対に数えていくそう。Mayo Clinicによると、普段人はは1分間に12から14回呼吸をしているが、眠りたいときは、もっとゆっくり、その半分くらいを目指して。長く、スムーズな呼吸はストレスを減らしてリラックスするのを助けてくれる。
ベッドルームはペットの立ち入り禁止
確かに一緒に寝るのもいいけれど、かわいいネコやイヌは眠りの妨げにも。ノースキャロライナのSleep to Live Instituteディレクター、ロバート・オークスマンは、ペットとは一緒に寝ないそう。動物は、人間とは一日のリズムがちがうので、どうしても寝るときに動いてしまうのがその理由。
部屋を涼しく
「温度には気をつけつつ、ファンを回しながら寝る」、と言うのはローゼンバーグ氏。多くの研究結果によれば、部屋の温度は16℃から21度くらいがちょうどよいとのこと。身体内部の体温は夜になると落ちて、この体温の低下が、脳への眠りの合図になる。暑い部屋ではこれを妨げてしまうので注意。
光にも気を配って
1日のリズムを狂わせないように、太陽の光の変化とあわせて。たとえば、昼間に暗いオフィスで仕事をしたり、夜中に電気をつけることはNG。「夕食後は、外と同じように、部屋の光を落とす」と言うのはミシガン大学の睡眠障害を扱う、Sleep Disorders Centerキャシー・ゴールドスタイン医学博士。明るさの影響は大きく、概日リズムがずれることもあるので、夜にトイレに行くときも光はなるべく暗くするなど気をつけているそう。
http://www.womenshealthmag.com/health/what-to-do-if-you-cant-sleep
Text:KRISSY BRADY Translation:Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images