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私たちのほとんどは人生の大半を職場で過ごす。自分のデスクや担当するカウンターの後ろで起きることは、私たちのメンタルに大きな影響を与えている。心の専門家は、メンタルヘルスに悪影響を及ぼすのは私生活ではなく、オフィスがほとんどと指摘する。ワークタイムと心のあり方が問われる現代。オーストラリア版ウィメンズヘルスがこの問題について、専門家にインタビュー!

最近の新たな研究によると、仕事によるストレスが大きいとうつ病や不安神経症といった一般的な心の病を発症するリスクが高まることが発見されたという。しかも、ストレスとトラブルのこの関係は悪循環を起こすらしい。

心の病は今や欠勤の主な理由で、労働者の25パーセントはストレスが原因で仕事を休んだことがあるという研究結果も存在している。職場でのメンタルヘルスを改善するには、私たちは何ができるんだろう? オンライン心理学者ネットワーク「Lsyn」で活躍する、心理学者のブリアナ・ジェイン・サダに話を聞いた。

今すぐチェック! メンタルが悪影響を受けているサイン

「従業員は職場での目標達成や成功から満足感を得ることが多いので、生産性やパフォーマンスに悪影響を与える精神的な悩みを抱えていると、自分への自信を失ってしまい、それがますますメンタルヘルスを悪化させます」 とブリアナは説明する。

ブリアナによると、職場での何かがおかしいサインには以下のものが含まれる。

●仕事や目標に対するモチベーションやエネルギーの喪失。これが生活の他の面に影響することも
●普段の性格からは考えられないほど、職場で怒りやすく、攻撃的になる
●仕事のパフォーマンスの低下
●仕事を休んでいる
●常に新しい仕事を探している
●自信を失い、自分の能力を疑っている。これが理由で新しい役割、仕事に志願しなくなることも
●睡眠習慣の変化
●食習慣の変化
●アルコール量の増加
●人間関係がピリピリする
●会社の同僚を避ける
●フィジカルな問題が悪化する

ストレスを感じたら? 次にトライしたいステップとは

ストレスを感じているような状況に直面している場合、できることはたくさんある。まず、仕事と私生活との間に境界線をしっかり引くこと。

「会社を退社するときに、仕事モードのスイッチを切ることは非常に大切です。会社の外で好きなことをする時間をつくり、友達や家族と充実した時間を過ごすのがおすすめ」

ランチタイムを必ず取り、定時で帰ることも大事。

「残業をしているなら、すでに不健康な環境にいることになります。会社で過ごす時間が増えれば、その分苦しさが増すだけです」

体の健康を促進する手段は、精神的な健康にも大きなインパクトを与える。

「エクササイズがメンタルヘルスに非常に良いことは周知の事実です。仕事の前か後にエクササイズをするのは心に良いだけではなく、サンドバッグを使ったエクササイズをすれば、会社で誰かをノックアウトさせてしまうこともないでしょう」

ブリアナは、必要なら助けを求めることも勧めている。

「あなたが助けを必要としていることに周囲の人は気が付かないかもしれないので、率直に打ち明けるのを怖がらないで」

ストレスの原因が、問題のある上司や同僚のせいだったらどうする?

仕事関連のストレスが仕事の量だけでなく、扱いにくい同僚や悪い上司との関係に起因する場合、毎日前向きでいることは、さらに難しくなるかもしれない。

「難しい上司や同僚と関係せずに、長い仕事人生を切り抜けられる人はほとんどいないと思います。たいていの人は職場のストレスではなく、上司を理由に仕事を辞めることが調査によって分かっています」

では、どうすればいいの? ブリアナは、その「問題の人」と真っ向から向き合うことを勧めている。

「問題ある上司や同僚に訴えかけて、何が彼らをそうさせているのかを理解することです。そして、彼らに届く言葉を使い、行動を起こしましょう」

難しいかもしれないけれど、上司や同僚たちのネガティブさを理由に落ち込まないで!

「彼らから疎まれたり、彼らの短所をさらけ出したりしたところで、何の得にもならないでしょう。あなた自身の評判を落とすだけになることも」。上司や同僚たちの成功を祝い、常に感じよく接する努力をしよう。

あなたが責任ある立場だったら……。ストレスフルな環境のとらえ方

ほとんどの企業が、全ての従業員を受け入れるポジティブな職場環境を目指しているとはいえ、ストレスは人にう伝染しやすいともいわれ、しっかり対処されなければ職場全体に広がることもある。ブリアナは、雇用主が従業員のメンタルヘルスを考えることが大切だと言う。

「従業員が精神的に不調だと、生産性が低下します。心の病は、会社の外で発症するものだと思い込まないで欲しいですね。不健康な職場環境、同僚との関係の悪さ、職場での出来事の数々は、どれも不健康な精神状態や心の病の一因にもなります」

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Frances Magiera Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。