大事なことなのでもう一度。炭水化物は敵ではない。
ケトジェニックダイエットの人気とともに、炭水化物の株は大暴落したと言っていいだろう。けれど、栄養素としての評価は回復してきてもいる。実際は健康や減量に役立つものであり、カラダを機能させるのには不可欠なもの。
MINDダイエットの考案者、管理栄養士のマギー・ムーンによれば、炭水化物は体の大事な燃料源で、分解されると脳を動かすブドウ糖になる。炭水化物自体が体に悪いわけではないけれど、炭水化物はみんな同じというわけでもない。様々な形態や分量がある中で、ヘルシーさも変わってくるとムーンは語る。
“悪い”炭水化物って?
「食べ物を『良い』『悪い』と分類するのは、一部の食べ物を悪者扱いして、食べるのを怖くさせてしまうので、あまり好きではありません。でも、大雑把には、精製加工されて糖を含む炭水化物が悪い炭水化物と言えますね。よく例として挙がるのは、精白パンや菓子パン、ソーダ、エナジードリンク、さらには精白パスタも」
なぜ体に悪いの?
悪い炭水化物は、カラダへのメリットが特にないんだそう。「精製穀物や糖分を摂りすぎるというのは、つまり栄養のほとんどを失ったカロリーを摂っているということ。本来とるべきカロリーあたりの栄養が摂れないので、体は損をしていることになる」とムーンは語る。
『ヘルシーなノンフライヤーレシピ』著者の管理栄養士、デーナ・アンジェロ・ホワイトも「精製穀物や添加糖など、食物繊維と栄養分の少ない炭水化物を多く食べると、カロリー過多、空腹感の増加、エネルギーの急降下、そして体重増加につながる」と付け加える。(怖っ!)
とはいえ、添加糖や悪性炭水化物は体に必要ないものでも、誕生日のケーキや無性に食べたくなるドーナツが絶対にダメというわけではない。人間だもの。
じゃあ、“良い”炭水化物って?
幸い、良い炭水化物も存在する。「大まかにいえば、健康に良い炭水化物は全粒穀物、豆類、野菜や果物から摂れます」とムーン。これらが良い炭水化物と呼ばれるのは、マグネシウムやタンパク質、抗酸化物質、そして人体に必要なビタミンAやビタミンCなどが含まれているから。炭水化物自体の効能に加えて、さらに体を助けてくれるの。
良性炭水化物を摂れる食べ物には、
キヌア
オートミール
ポップコーン
黒豆
ひよこ豆
枝豆
リンゴ
バナナ
にんじん
さつまいも
などがあげられる。
「良い」炭水化物のほとんどは複合糖質、つまり炭水化物分子が多く連なってできているので、消化して糖分に分解するのに時間がかかる。要するに、午後3時で燃料切れを起こさない食べ物だ。
炭水化物はどれくらい食べるべき?
ムーンによれば、炭水化物(特に良性のもの)は一日分のカロリーの45~65%を占めるべきだという。一日1600kcalの食生活なら、720~1040kcal分、つまり180~260g分だ。カロリー摂取量を数えていない(筆者のような)人は、おやつや食事のバランスを、良性炭水化物半分、タンパク質少し、そして良性脂質少しに整えると良いらしい。
ラベルの読み解き方
良い炭水化物を摂るためには、もっぱらホールフーズを食べるのも一手かもしれない。しかし、精製炭水化物は意外なところに潜んでいるのだ。
食品のラベルを読むときは、まず合計炭水化物量を見てから、すぐ下にある糖質の割合を見よう。ムーンさんいわく、糖分を加えられているものはなるべく避け、一食10g以下に抑えるべきとのこと。そのさらに下には食物繊維量の表示があるので、最低でも3g含まれているものを探すのがいいという。しかし考えすぎるのもよくない。良い炭水化物を摂り、悪い炭水化物を減らして食事のバランスを整えていれば大丈夫なはずだ。
※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text:Isadora Baum Translation:Emi Ito Photo:Getty Images