ワークアウト中にダラダラ汗がたれてくるのは普通。でも、コーヒーを頼んだり、デスクに座ったりしているだけで汗が噴き出してくるのは、理想的とは言えないみたい。
多汗症は、今いる状況に発汗量がマッチしないという疾患。
「体の生理学的なニーズ以上の汗をかくのが多汗症」 と語るのは、オーストラリアのPerth Dermatology Clinicのトニー・カッチェッタ医師。
「通常は局部的で、脇の下 (腋窩多汗症)、手のひらと足の裏 (掌蹠多汗症)、頭皮と顔 (頭蓋顔面多汗症) に現れるのが一般的」 だという。
多汗症は人口の5パーセントを悩ませる病気だけれど、治療を受けない人がほとんど。恥ずかしいか、医学的な治療が可能であることを知らないからだ。
カッチェッタ医師によれば、「過剰な発汗は、慢性的で一生続くこともしばしば。汗腺をコントロールする神経系が、過度または異常な反応を見せるんだ」
局所性多汗症の正確な原因は分かっていないけれど、全身性多汗症 (非常に稀) の原因は、薬の副作用か、神経障害またはホルモン障害であることが多い。
一体、どうすればいいんだろう?
症状の見られるエリアに応じて、いくつかの治療法が考えられる。
「過剰な脇汗には、まず発汗抑制剤が試される。症状が軽い人には非常に効果的。でも、発汗量が著しく多い人には効かない場合が多く、他の治療法が必要になる」。発汗抑制剤で改善が見られない人には、通常セラピー (ボトックスとしても知られる) が勧められる。
「セラピーなら発汗量が確実に90パーセント以上減り、再治療を受けなくても3~6ヶ月効果が持続するケースがほとんど。マイクロ波熱分解をはじめとする他の療法も存在する」 そう。
手のひらと足の裏に過剰な汗をかく人に最も効果があるのは、イオントフォレーシス (イオン導入) 。「患部を水に浸し、そこに直流電流を流して汗腺をブロックする」 装置だ。
「最初のうちは1日30分の治療が必要で、様子を見ながら減らしていく。この療法では、発汗量が60パーセント以上減ることが多い」 とカッチェッタ医師。
顔と頭皮の多汗には、ボツリヌス毒素療法および飲み薬が使われる。
「全身性の場合には、徹底的な検査によって、医師が根本的な原因を断定しなければならない。根本的な疾患を治療することで、全身性多汗症が改善する」 という。
※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Lucy Bode Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images