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悪者になりがちなグルテンの真実は?

「グルテンフリー」の文字を見かけることが多くなったけれど、セリアック病以外の場合、本当にグルテンは身体に悪いの? グルテンが身体に与える影響に関して調べてみた。

1.消化に負担がかかる

グルテンはタンパク質の一種だけれど、分解されにくい構造をしている、と話すのは英国消化器病学会のアイーシャ・アクバール医師。タンパク質は、消化器系を通過する際に酵素によって分解されるけれど、グルテンの場合はその構造が消化を難しくしている。グルテンを含んだものを食べる時には良く噛んで消化を助けてあげることが大事。一口あたり少なくても15回は噛むようにして、酵素が働きやすくなるようにしてあげて。

2.お腹に影響あり

人口の1%以下とされるセリアック病の患者の場合、身体はグルテンに対して自己免疫反応を起こしてしまい、栄養の吸収を妨げてしまう、とアクバール医師は説明する。また、セリアック病でなくても、人口の5%から8%の人は、グルテンに対して何かしらの反応を起こしてしまうそう。これが胃のむかつきなどのお腹の症状として現れる。でも、それ以外の人の場合はグルテンを摂っても特に問題がない。

3.栄養の吸収を妨げる

詳しい話をすると、グルテンはグリアジンとグルテニンで構成されている。そして、この2つが腸に入ると、酵素の一種、トランスグルタミナーゼがグルテンを分解する。セリアック病の人の場合は、この段階でグリアジンを攻撃しはじめるので、食べ物の吸収を妨げてしまう。

4.食べないとむしろ疲れる

スパゲッティを食べなければいいと思っているかもしれないけれど、そんな簡単ではない。「グルテンをやめると疲労感が増す場合も」とアクバール医師。「グルテンを含む食品はそれ以外にも栄養を含んでいる。グルテンを含むからといってこういった食品を食べないとグルテン以外の栄養素が足りなくなり、疲れにつながることもある」。そういった時は、小麦製品以外を増やすのではなく、フルーツや野菜を増やすようにしてみて。

5.身体のむくみにつながる

パンを食べるとむくみが気になるという人も、そのむくみをグルテンのせいにするのは早いかもしれない、とアクバール医師。身体がどれだけ水分をため込むはグルテンだけでなく、短鎖炭水化物にも影響される。だから、むくむからといって全粒粉パンを食べるのをやめると、せっかくの食物繊維も摂れないことになってしまう。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text:アメリカ版『ウィメンズヘルス』 Translation:Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images