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腸内環境や腸内フローラなど、腸とその健康に関するニュースをよく聞くようになった昨今。腸にいいとされるプレバイオティクスやプロバイオティクスも陽の目を浴びる存在になった。ところで、最近よく目にする「マイクロバイオーム」って知ってる?  マイクロバイオームは腸内フローラと同じ意味に聞こえるけれど、ちょっと違う。とある環境下におけるゲノム情報全般を指す。特に腸内細菌はヒトのマイクロバイオームの中で多くを占めるといわれ、注目を集める存在。では、一体どんな役割があるの? 『The Forensic Nutritionist』の著者で管理栄養士のフィオナ・タックが、その全容を明らかにしてくれた。

「健康なマイクロバイオームは正常な食欲のシグナルを送り、消化を促進して、甘い物への欲を抑制するの。ところがマイクロバイオームが不調になると、本来の健全な腸機能が乱れ、それが心身の健康にも悪影響を及ぼすわ」と教えてくれたのは、管理栄養士のフィオナ・タック。「腸機能の低下はうつ病や肥満、糖尿病に自己免疫疾患、自閉症や慢性疲労といった数々の病気にも関係しているのよ」。

フィオナいわく、「腸内に悪玉菌がいるときは、マイクロバイオームに酵母や糖が多くなる。この不健康な状態のマイクロバイオームは、『もっと酵母や糖を食べて、悪玉菌の成長を促しなさい』 という “欲” ともいえるシグナルを脳に送ってしまうの。悪玉菌から支配権を取り戻すには、その燃料源である酵母と糖を一時的に除去するのが得策ね」

腸の不調は全身にも影響!? いろいろなトラブル、例えばこんなこと

腸の調子が良くないとは、どんな状態だろう? 実は、さまざまな症状がある。例えば、フィオナによると以下のようなことが挙げられるそう。

●食物不耐
●関節炎
●アレルギー
●ヒスタミン反応
●皮膚疾患
●原因がよく分からない疲労
●うつ
●爪の凸凹

腸の健康を取り戻して維持! 今日からすぐできる、5つのコツ

1.少しずつでも工夫して。「食事から毒素を取り除く」

加工食品や人工の化学物質の入ったものを選ばない。有機化合物であるビスフェノールAを使用したプラスチックや、プラスチックの梱包材などの環境有害物質も避ける。 ろ過されていない飲み水もNG。

※編集部註:日本でもビスフェノールAについては、厚生労働省から「できる限り曝露を減らすことが適当」という見解があります。
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/07/h0708-2.html

2.できるだけオーガニック食品を摂る。無理なら「皮の薄い果物をオーガニックに」

難しいかもしれないけれど、野菜やフルーツの残留農薬を最小限に抑えることは腸の健康を取り戻すのに役立つかもしれない。オーガニック食品が高くて買えないという場合にはリンゴやモモ、イチゴやブルーベリーなど、皮の薄いフルーツだけはオーガニックにするのがおすすめ 。参考までに、バナナやアボカド、マンゴーなどは皮が厚いフルーツと考えて。

オーガニックの農産物が買える場合も、しっかり洗ってから食べること。オーガニック食品には、体に有益な抗酸化物質と植物性化合物が非オーガニック食品よりも多く含まれているそう。

3.食品添加物の使用を控える

ココナッツミルク、植物性ミルク、グルテンフリーやパレオ系フードなど、俗にヘルシーと言われる食品の多くには、見掛けとは裏腹に食品添加物が使われていることもある。カラギーナン、キサンタンガム、グアーガム、大豆レクチンはよく見かけるので気を付けたい。

4.もっと、もっと! 善玉菌に役立つ「プレバイオティクスを積極的に摂る」

アーティチョークやアスパラガス、にんにく、タマネギや緑黄色野菜といったプレバイオティクス食品に含まれる食物繊維は、腸内の善玉菌をキープするのに欠かせない。新鮮な野菜をたっぷり食べれば、善玉菌の生存に必要な燃料が補給できる。

5.強い免疫システムを維持。「プロバイオティクスをもっと摂る」!

「プレ」ではなく「プロ」。プロバイオティクスは悪玉菌の侵入を妨ぎ、健康な粘液を生成して腸機能を改善して、強い免疫システムを維持してくれる。ザワークラウトやキムチ、ケフィアに昆布茶、プロバイオティクス入りヨーグルトなどの発酵食品を積極的に食べてみよう!

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Fiona Tuck Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。