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舌の色、爪の色、便の形……自分の健康状態を把握する方法はさまざまだけれど、実は「尿の臭い」も一つの手掛かり。どうやら泌尿器科医のマーク・ラニアド博士によると「トイレの水で薄まった普通の尿は、鼻を近づけない限り、ほとんど臭いがしないはずです」。でも、ツンとした臭いやコーヒーっぽい臭い、甘い臭いなど尿の臭いの異変に気がついたら、体からのどんなサインだと考えるべきなのか? ラニアド博士がイギリス版ウィメンズヘルスに教えてくれた。

1. アスパラ、キャベツ、カブ……食べ物で尿が臭くなるのは2人に1人

特定の食べ物で息が臭くなるのは周知の事実。でも、なかには尿を臭くする食べ物もあるそう。

まさにこの理由からアスパラを避ける人もいるようだけれど、悪臭を放つ原因はこの野菜を分解するために必要な特定の酵素。でもこの酵素を持つのは2人に1人だけなので、食べた人全員の尿が臭くなるわけではない模様。ラニアド医師の話によると、「理由は定かではないけれど、この悪臭が漂ったとしても、それを嗅ぎ取れる人はわずかとされています」とのことなので、心配しすぎる必要はない。

アスパラの他にも、芽キャベツやキャベツ、カブやカリフラワー、ニンニクもツンとした臭いを漂わせるそう。排尿後の臭いが気になったら、最近の食事内容を振り返ってみて。

2. コーヒーを飲みすぎていない?

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活力アップのため、カフェインを頻繁に摂(と)っていると尿にも影響が。気になるほどではないけれど、尿からちょっぴりコーヒーのような臭いがするはず。

3. 朝起きてすぐの尿が臭う原因は水分不足

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尿から強烈なアンモニア臭がする場合は、水分が不足している可能性も。体内に水分が足りていないと尿を薄めることができないので、尿の色が濃くなり、臭いも強くなりやすいそう。

ラニアド医師によれば、「体の水分の多くは、寝ている間に奪われます。朝に最も強烈な臭いを放つのはそのせいでしょう。1日を通して水分を補給していくと、この臭いもおさまってくるはずです」

4. 抗生物質やてんかんの薬などが原因で尿が臭い可能性も

抗生物質やてんかんの薬も、尿が臭くなる原因の一つ。

ラニアド医師によると、「合成抗菌剤である『サルファ薬』のなかには、尿を臭くするものがある」そう。「サルファ薬に含まれる化合物群の『スルホンアミド』は、感染症やてんかんの治療に使われています」

5. 尿路感染症も、尿の悪臭の原因に

尿路感染症が原因で、尿から悪臭がすることもある。とりわけ、排尿にチクチクした痛みやヒリヒリ燃えるような感覚が生じる場合は、抗生物質が必要かもしれないので医師に相談すること。

6. 甘めの臭いがするなら、糖尿病を疑って

糖尿病にかかると、場合によっては尿から少し甘い臭いが漂うこともあるとか。いつも喉が渇いている、頭が痛い、いつもより頻繁に排尿しなければならない、などの症状に身に覚えがある場合は病院へ。

糖尿病によって血糖値の調節が効かなくなり、尿から甘い臭いがすることもありますが、これはまれなケースです。アミノ酸がうまく分解されず、尿の臭いが甘くなるメープルシロップ病もレアです」と、ラニアド医師は説明する。「尿がかび臭い場合は、肝不全の可能性も考えられます」

7.レアケースとして「瘻孔(ろうこう)」という病気も

ラニアド医師の話では、「腸と膀胱(ぼうこう)をつなぐ管に穴があく瘻孔(ろうこう)という病気によって、尿が臭くなると同時に、膀胱(ぼうこう)炎をはじめとする尿路感染症の再発を繰り返すこともあります」

尿から悪臭がするうえ、尿路感染症の再発に悩まされているなら、病院で検査を受けよう。

臭い以外にも注目するべき尿の特徴とは?

「最も注意するべきなのは、尿の色です。血が混ざっている赤い尿は最も深刻です。がんのサインとしてもとらえられるので、即時に泌尿器科で検査を受けましょう。ただしビーツの食べ過ぎから尿が赤くなることもあるので、何を食べたかは覚えておくこと」と、ラニアド医師はアドバイス。

「排尿に痛みを伴い、悪臭がして、尿が濁っていたり色が濃かったりする場合は、尿路感染症が疑われるため検査を受けるのが賢明です。また、それほど水を飲んでいないのに排尿の頻度が高く、量も多い場合には、血糖値の調節機能が正常に機能していない可能性があるので、一度病院で診てもらいましょう」

※この記事は当初、『Netdoctor』に掲載されました。
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Natalie Healey Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images