汗にまつわる疑問に医師が回答。どこからが「かきすぎ」? 

14 March 2019

汗にまつわる疑問に医師が回答。どこからが「かきすぎ」? 

ジムで運動をした後ならトップスや髪が汗だくでもいいけれど、大事なプレゼンやデート、入社面接で手のひらが湿っていたり、脇の下に汗染みができたりするのは避けたいところ。そこで今回イギリス版ウィメンズヘルスは、発汗に関するさまざまな疑問を医師に投げかけてみた。


人はなぜ汗をかくの?

時には臭うこともあるけれど、発汗する行為は生きていくうえで自然なこと。「人間は体温を調節するために汗をかきます」と説明するのは、米マウントサイナイ・アイカーン医科大学の皮膚科学助教授、デボラ・ジャリマン医学博士。「汗が蒸発することで体はクールダウンします」。

体は実際、体幹温度を調節しようと常に汗をかいており、汗がしずくとなって流れ落ちるのは、発汗率が蒸発率を超えたときだけ。これは、暑い日やストレスが蓄積したときに起こり得るそう。このような状況における過剰な発汗は、通常大きな病気を示すものではないみたい。


どのくらいで汗の「かきすぎ」になるの?

発汗における"正常"は幅広い。体が置かれている状況によって、汗を1リットルもかかない日もあれば、数リットルかく日もある。例えば普段から運動をしている人や、蒸し暑い地域に住んでいる人が頻繁に汗をかくのは当たり前。

発汗が自然なことであるとはいえ、体が必要以上に汗をかくこともあり、世界の2億2000万人(世界人口の約3%)は多汗症を患っているそう。多汗症患者の汗を分泌する腺の一つ「アポクリン腺」が活発すぎて、体をクールダウンさせるのに必要な量以上の汗を分泌してしまうそう。

この病気は全身に現れることもあれば、特定の部位にしか現れないこともあるとか。全身性多汗症は大抵の場合、代謝機能が何かしらの理由で妨げられる「代謝異常症」(甲状腺機能亢進(こうしん)症など)や糖尿病、感染症、リンパ系腫瘍といった基礎疾患の症状。アルコール中毒および離脱、抗うつ剤をはじめとする、特定の薬の服用も過剰な発汗を引き起こすことがある。また、全身性多汗症には、不安やホルモンの変化にも関連しているとか。

一方の局所性多汗症は、通常別の病気の症状ではないみたい。多汗症と聞くと脇の下から汗が湧き出ることをイメージする人が多いけれど、そこにある汗腺は全体の2%にすぎないそう。つまり、局所性多汗症は、足や手、頭など体のあらゆる部位でも起こり得るということ。

発汗の必要性は人によって違うので、「これ以上は過剰」と言い切るのは難しく、最終的な診断は医師にしか下せない。でも、服が汗でびっしょりぬれてしまったり、汗のかきすぎで皮膚が荒れてしまったり、体を動かしていないのに汗をかいたりする場合は、多汗症が考えられるみたい。


発汗量を減らすには?

汗のかきすぎがストレスになっている、または恥ずかしいと思うなら、まずは制汗剤の力を借りてみよう。『Beautiful Skin: Every Woman's Guide to Looking Her Best at Any Age』の著者である米コロンビア・プレビステリアン医療センターの臨床皮膚科学助教授で、認定皮膚科専門医のデイヴィッド・E・バンク医学博士によると、「手始めに"医薬品"とみなされる制汗剤を使うのがおすすめです」

「多汗症用に作られた制汗剤は何年も市場に出回っており、定期的に使えば多くの多汗症患者にも効果的であることが証明されています」。ジャリマン博士いわく、制汗剤は夜に使うのが一番だとか。そうすれば寝ている間に制汗剤が皮膚に吸収されて、朝からしっかり働いてくれるそう。

米国食品医薬品局の認可を受けて、アメリカでは2004年から、脇の下と手のひらの多汗治療にボトックス注射が使われている。氷で冷やす顔面用「クライオセラピー」が眉間のシワを防ぐのと同じように、ボトックス注射も汗腺を活発にする化学物質の分泌を一時的に抑えてくれるとか。国際多汗症協会によれば、ボトックス注射で発汗は82~87%も減少するそう。その効果は2~4日で現れ、7~12カ月続くのが一般的とされている。


医師にはどのタイミングで相談したほうがいいの?

多汗症を「大したことじゃない」と放っておかないように。専門家の話によると、過剰な発汗は生活の質を下げてしまう要因にもなりかねないようなので、汗に関して少しでも悩んでいるなら、すぐにでも解決策を探ったほうが自分のため。

前述の通り、糖尿病や甲状腺疾患、高血圧の薬や抗うつ剤は過剰な発汗を引き起こすことも。一方で感染症や一部のがん、心臓病や肺疾患、閉経、時には脳卒中も多汗の原因になりかねないそう。生活をするうえでの自分の発汗量が正常かどうか気になるなら、医師に相談してみて。

 

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Kate Bayless Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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