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冬が近づくにつれ増えてくる、海外旅行の機会。でも、旅先にたどり着くまでは長時間狭い座席に座っていないといけないという難関が。たとえ少し寝られたとしても、旅先に着陸した頃にはぐったり……はよくあること。ところが長時間の飛行機での移動が招くのは、疲れだけじゃない。ここでは、飛行機に乗ることで体に起きる変化や、「飛行機不調」の疑問をイギリス版ウィメンズヘルスからご紹介。

ガスがたまる……おならが止まらない

「飛行高度は高くなればなるほど普段と比べて大気の圧力が低くなり、空気が膨張します。結果としておなかが張り、ガスがたまって居心地が悪くなります」とケンブリッジ大学病院で胃腸科専門医コンサルタントを務めるガレス・コルベット医師。

「酵素が血液に取り込まれる『血液酵素化』は、基本的に95%~100%であるのに対して、飛行機に乗るとこの数値が92%〜94%に下がります。そのため、平常時に比べると胃から小腸まで食べ物を動かす働きも鈍ります」

飛行機に乗るときはシュワっとした炭酸飲料や発酵食品は避けて、おなかにやさしい水やジュースにしておくとおならに悩まされることも減るかも。

どんどんカサつく肌。体のあらゆるところが乾燥し始める

「機内は湿度が低いので、長時間飛んでいると肌の水分が減少して乾燥を招きます」と皮膚科医のコンサルタント、ジャスティーン・クラック。「つまり肌が乾燥してむけたり、目が乾燥してきたり、唇がかさついてしまったりするのもこのせいです」。

飛行中の乾燥肌を防ぐためには、メークを落としてから自分の席につくようにして。化粧水には、ヒアルロン酸配合のものがお薦め。ヒアルロン酸には実際の重さに対して、約1000倍ほどの水分子が詰まっているそうなので、潤いも保たれるはず。

体内のリズムが崩れて、体が思うように動いてくれなくなる

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「体内には24時間でいったんリセットをする『概日リズム』というものが備わっています。体は光や食べ物、気温の変化などに反応することで、このリズムを整えています」と話すのは、神経領域を網羅した月刊誌「Clinical Neuroscience」内でヘルスケア提供者「Naffield」の副所長を務める、クリストファー=ジェームズ・ハーヴェイ医師。

つまり、12時間飛行機に缶詰め状態だと1日の変化を体で感じられない分、概日リズムが狂ってしまう。よってストレスホルモン「コルチゾール」の分泌が増えたり、眠るために必要なホルモン「メラトニン」の量が減ったり、と体内の機能が乱れてしまうそう。

感情的になりやすい? 途端に涙もろくなる

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飛行機内で感情的になりやすい理由としては、なかなか寝付けない環境であることと、ホルモンバランスが崩れてしまうことが大きく関係している模様。また、同じ場所に数時間いないといけないことから、隣に座っている人など全くの他人に親近感が湧くという現象が起き、余計に誰かの肩を借りて「泣きたくなる」と感じやすいよう。

普段映画では泣かないタイプでも、飛行中に感動する作品を見たら、つい号泣してしまうかも。

トイレのレバーより10倍汚い!? 機内食のトレーには注意が必要?

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飛行機に乗っていると周りに座っている人の風邪が移ってしまうんじゃ……と心配する人もいるのでは? でも、周りからウイルスをもらってしまう確率は、映画館など屋内の混み合った場所にいるのとそこまで変わらないそう。それよりも気にしたいのは機内食が運ばれてくる「トレー」。どうやらこのトレーの方が、機内トイレのレバーに比べると10倍ほど菌が集まりやすいのだとか。除菌ティッシュや手指の消毒液は忘れずに持ち運んでおこう。

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルス2018年8月号から翻訳されました。



Text: Women’s Health UK Translation: Miku Suzuki Photo: Getty Images