アメリカでは昼寝スタジオが流行中!? 効率のいい昼寝の極意
働く私たちは、いつでもどこでも昼寝できないからこそ、いざ「昼寝する!」と決めたら昼寝によって確実にリフレッシュし....
働く私たちは、いつでもどこでも昼寝できないからこそ、いざ「昼寝する!」と決めたら昼寝によって確実にリフレッシュした状態で作業に戻りたい。でも、眠れば疲れがとれると思いきや、眠るという行為以上に大事なのは、時間や環境のよう。昼寝の効果を十分に得るためにも、科学が裏付けする昼寝の正しい方法をマスターして。
夕方の疲れは、コーヒーでなんとか乗り越える。今まではそんな考えが一般的だったけれど、このところアメリカでは、あちこちにオープンし始めている昼寝スタジオ……例えばワシントンでは「Recharj」。シカゴでは「ピース・パワー・ナッピング」。ニューヨーク市では「ナップヨーク」などでの昼寝を選ぶ人が少しずつ増えているらしい。
昼寝なんてやる気のない人と子供がすること? ところが昨今はそんな昼寝が「クール」になっている。そう教えてくれたのはペンシルバニア大学で心理学の助教授を務めるフィリップ・ゲルマン博士。
日中にちょっぴり眠りにつくと、だるさもとれて仕事力、効率性、クリエイティビティ、記憶力、それから気分までも向上する。さらには免疫システムが強化され、心臓血管系の疾患のリスクが下がる可能性も。その一方で、昼寝の方法を誤ってしまうと、これらの効果も得られないのだとか。
昼寝のプロになるには、このアドバイスをもとに眠りに就いて。
Text: Marissa Gainsburg Translation: Miku Suzuki Photos: Getty Images
疲れ具合によって昼寝時間を調整すること
ほんのちょっとの休みをとりたい時は、15〜30分も眠れば十分。ただし眠りに就こうと、ごろごろしている時間はカウントしないで。どうしても疲れて仕事が進められないときは、気持ち長めに睡眠をとって。「90分眠れば、緊張も解けて、クリエイティビティ溢れるアイディアも浮かんでくるでしょう。ひとつの睡眠周期がおよそ90分間なので、浅い睡眠から深い睡眠までとれて、すっきりした状態で起きられるはず」とカリフォルニア大学アーバイン校の助教授であり、「Take a Nap! Change Your Life(昼寝をしよう! そして、人生を変えよう)」の著者、サラ・メドニック。ちなみに睡眠周期の途中で特に最も深い眠りについているときに目覚めてしまうと、睡眠慣性*に陥り、逆にだるさが増してしまう。これを防ぐためには、アラームをセットして、絶対にスヌーズはしないこと。
*眠りから覚醒したときにうまくシフトできない、一過性のぼんやりとした状態。
スヌーズをしないためには、アラームの20分後に少しでも頭を使うように、予定を立てておくのが効果的。例えば友達と夕飯の予定を立てておけば、起きてから着ていく服装を考えないといけないでしょ? 起きる理由を作っておくことで、脳と体を起きやすい状態へともっていって。
運動は昼寝の後に
ジムに行こうか迷っているのなら、すかさず昼寝後に予定を回して。なぜなら運動をすると脳が活性化し、体が眠りに就きにくくなってしまうから。
「運動をすることでエネルギーが湧いてくるのは確かだけれど、脳や体が回復するのに必要としている休養は与えてくれません」とゲルマン博士。さらにはフィットネスエキスパートによると、早め(最大30分まで)に昼寝を切り上げると、ワークアウトにもより力が入るのでおすすめだとか。
でも、いつでもどこでも昼寝ができない人だっているはず。それなら、せめて就寝2時間前までにワークアウトを終えておいて。2時間もあれば、心拍数も体温も平常の状態に戻り、ぐっすりと寝付けるはずだから。
質問。昼寝が好きじゃなくても、昼寝はするべき?
誰もが昼寝好きとは限らない。正直なところ、昼寝をする人のうち5割は、メドニック助教授の研究によれば注意力も生産性も上がらなかったそう。それに、ちびちびと休むのではなく、一度にまとめて眠る方法である「単相性睡眠」が体にしっくりくる人は、そもそも昼寝に不向き。その一方で昼寝をしたいと思わないのは、単純に体が休みをとれているからかも。それはいいこと。
もし昼寝を生活に取り入れたいと思うなら、まずは週3のペースで、一カ月のお試し期間を設けてみて。結果、体がもっとだるくなり、なかなかよく眠れないのなら昼寝はやめ、瞑想、もしくは「静かな所で休憩」するのがおすすめ。暗めの部屋で、新たな情報を取り入れず、ニュースを読むのもネットフリックスを観るのもなしで、時間を作って! 新たな研究によると、どうやらこの時間を確保するだけで、10分間かけて取り入れた情報がより記憶に定着しやすくなるそう。
※この記事は、US版ウィメンズヘルス2018年7月/8月号から翻訳されました。