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一気に冷え込むこの季節は、体調を崩しやすいタイミング。厄介な風邪に振り回されてしまう前に、日頃から行える予防法を押さえておいて。前編に続き、1年を通して健康体でいるためのコツをUK版ウィメンズヘルスよりご紹介!

8時間以上が鍵。十分な睡眠と風邪の関係の研究から見えてきたこと

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良質な睡眠も風邪をひかないための立派な予防。『米国医師会雑誌』に掲載された研究では、153人の健康な男女にカゼウイルスの一種、ライノウイルスを含有した点鼻薬を与えて、彼らの睡眠習慣を観察したそう。結果、平均で7時間以下しか睡眠をとっていないグループは、8時間以上寝ているグループに比べて3倍も風邪が引きやすいことが明らかになった。

ウイルスの繁殖を軽減! かきや豆腐など、亜鉛が豊富な食材を摂取する

「亜鉛がウイルスの繁殖を減少させる効果があることが、研究によって判明しています」とデボラ・S・クレメンツ医師。

アメリカ国立衛生研究所によると、風邪の症状が現れてからでも効果を発揮してくれるとか。亜鉛にはウイルスの潜伏期間を短くして、症状を和らげる作用があるそうなので、亜鉛が含まれるトローチや、スプレー式点鼻薬はおすすめだそう。

「本来摂取すべき量は明確に示されていませんが、1日当たり75ミリグラム以上を摂ることで効果が得られることが、研究より証明されています」とデボラ医師。ただしアメリカ国立衛生研究所いわく、ほとんどの成人が適当な量を摂取できているそうなので、サプリメントではなく食材から摂るといいそう。亜鉛を豊富に含む食材は、かきや肉類、豆腐やレンズ豆など。

よかれと思っていてはダメ。風邪をひいている人のコップには口を付けない

「家族が風邪をひいているときは使い捨ての紙コップを使用するか、自分のコップがどれか分かるように印を付けておいて。同じコップは共有しないように」。そう注意を促すのは、ノースウエスタン・メディシン・レイクフォレスト病院で家庭医を務めるアディバ・カーン医師。

コップに限らず、スマートフォンやタオル、キッチン用具など他の人が触れているものは要注意。

症状を軽く、潜伏期間短くする!? 腸内環境を整えるプロバイオティクスを味方につける

全ての菌が悪ものとは限らない。免疫力を高めるとされる腸内の善玉菌プロバイオティクスは、しっかり摂取しておきたい菌。なぜなら免疫システムの大部分は胃腸管にあるので、ヨーグルトやザワークラウト、コンブチャなど腸内環境に関係する食物を摂取して、いたわってあげよう。

スポーツ界の科学や医療を掘り下げた専門誌に掲載された2014年の研究結果によると、プロバイオティクスのサプリメントを摂ったラグビー選手は、プラシーボ(偽薬)を服用していた選手に比べてほとんど風邪をひかず、腸の感染症にもかかりにくかったそう。

ただ「プロバイオティクスはウイルスを寄せ付けない」と断言するにはまだ研究が必要とされる。でも、風邪やウイルスの症状を軽減する効果があるのは確かのよう。イギリスの栄養学専門誌に掲載された研究で、プロバイオティクスとプラシーボをそれぞれ服用した大学生たちを比べたところ、プロバイオティクスを摂った大学生の方が症状も軽く、潜伏期間も短かったそう。

風邪をもらわず健康体でいるためには予防が肝心! でもほとんどの成人は年に1、2回風邪をひくので、過度に心配はしないでもよいかもしれないけれど、注意を払っておきたいのは潜伏期間。「高熱が出た時や、同じ症状がしぶとく続く場合は一度ドクターに診てもらうことをおすすめします。他の病気が隠れていないか、確かめておきましょう」とデボラ医師。

※この記事は、当初にてPreventionにて掲載されました。
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Emily Shiffer Translation: Yukie Kawabata Photo: Getty Images