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もらいものや、衝動買いしてしまったもので気が付いたら部屋がぱんぱん。散らかった部屋で寝るのは気持ちよくないとわかってはいても、一体どこから片付ければいいのかがわからない。そんな悩みを抱える人に向けて、気軽に片付けができるようになる「断捨離初心者ガイド」をオーストラリア版ウィメンズヘルスからご紹介。

その心のざわつき、実は散らかった部屋のせいかも!?

『Personality and Social Psychology Bulletin』に2009年に掲載された論文によると、自分の部屋が散らかっているとき、周りに「汚い」と指摘されると気分が一段と憂鬱(ゆううつ)になることが明らかになっているそう。一方で『Journal of Neuroscience』に2011年に掲載された研究結果によると、部屋が散らかっているということは、周りからの刺激が多すぎて、集中力が低下しているサインである、とも。

そこで『Mind Over Mood』の著者であり不安症やうつ病センターの院長を務める臨床心理士デニス・グリーンバーガー医学博士は、「部屋が散らかっている」という事実よりも、部屋の汚さに対する心持ちが気分を左右させる、と指摘している。

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「例えば汚いオフィスに足を踏み込んだときに『どこに何があるかも大体わかるし、やりがいのある仕事に取り組めてラッキーだな』と思える人はさほど影響を受けません」とグリーンバーガー医学博士。ところが「探し物が見つからない」とパニックに陥る人や、周りの目が気になる人にとって、散らかった部屋は問題になる。

ただし、ボストン大学社会事業部で教授を務めるゲイル・ステケティーいわく、大半の人は散らかっている部屋を見ると「どうしよう」と軽いパニックに陥るそう。そうすることで不安感が増してしまう。「頭に浮かぶのは『どうやって片付ければいいの?』『どこから手をつければいいの?』『捨てるものとキープするものが決められない』『いらないものはどこに置いておけばいいの?』etc.

早速片付けをはじめ、不安な気持ちを追いやろう!

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いざ始めよう、と思ってもどこから手をつければいいかわからない……というのは多くの人の悩みどころ。日用雑貨を販売するアメリカの会社、ラバーメイドがラッセル・リサーチを経由し2011年に行った調査によると、91%の人は「部屋が散らかっているとストレスを感じ、どこから始めればいいかもわからない」と回答している。

そんなとき必要なのは片付けのコツだけと思いきや、実は片付けをする上で大きな役割を果たすのは、物に抱く感情。「何かを手放すとき、多くの人はまず不安を感じます。いつか必要な日が来るのではないかと心配したり、実は価値のあるものかも……と存在すら忘れていたものに対して急に愛着が湧いたり、単純にもったいないかもと思ったりするものです」とステケティー。

でもステケティーは、不安な点はいったん横に置き、部屋を片付けたらやりたいことに意識を向けるといいとアドバイスしている。友達を家に呼びたい? 家族が集う場所にしたい? それともゆっくり読書ができるスペースがほしい? 目標が何であろうと、それを糧にし、まずはその目標をかなえられるよう片付けに努めてみるといいそう。

片付けることを考えるだけで気が重い……そんな人は本に頼るのもあり

恥ずかしがらず一度プロにアドバイスをもらうのも一つの手。本から片付けのコツをつかむのも第1ステップとしてはおすすめ。近藤麻理恵さんの『人生がときめく片付けの魔法』やランディー・O・フロストとゲイル・ステケティーの共同著書である『Stuff』、デニス・グリーンバーガー医学博士の『Mind Over Mood』から目を通してみよう。

一気に全部終わらせる必要はない。できる箇所から少しずつ始めてみる

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一気に全部をやろうと思うと足がすくんでしまうもの。そんなときこそ大きく一呼吸して、一歩ずつでいいと自分に言い聞かせて。
まずは特定のエリアからスタートするといい。例えば冷蔵庫や靴の棚なんかは簡単。それでも片付けている途中に不安が募るようであれば、時間を短く区切って取り組むのが効果的。例えば週1回15分だけ、など。自分のスケジュールに見合う時間を割いて。
「繰り返していくうちに、片付けに当てる時間を増やしていけるはずです」とグリーンバーガー医学博士は勇気付けてくれている。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text:Maria Lewczyk Translation: Yukie Kawabata Photo: Getty Images