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運動をすること、お風呂にゆっくり浸かること、温かい紅茶を飲むこと。この3つは過去の研究結果から、気分の落ち込みやイライラを解消してくれることでも知られている行動。どうやら中でも入浴は効果が高いそう。オーストラリア版ウィメンズヘルスでは、エキスパートがその理由を解明。

心を軽くするためには、脳や内臓など体の内部の温度を指す「深部体温」の調整が大切だということが、最新の研究結果で明らかになっている。

『New Scientist』誌に掲載された研究では、うつ病を抱える被験者たちを集めて午後に入浴をしてもらったところ、若干ではあるけれど気持ちが上向きになったことが確認できたという。そして入浴が生む気分向上効果は、なんとジムでの運動やランニングよりも高かったそう。

注目したいのはうつ病を抱える45人の被験者を対象に、ドイツのフライブルク大学で行われた研究。

一つ目のグループには、40℃のお湯に30分程浸かってもらった後毛布にくるまり、湯たんぽと一緒に20分体を温めてもらったそう。二つ目のグループには週2回、40〜45分の有酸素運動をしてもらったという。この一連を8週間続けてもらった後、彼らのうつ度を「うつ症状尺度」で調べたところ、入浴をしたグループは6ポイント上がった*のに対して、運動したグループは3ポイントしか上がらなかった。

*ポイントが多いことは、うつ病が軽減されていることを指す。

根源にあるのは、体温調整機能がいかに働いているかどうか。うつ病を抱える人は往々にして体温調整機能が衰弱していて、体温の変化があまり見られないそう。ところが今回の研究では被験者の体温が上げることによって、脳を含む全ての臓器に影響を与える心臓のリズムが強化され、他の臓器ともしっかりと同期するようになったとか。この結果がうつ病のケアにつながった、と結論付けられている。

入浴で体を温めて、ブルーな気持ちを少し上向きにしてみては?

ただし、つらいうつ病に悩まされているときはドクターのアドバイスを最優先にするように。

※この記事は、当初Marie Claireに掲載されました。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Arielle Tsoukatos Translation: Yukie Kawabata Photo: Getty Images