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カフェでほっとくつろいだときにスマホから聞こえてくる音、街角の話し声、テレビから聞こえるノイズ。雑音で邪魔なのか、好んで聞いている音なのかはさておき、私たちは常に音に囲まれて生活している。耳から入る音に加え、スマホを中心とするデジタル生活だといろんな情報が積み上げられてしまい、頭の中もガヤガヤしてしまうのでは。

アメリカ版ウィメンズヘルスが着目したのは、知らず知らずに騒がしい環境に身を置いている私たちの心と耳をさまざまな「音」から守り、静かなひとときを生み出す方法。健康や睡眠、メンタルにまで影響する、知っておきたい音のトラブルとケア法をレッスン!

心がすっきり! 静かなひとときを過ごすための「5つの方法」

1. 頭をすっきりさせるために。「デジタル・デトックスデー」を設ける

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常に脳に情報を詰め込んでいると「短期記憶」がパンクし、生産性も決断力も低下してしまう。音が体と環境に与える影響について研究を重ねる、南カリフォルニア大学の教授バート・コスコ博士によると「このトラブルを避けるためには、テレビやソーシャルメディア、インターネットを一切使わない日を現実的な程度に設けるのがベスト」と言う。

例えばニューヨーク市でヨガのインストラクターを務めるニキ・ヴィレヤは、土曜日は電子機器にできるだけ触れないようにしているとか。「スマートフォンを見るのは朝と夜だけ。日中は自然と戯れたり、庭をいじったり、一人で時間を過ごすようにしている。この先の一週間のこと、今ある人間関係について思いを巡らせたりしてね。常に更新されていくニュースに追い付こうとしていたら、自分の人生を振り返る時間なんて滅多にとれないでしょ?」

2. 「覚えおける量」の低下をストップ! 「取り入れる情報を絞る」

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人は一日に平均で47回〜86 回ほどスマホを見ているそう。それは多くの場合、いくつも着信する通知のせい。でもバート博士によると、情報は多く取り入れるほど記憶に残る量が減っていくという。少しでも脳をリフレッシュできるように通知はオフし、SNS上でフォローするのはお気に入りのいくつかに絞ろう。

3. 脳を落ち着かせるためのTips。「瞑想」で雑音を追い払う

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たった数分だけでも脳を落ち着かせてストレスを減らし、集中力を上げて不安や鬱々した気持ちをかき消してくれる効果を持つ瞑想。「瞑想は、邪念や雑音を追い払うトレーニングでもあるので、雑音やストレスとうまく付き合えるようになります」とバート博士。

そのため、スマホにメールが着信しても「すぐチェックしないと!」という衝動に駆られにくくなるみたい。ケアするためにできる簡単な方法としては、例えば「ストレスを抱えている」「疲れている」など、今の気持ちと向き合ってみること。すると脳は「感じる活動」ではなく、「考える活動」にスイッチする。

4. 実は、有益だった! 「読書」で気が散るのを防止

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長編の本を読むことも、おすすめ。読書することで、スマホなどのニュース記事をチェックする頻度を減らせる。「一つのことについて奥深く考える行為は、今やまれになってきています。ですが、瞑想と同じように、読書をすると脳が一点に集中するので気が散らなくなります。こうすることで、雑音が招くストレスも緩和できます」とバート博士。体を静かな状態に持っていくのには、たった6分の読書だけでも十分だそう。

5. 水分補給をして、集中力を高める。「テアニン」入りの飲み物をチョイス!

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集中力を高めて、雑音にとらわれないためには、毎日2.6リットルの水を飲むのが理想といわれる。その際、成分にこだわって。例えば黒茶に含まれるアミノ酸のテアニンは集中力を高めて、より良いパフォーマンスを発揮させるのを手助けしてくれる。水を飲みたくない気ときは、テアニンを含んだお茶を選ぼう。

知らずに耳を痛めていない? 健康や眠りにも関わる「リスク5」

1. 意外に侮れない! 「大音量」を避ける、ブロックする

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音を計る単位のデシベルが85以上の場合は、要注意。例えば平均で115デシベルだと言われている花火大会や野球スタジアムでは、耳の中の毛がダメージを受けるため、一時的に聞こえなくなる症状に陥る。

あまりにも長時間、大音量ばかり耳にしていると、永久的に聞こえなくなることも。120デシベルだと、数分で耳が聞こえなくなると言われている。叫ばないと1メートル先の相手に声が届かないほど大音量の環境にいる場合は、耳栓を使うことも考えて。

2. キッチン家電が睡眠や健康のトラブルを招く? あの「些細な音」に注意!

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信号機やキッチン器具の雑音は、睡眠の質を乱すので気を付けたい。特に眠りが浅いと肥満や心臓病にもつながりやすくなるので要注意。その時々ではあまり気にならなくても、こうした音を聞き続けていると、最悪の事態を招いてしまう可能性も。

例えば電子レンジではなくてガスコンロを使う、布を敷いた上にコーヒーマシンやブレンダーを置いて音を最小限に抑える対策をとるなど。今は戸外の騒音をわずか7デシベルまで妨げてくれるカーテンもあるので、外の音がうるさい場合は、試してみるのも一つの手。

3. 耳を傷めるリスクもある? 音楽を聴くときの音量にもご用心!

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私たちが音楽を楽しむときの音量は、ここ50年でかなり上昇しているのだとか。12歳〜35歳の男女の約11億人が、安全ではない音量でスマホから音楽を聴いているとされ、耳が聞こえなくなる可能性もあるそう。

大音量で音楽を聞くのが好きなら、周りの音をかき消し、大音量で音楽を流さず済むノイズキャンセリングヘッドフォンがおすすめ。スマホの音は最大音量の60%までを上限とし、ヘッドフォンの使用は1日60分間までにしよう。

4. 疲労回復を邪魔する原因の一つも、実は音。「眠りを妨げる音」をケアしよう!

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あまりにもうるさい環境にいすぎると、疲れとはとれにくくなるもの。本来であれば無視できる雑音も気になってしまったりする。矛盾しているように思えるけれど、外の渋滞の騒音や近所のどんちゃん騒ぎをかき消したいときは、あらゆる周波数成分を同等に含む雑音、ホワイトノイズを流すことで中和される。

そして、いびきも問題の一つ。眠りが浅い人は、一時間で平均20回ほど眠りを邪魔されているそう。もし家族のいびきに毎回起こされてしまうようなら、耳栓をするか、別々の部屋で寝るのも検討するべき。

5. ざわめくレストランも、時には危険ゾーンに。「静かな店か個室」がおすすめ

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レストランは思っている以上に耳を傷める騒々しい場所。客の声がざわめく有名店では、平均で90デシベル以上もあるそう! これは工場内に設置された、稼働している機械の1メートル以内にいるのと同じレベル。この騒音に常に聞いていると耳にダメージを負うことも。外食が多い人は、壁際の席や個室などを積極的に選んでおく方が無難。

久しぶりに友達と会うと、普段以上に話が弾む。けれど、「サイレント・リトリート・プログラム」を実施するメディテーション・ソサエティの創立者であるシャロン・サルツベルグは、数分静かな時間を二人で過ごすことを勧めている。違和感を感じるかもしれないけれど、どうやら二人の絆が深まるのだとか。早速、試してみては?

※この記事は、US版ウィメンズヘルス2018年4月号から翻訳されました。



Text: Alyssa Giacobbe Translation: Miku Suzuki Photo: Getty Images