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男性よりも女性に多いと言われる頭痛。もちろん規則正しい生活を送ることは、頭痛を招かないためにも心得ておきたいこと。でも忙しい日が続くと、つい生活習慣が乱れて気付いたら頭痛に悩まされている……なんてことも。そしてその頭痛、実は体のあらゆる部分に支障をきたしているかも。

アメリカ版ウィメンズヘルスが今回ドクターに聞いたのは、「緊張型頭痛」の対処法と「片頭痛」が身体にもたらす影響。

散歩で和らぐことも? 「緊張型頭痛」の対処法

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まず触れておきたいのは、ストレスや過度な緊張のせいで鈍い痛みが生じる「緊張型頭痛」。この場合、医師の大半は薬で対処することを勧めないそう。いくつかの研究によると、映画を観ることや散歩に出掛けることなど、意識を別のところに向けることの方が意外にも効果的という結果も表れているそう。ただしひどい痛みに襲われる場合は、市販の鎮痛剤で対処してみて。それでも治らない場合は医者と相談した上で自分の痛みに合った治療法を見つけて。軽度な痛み、あるいは耐えられる程度の「ズキズキ」を左右に感じる場合は、往々にしてこの「緊張型頭痛」と分類され、体の他の部位まで支障をきたすことはないよう。

ところが頭の片側だけが妙に痛む「片頭痛」の場合は、脳やその他の器官にも嫌な影響が及んでしまう可能性もあるのだとか。そこで片頭痛が起きたとき、体内で起こり得る「五つの不調」をご紹介。

片頭痛が体に及ぼす影響

1. 【脳への影響】脳の保護膜が炎症を起こし、激しい痛みに襲われる。敏感肌につながることも

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頭痛が発生すると、脳の中軸部位である「脳幹(のうかん)」にある「片頭痛発生器」が活性化されるそう。すると、脳から顔面へ感覚を伝える神経も同時に働くため、肌も敏感になってしまうとか。細くとがった器具で頭を刺されているような痛みが生じる場合は、脳を覆う「髄膜(ずいまく)」が炎症を起こしている恐れも。

2. 【消化器官への影響】消化機能が低下し、薬の効果が薄れる

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片頭痛は消化機能にも支障をきたすそう。片頭痛の際に、食べたものがうまく消化されず、吐き気やむかむかした感覚に襲われるのもこのせい。さらに鎮痛剤を飲んでも「あまり効き目がない」と感じるのは、鎮痛剤が肝臓で分解されにくくなっているからだとか。一方で胃を通り抜けたものは、残念なことに下痢となって出てきてしまうことも。

3. 【感覚機能への影響】五感が異様に鋭くなる

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例えば手を握ることだったり、まぶしい日光だったり、普段であればなんてことない周囲からの「刺激」に対して、過度に敏感になってしまうのも片頭痛の一つの特徴。アラームも、いつもと同じ音量なのに「うるさい」と感じ、いつもと変わらない同僚の香水をなぜか今日ばかりは「きつい」と感じるのなら、感覚が敏感になっているサイン。

4. 【認知機能への影響】集中力が続かず、作業が進まない

前述の通り、体が周囲の刺激に過度に反応しているため、脳は少しでも体を落ち着かせるために大忙しで働いている状態。そのため、集中力が乱れて、いつも通り作業に取り組めない恐れも。ただし、後遺症などはないようなので心配する必要はなさそう。

5. 【ホルモンへの影響】汗が垂れて心拍数がアップするのは、ストレスホルモンが分泌されているせい

片頭痛が起きると、まずストレス反応の中心的な役割を果たすホルモン、「アドレナリン」が大量に分泌される。心拍数が上がったり、ひとみが大きく開いたり、汗をかいたりするのはこのせい。同時にストレスホルモンの「コルチゾール」も分泌されている。ただアドレナリンとコルチゾールは鎮痛作用を持っているから、適量分泌される分には痛みを和らげてくれる。

情報提供:
アンドリュー・チャールズ医学博士 (カリフォルニア大学ロサンゼルス校)
ロバート・コーワン医学博士 (スタンフォード大学)
ピーター・ゴーズビー医学博士 (カリフォルニア大学サンフランシスコ校)

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Jessica Girdwain Translation: Ai Igamoto Photos: Getty Images