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マフラーを巻き、使い捨てカイロを貼り、靴下もくるぶしを冷やさない長め丈をチョイス。でも、外側から体をしっかり温めていたとしても、体が冷える食材ばかり食べていると内側から冷えてしまうそう。

普段からの防寒対策を無駄にしないためにも、体を冷やす食べ物についてのうわさに、冷えとりの第一人者、川嶋 朗先生が回答。

炭水化物、特に精白された単炭水化物=白い炭水化物は体が冷えるって本当?

答え:NO

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「経験に基づいて『炭水化物は体を冷やす』と書かれているのも見かけますが、炭水化物が必ずしも悪いとは言い切れません。例えば炭水化物も、加熱したり、噛む回数を増やしたりすることで冷えにくくすることもできます。

それに炭水化物を作る糖質は、熱を作るために必要な栄養素です。さらに炭水化物に含まれる食物繊維は快便も促してくれます」と、川嶋先生。

冷えないようにと炭水化物を取り除いてしまうのは、やり過ぎかもしれない。炭水化物でも、体を温める作用が強いといわれるライ麦やそば、黒砂糖は寒い冬の間でも積極的に摂取してOK。ちなみにご飯を選ぶ際にはもち米の方が玄米や全粒粉、米などよりも体を温める作用が強いそう。

ただし、甘いものに使われる白砂糖や人工甘味料は冷えの敵。水分を抱え込んでしまう作用があり、体を冷やしてしまうという。体が冷えやすい冬こそ、つい食べてしまう甘いお菓子を遠ざけるいい機会にしよう。

「冷え」を感じているなら、冷たい飲食物は避けた方がいい?

答え:YES

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「冷えている人は、冷たい食べ物は避けた方がいいでしょう。ちなみに『冷えている人』とは、お風呂に入って不調がとれてしまうタイプの人です。ただし、健康な人は冷たいものを食べたくらいでは冷えないので、そこまで気にする必要はないでしょう」

冬場は水を飲むとしても、体温より温かいものがおすすめ。体が冷えていると感じるなら、せめて常温で飲むよう心掛けて。ちなみに体を冷やすドリンクの代表として知られるのは緑茶、コーヒー、そして牛乳。これらは紅茶やハーブティーと置き換えることで体を温めてあげて。

食べ物でいうと、ヘルシーと思って取り入れるヨーグルトや、ランチを簡単に済ませるときに手を出しがちなパン。それからサラダに使われる葉物野菜や、トマトをはじめとする水分を多く含む野菜や果物も体を冷やすため、控えた方がよさそう。一方で水分が少ないドライフルーツやチーズ、肉なら鶏肉、そして根菜は基本的に温め効果が高いとされている。

大豆はヘルシーフードを代表する食材でもあるけれど、冷えにも効くの?

答え:NO

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「白いものは体を冷やすと言われているので、豆腐は体を冷やす食材とされています。ただ冷える食材でも煮込んだりして温めると、持っている熱はもらえますので一概には言えません」

植物性タンパク質の代表ともいうべき栄養豊富な大豆。でも冷えの視点から考えると、豆腐以外の大豆製品も、そこまで体を温める効果はないよう。ただし納豆は温め効果が高いので、冬もたっぷりと摂取しよう。

体温も上げて、ダイエット効果も期待できる食事法があるって本当?

答え:YES

このとっておきの食べ方は「かむこと」と川嶋先生。

「そしゃくすると、神経ヒスタミンという物質が分泌されます。鼻から下を刺激するヒスタミンはアレルギーなども引き起こすのであまりよくありませんが、神経ヒスタミンは内臓脂肪を燃やして、体温を上げてくれます。メタボリック症候群予防もできる上、内臓脂肪が減るので痩せます」

「かめばかんだだけ、視床下部にある満腹中枢が満足しますから過食も防げます。交感神経系のホルモンが全部下がりますので、リラックスもします。一口につき30回。玄米を食べるときは、100回。そうしないと外のセルロースが壊れないので、玄米のいいところを取り込めません」

このセルロース(細胞壁)は、玄米を覆う固い殻。しっかりとかまないと壊れないため、逆に消化不良を起こしてしまう可能性があるそう。

川嶋先生いわく、「飲み込んでもあまり食害はないけれど、100回かまないと、玄米を食べている意味がなくなってしまいます」とのこと。食べただけでヘルシーと言い切らず、噛む回数の大切さも覚えておこう。

カイロを使ったり着込んだりと外側から温めることも大切だけれど、体に取り入れる飲食物も同じくらい冷えを左右する要素の一つ。食材を温かい状態でいただくのはもちろんのこと、体を温める作用が高いとされている飲食物を積極的に摂取して、今冬は食生活からぽかぽかになろう!

■今回お話を伺ったのは……
川嶋朗(かわしま・あきら)先生
東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授。東洋医学研究所付属クリニック自然医療部門の医師。北海道大学医学部卒業、東京女子医科大学大学院修了。冷え治療の第一人者としても知られ、自然治療力を重視している。近著は『たった1分! あてるだけでキレイが目覚めるドライヤーお灸』(現代書林)。



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