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安全にセックスをするために欠かせないコンドーム。膣内に入るものだから、体に危険が伴わないアイテムを自分で選択していきたい。「女性がコンドームを買って持ち運ぶなんて、恥ずかしい」という声がある一方、アメリカでは女性をターゲットに向けたマーケティングで成功したブランドもある。今回は、父娘で開発した、サステナブルなコンドームにまつわるストーリーをご紹介。

持ち運びたくなるコンドームを作ったのは?

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リップやスマホをポーチに入れて持ち歩くように、多くの女性が恥ずかしがることなくコンドームを持ち運べるようにしたい

そんな思いのもと、サステナブルなコンドームを開発したのがニューヨーク発の「Sustain Natural」。この企業、エコフレンドリーな家庭用品の開発に携わっていた父と、サステナビリティとソーシャルインパクトを専門に、MBAを取得した娘が共同経営者を務める。娘のメイカは、米雑誌『フォーブス』が選出する、起業家やスポーツ、テクノロジーなど各界における注目すべき人物「30歳未満の30人」に名を連ねた経験もある女性。彼らが作るコンドームが、ここまで注目を集めるのには理由がある。

サステナビリティをいち早く取り入れたコンドーム

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「Tailored Fit」10個パック 13.99ドル(約1,500円/2019年6月現在、日本未上陸)

ケミカルフリー、フェアトレード、FDA(アメリカ食品医薬品局)認定を取得 etc. それは、これまで存在していたどの商品よりも先進的だった。2014年にRHTP(ヘルス系プロジェクト)が、アメリカの10のコンドームブランドを対象に実施したテストでは、発ガン性が懸念されている化学物質“ニトロソアミン”を含まない、と評価されたブランドはたった2つ。その1つが「Sustain Natural」のコンドーム。他にも、南インドにある製造工場で働く人たちへの正当な賃金の支払い、子どもの強制労働は一切なし、リサイクル素材で作られたパッケージを使用するなど、サスティナブル企業として一気にその名を広めていった。

男性用コンドーム、でも買うのは女性

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「Sustain Natural」が行なった調査によると、約71%の女性が避妊具を購入することに恥ずかしさを感じるという。とはいえ、アメリカではコンドームの売上の40%は女性によるものだとか(!)。
そこで、彼らはマーケティングのターゲットを女性に設定。モダンなパッケージデザインや、一般女性を起用した広告で、女性の体にまつわるリアルな声を世間に届けることにより、親しみやすいブランドとして認知されることに成功。さらに、売り場をドラッグストアだけでなくファッション・ビューティー系のブティックまで広げたことで、女性の目に留まる機会を大幅に増やした。

彼まかせにしない、安全なコンドーム選びを。

「私たちは、温暖化や水質汚染、貧困や人口増加など、地球規模のどんな問題であっても、前向きに取り組んでいくつもりよ。より良い製品とビジネスの透明性を保って、成長していくことに励むわ」(メイカ)

女性にとって膣は大切な体の一部。愛する人とのセックスを安心して楽しむためにも、膣内に直接触れるコンドームはきちんと選びたい。どんな素材で、どのように作られているか、これからは、コンドームのバックグラウンドにも関心を持ってみては?



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Sawako Motegi
コントリビューティング・エディター

スポーツファッション・サステナブルの記事を担当。山梨県の富士河口湖町へ移住し、オンラインを駆使して取材活動を行う。フェミニズムや環境問題などの時事ネタやニュース、人を掘るのが得意。  2020年までウィメンズヘルス編集部に在籍。