自律神経とは、リラックスしているときに活発に働く副交感神経と、緊張しているときなど戦闘態勢のときに活発になる交感神経の二つに分かれている。状況に応じてどちらかが優位になるのが正常な働き方。この二つのバランスがちょうどよく取れていると、ストレスを感じにくく病気にもなりにくいとされている。
川嶋先生は「自律神経とは、メリハリを持たせるのがあるべき形です」と話す。「昼間は交感神経が活発に働き、夜は副交感神経が活発に働き、とうまく切り替わることができて初めて血流が保たれます。それができなくなってしまうのが『自律神経失調症』です」
「一方で、副交感神経と交感神経のどちらかに傾きすぎていると、体は冷えます。交感神経に偏りすぎていると、血管が収縮したままなので血流が悪くなります。実験を通しても判明していますが、交感神経が刺激されると最初のうちは体温が上がり、15〜20分たつと下がる仕組みになっています。例えば更年期はとてもいい例です。更年期を迎えるとホルモンが作れなくなるため、体は『作れ、作れ』と指令を出します。すると同時に交感神経も興奮してしまうので、常に緊張している状態になり、のぼせたり、手足が冷えたり、汗をかいたりしてしまうわけです。もちろん検査値には出ませんが、このように自律神経のバランスが乱れているといろんな不調の原因になります」
「逆に副交感神経が優位になりっ放しだと、血管が開いたままになってしまうので、血が滞り、体が冷えやすくなります。例えば更年期はとてもいい例です。更年期を迎えるとホルモンが作れなくなるため、体は『作れ、作れ』と指令を出します」
血流も悪くし、不調を招く原因となる自律神経の乱れを放っておくと、不安、不眠、イライラ、頭痛、肌荒れ、など嫌な症状に次々と悩まされることに。これがさらにストレスとなって交感神経が過緊張状態に。だからこそ呼吸法や、バスタイムなど、ストレスを感じたら積極的に和らげ、自律神経を整えていくことが大切。