米国で大注目の「CBD(カンナビジオール)オイル」。気になる効果と注意すべきポイントは?

15 March 2019

米国で大注目の「CBD(カンナビジオール)オイル」。気になる効果と注意すべきポイントは?

近年欧米で大注目されている「カンナビジオール(以下CBD)オイル」。筋肉痛を和らげてくれることでアスリートの間でも注目されているほか、不安やストレスを和らげてくれる効果も話題になっているこのオイル。バーム状であればニキビケアにも有効だといわれていたり、舌に垂らすだけでよく眠れるようになったり、中には性欲がアップしたりなどの研究結果も飛び交っている。でも実際のところの効果と信ぴょう性は?

最新の研究や調査などの結果を交えつつ、アメリカ版ウィメンズヘルスが、まだまだ謎が多いCBDオイルについてご紹介。


そもそもCBDとは?

医療用大麻の活用を推進する団体「American Cannabis Nurses Association」の秘書で、管理栄養士のサラ・コーエンによると、「CBDは、大麻草が生成する80種類以上の植物性カンナビノイド(化合物)のひとつ」

エッセンシャルオイルブランド「MINERAL Health」マーケティング部長のデヴィン・オディは、CBDオイルを「大麻草からカンナビジオールを抽出し、ココナツオイルの一種であるMCTのようなキャリアオイルと混ぜたもの」と説明する。これまでは、吸った人をハイにするTHC(テトラヒドロカンナビノール)という大麻の成分が最も有名だったけれど、今ではCBDがTHCと互角に張り合っている。


CBDオイルを使うと、ハイになるの?

CBDオイルではハイになりません」とパティア博士は断言。「ハイな精神状態をつくり出す大麻の成分は、CBDではなくTHCに含まれています」。でも、コーエンによると、CBDに精神活性作用がないわけではなく、不安やうつの症状の緩和に役立つことも考えられるそう。ちなみに、どちらの成分も同じ植物に含まれているため、CBDオイルに少量のTHCが混入する可能性もあるそう。

『Quartz』誌によると、娯楽目的や医療目的での大麻の使用が認められている、カリフォルニアやコロラドを含むアメリカの8つの州では、CBDも合法とされている。でも、それ以外の目的でCBDを使うことの合法性については若干グレーなのだとか。


どうしてみんな、CBDオイルを使っているの?

CBDは、痛みや不安、うつ症状、ストレスを軽減し、免疫システムを強化して、炎症を和らげると言われている。

調査会社の「Brightfield Group」と大麻治療のオンラインコミュニティー「HelloMD」が合同で行ったアンケートでは、CBDユーザーの42%が市販の鎮痛剤や処方薬を使わなくなったと答えている。また、回答者の80%はCBDを「非常に、または極めて効果的」と考えている。


適量のCBDオイルとは?

商品によって異なるけれど、バティア博士いわく、一般的なスポイトに入る1mlのオイルに10~15mgのCBDが含まれているケースが今のところ一般的だそう。

でも、オイルから"実際に"摂取できるCBDの量は、かなりまちまち。これは米国食品医薬品局がオイルを補助食品と見なし、監視や規制が行われていないからだとか。

「現時点では、CBDが合法の州で商品を販売するために必要となる内容物や服用量の規定はありません」と話すのは、米ドレイク大学の薬学・健康科学部で臨床科学部門長を務める薬学博士のティモシー・ウェルティ。彼の話では、複数の調査によって、ラベルに書かれた1回分のCBDが実際に含まれているケースは非常に少ないことが分かっているそう。「結局のところ、商品に入っているCBDの量を正確に知る方法は現状ありません

ウェルティ博士によると、現段階では、米国食品医学品局が承認している発作の治療に用いられる量を"効果的"な量と捉えるしかないそう。

体重1kgに対して1日25mg(最大50mg)のCBDが子供たちに投与された調査は、最も引用されている研究の一つ。「でも子供は大人よりも代謝速度が速いので、大人の場合は服用量を減らす必要があるかもしれません」とウェルティ博士は補足している。


CBDオイルは本当に痛みや不安を和らげるの?

痛みに対するCBDオイルの効果を裏付ける結果も少しずつ出てきている。バティア博士によれば、「複数の研究結果より、CBDを摂(と)ることで筋けいれん、関節炎、神経痛などの慢性的な痛みが減ることを示しています」。実験医学の専門誌『Journal of Experimental Medicine』に掲載された2012年の論文と、痛みに関する専門誌『European Journal of Pain』に掲載された2016年の論文では、CBDで慢性痛や関節炎が緩和することが判明している。

ウェルティ博士いわく、CBDオイルには鎮痛剤の効果を高める可能性があるそう。でも、「CBDオイルだけで痛みがコントロールできるわけではありません」とパティア博士。

CBDオイルの効果について確かな答えを出すには、まだまだ研究を重ねる必要がありそう。「小規模の研究はあるものの、うまく設計されていない研究が多い」とウェルティ博士は続ける。「標準化されていない商品であることも、難点の一つです。さまざまな環境で比較対照がされているのは、今のところてんかんに関する研究だけとなっています」

不安に対するCBDの効果についても同じことが言えるそう。CBDといえば鎮静作用について広く知られているけれど、それがなぜ、どのように不安を和らげるのかは今のところ不透明。CBDが「内因性カンナビノイドシステムに作用することが考えられます」とウェルティ博士。「中枢神経系に影響を与える内因性カンナビノイドシステムは、喜ぶ、記憶する、集中するといった神経系の活動に影響を及ぼすことで知られています」

でも、はっきりとした答えが出る日もそう遠くはなさそう。「現在、医薬品グレードの新しいCBD商品を使い、痛みや不安に対する効果を調べる研究が行われています。その結果で、CBDの効果がかなり明確になるはずです」とウェルティ博士も話している。


CBDオイルの他のメリットについては?

米国食品医薬品局の承認を受けているCBDオイルの用途といえば、てんかん治療。でも、この事実を発表するにあたり、米国食品医薬品局は2018年6月に、CBDオイルがてんかん患者以外にも安全かつ効果的であると考えるには、さらなる研究が必要であると警告。

ウェルティ博士のように、医療専門家が満足するレベルには達していないとはいえ、CBDオイルに関してかなりの量のリサーチが行われている。

バティア博士によれば、身体的および心的なトラウマ(心的外傷)、食生活、食物不耐、病気、ウイルス感染、細菌感染によって引き起こされる炎症をCBDが緩和することを示す文献もあるとか。免疫系が正常な細胞にまで過剰反応をし、逆に体を攻撃してしまう「自己免疫疾患」のほとんどは炎症が起きることで発展するものなので、多発性硬化症や橋本病、ぜんそく、ループス、セリアック病などの炎症性疾患の治療にCBDが役立つ可能性を指摘する研結果があるのもうなずける。

別の研究では、統合失調症患者にCBDを与えたところ、幻覚や支離滅裂な思考といった精神障害の症状が軽減する様子も見受けられている。

でも、ウェルティ博士によると、「主に研究されているのは、痛みと不安に対する効果でしょう。多発性硬化症に関する研究も非常に多いです」


CBDに副作用はあるの?

CBDオイルの欠点を知るためには、まだまだ研究を重ねる必要がある。「CBDオイルの欠点は、現状まだあまり見つかっていません。CBDを長期的に使うことによる影響も現段階では定かではありません」とバティア博士。

ウェルティ博士いわく、CBDオイルに最もよくある副作用は、眠気および下痢をはじめとする胃腸の痛み。CBD服用者の約10人に一人は、肝臓障害の可能性を示す肝酵素の数値が高いことも分かっている。「てんかん患者の約1%は、研究期間中に肝酵素の数値が危険なほど高くなり、CBDの服用をやめなければいけなかった例もあります」

でも、ウェルティ博士が言うように、それ以外の慢性的な問題はまだ出てきていない。世界保健機関(WHO)も、「CBDには、乱用や中毒につながるような作用は見られません。CBDは概して安全性が高く、患者への負担も少ないです」とコメントしている。

それでも商品それぞれの純度は懸念事項。米国医師会の専門誌『Journal of the American Medical Association』に掲載された2017年の論文によると、31店のネットショップが販売する84種類のCBD商品を分析した結果、5分の1の確率で、商品にTHCのような大麻成分が含まれていることが明らかになっている

ウェルティ博士によると、CBDオイルの約半数には、除草剤や殺菌剤、真菌などの汚染物質も含まれているそう。でも、アイオワ州など一部の州では、製造メーカーの協力のもと、政府規制当局がCBDオイルの純度を監視および検査する仕組みが作られているそう。

CBDオイルが他の薬と相互作用することも注意しなければいけない点。うつ病や双極性障害の治療に用いられる発作抑制剤の「バルプロ酸」や、抗凝血剤と組み合わせるのは危険。「他の新薬と同じように、CBDにもまだまだ謎が多いです」とウェルティ博士。バティア博士も「CBDオイルを試してみようと思うなら、自分なりに調査して、医師に相談してから決めましょう」とコメントしている。

トレンドのアイテムだからと飛びつく前に、このバティア博士の言葉をしっかり頭に入れておこう。

 

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Ashley Mateo and Colleen de Bellefonds Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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