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どうしても煮詰まったときは、洗濯物をたたんだり、掃除機をかけてみたりすると、すてきなアイデアに恵まれるかも?
どうやらそこまで頭を使わない簡単なタスクに取り組むと、ひらめきやすくなり、問題解決能力が高まることが『Psychological Science』誌掲載の研究から明らかになっているよう。その研究内容をアメリカ版ウィメンズヘルスからご紹介。

実験に参加した被験者たちが与えられた課題は、ある一つのアイテムの"クリエイティブな使い道"を、思いつく限り提案してもらうこと。その後、被験者たちは4つのグループに分けられ、1つ目のグループには頭を使う困難なタスク、2つ目のグループには頭を使わない簡単なタスクが与えられた。3つ目のグループは12分休憩するよう指示され、4つ目のグループは休憩を挟むことなく、クリエイティブな使い道についてアイデアを出し続けるよう指示されたそう。全てのグループがそれぞれ与えられた課題を終えると、グループに分かれたまま、再びアイテムの使い道について、アイデアを出し合ってもらったという。

その結果、最も多くアイデアを出すことができたのは、頭を使わない単調なタスクに取り組んだ2つ目のグループだったそう。

この研究著者であり、カリフォルニア大学のサンタバーバラ校で心理学の教授を務めるジョナサン・スクーラー博士は、集中力を散漫させたことによる効果だと解釈している。「頭を使わない単調な作業をすると意識が散漫するため、一種の思考パターンにとらわれにくくなります」と、スクーラー博士。その点では、12分の休憩が与えられたグループは、脳を休ませることなく、ひたすらアイデアをひねり出そうと必死に考えを巡らせていたせいか、提案してきたアイデアの数も少なかったとか。

「シャワーを浴びることやガーデニングなど、日々の生活の中で、時間の無駄だと感じてしまうような平凡な作業が、創造性を膨らます鍵となります」と、スクーラー博士。

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一時的に簡単な作業に切り替えることは、頭のなかをクリアにしたいときにも効果的。考えが何一つ思い浮かばなくなってしまったときは、走ったり、音楽を聴いたり、インスピレーションを与えてくれるポッドキャストを聞いたりすることが最善の策だと、コンサルティング会社「Handel Group Life Coaching」の社長兼ライフコーチであるローリー・ガーバーも解説。スクーラー博士によると、自制心が強ければ、呼吸に意識を向ける「瞑想(めいそう)」も非常に有効だそう。

仕事で煮詰まったときは、あえて頭を使わないタスクに取り組んでみることで脳をリフレッシュさせてみては?

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Naomi Piercey Translation: Yukie Kawabata Photo: Getty Images