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古来インドを発祥とし、3000年ほどの歴史を持つアーユルヴェーダ。ヨガと結びつける人も多いかもしれないけれど、今回はアーユルヴェーダの食事法をもとに取り組む「アーユルヴェーダ式ダイエット」をオーストラリア版ウィメンズヘルスよりお届け。アーユルヴェーダ式ダイエットを一週間試した一人の男性の経験談もあわせてご紹介。

アーユルヴェーダ式ダイエットとは?

人はそれぞれ生まれ持った体質、それからそこに付随するエネルギーを持っている、というのがアーユルヴェーダの基本。

今回一週間アーユルヴェーダ式ダイエットを試みたフリーライターのマーク・レリンワラが参考にした、ケイト・オドンネル著のレシピ本『Everyday Ayurveda Cooking for a Calm, Clear Mind』によると、アーユルヴェーダにはドーシャというものがあり、このドーシャは、「ヴァータ(VATA)」 「ピッタ(PITTA)」 「カパ(KAPHA)」 の3種類に分かれるそう。「ヴァータ」は、痩せ型なクリエーティブタイプ (不思議なことに、手足が冷えやすいのもこのタイプ)。「カパ」はがたいがよく、とても誠実。ただし時々ぼーっとしてしまう傾向にあるそう。その中間とも言える「ピッタ」は中肉中背で、とても意欲的。このドーシャは他にもいろいろと体質的な特徴があり、その全てが「地」 「水」 「火」 「空」 「風」 という自然界の5つの要素と共鳴しているそう。

アーユルヴェーダ式ダイエットには減量につながるいい習慣がたくさん。例えば加工食品を避けるようになったり、心を健康に保つようになるのもアーユルヴェーダがもたらす健康習慣。ただし、アーユルヴェーダには医学的根拠がない。これを念頭に置いておいた上で読み進めよう。

アーユルヴェーダ式ダイエットでは何が食べられるの?

それはあなたのドーシャ次第。

アーユルヴェーダ式ダイエットには、そこまで厳しい食事制限がない。大切なのは、食事と食べ方が自分のドーシャに合っているかどうか。全てのドーシャに向いているのは、消化しやすい新鮮な食材にスパイスをふんだんに加えて、火を通した一品。ヴァータは冷え性で乾燥しやすいので温かいものや油を多めに使ったものがおすすめ。一方でピッタは干物や炭水化物を多く摂(と)るといいそう。カパは少なめの量を食べる傾向にあるみたい。

神経科学医であり、減量マニュアル『The Prime』の著者であるカルリート・チャードリー医学博士は『メンズヘルス』誌にこう語っている。「ダイエットといっても、『ローフードはちょっと……』という人もいれば、『ヴィーガンは無理』、『ジュースだけなんて考えられない』という人もいるはずです。ですが、アーユルヴェーダダイエットはまずその人の体質を診断した上で、食事を提案します。そういう意味では『より自分に合った食生活』と、とらえることができるかもしれません」

アーユルヴェーダ医学の専門サイト 「vpk by Maharishi Ayurveda Products International」 の最高経営責任者(CEO)、アラン・マークスによると、アーユルヴェーダ式ダイエットでは朝食を軽めにする、あるいは完全に抜く、昼食はしっかり食べる、そして夕食は軽めに済ませることが推奨されているそう。つまり午前中にカロリーを多く摂(と)ることを勧める従来のダイエットとは真逆。夕飯を少なくする理由としてマークスは、「あまり深い眠りがとれなくなるから」と語る。夕飯にたくさん食べてしまうと、人は「ベッドに入る頃にはできるだけ深く眠りたいけれど、おなかにあるものもしっかり消化したい」という指令を脳に送り、結果として眠りの質が下がってしまうそう。

アーユルヴェーダ自体は確かに科学的に実証されていないけれど、夜遅くに多く食べることが睡眠の質を下げてしまうことは数々の研究結果より明らかになっている。さらに夜遅くに食べる人の方が、肥満にまつわる健康問題に結び付けられる可能性が高いので、体重も増えやすい。

フリーライターのマーク・レリンワラが、1週間アーユルヴェーダ式ダイエットを試みた結果とは?

アーユルヴェーダ医学の専門サイトのCEO、アラン・マークスからアドバイスを受け、アーユルヴェーダ式ダイエットを始めたマークは、アランにこう言われたという。 「1週間後には活力に溢(あふ)れて、きっと集中力も高まるよ」 。プラセボ効果を疑いつつも、新たな食生活に苦戦しながら挑戦したという彼。でも、確かに1週間後にはエネルギーがわいてきたように感じたという。特にランチをたっぷり食べてディナーを軽めにし始めた水曜日から日曜日にかけては、より体力がついたような気がしたそう。

アラン・マークスいわく、アーユルヴェーダは「自分に合った食材を取り入れることを推奨するダイエット」。食生活によりマインドフルになりたい人には、まず1週間取り入れてみることをおすすめする、とマークは絶賛。彼は痩せ型のタイプだったため、一週間で体重を落とすことはできなかったそうだけれど、全体を通してよりヘルシーな食生活を送れるよう意識し始めたのは間違いないみたい。

この記事は当初、アメリカ版メンズヘルスに掲載されました。



Text: Mark Lelinwalla Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images