夜に飲んだコーヒーのせいなのか、ストレスを抱えているせいなのか、眠れないと翌朝にも響くからどうにかしたいところ。そこで快眠を導く方法をまとめた著書、『The Sleep Solution: Why Your Sleep is Broken and How to Fix it』も執筆するクリス・ウィンター医学博士が、睡眠薬に頼らなくてもすぐに眠りにつける6つの方法をご紹介。
1.「寝たい」と願うのは逆効果。生活リズムを整えるのが鍵
何かを欲しているときほど、手に入らないもの。クリス博士によると、睡眠も同じで「寝たい」と願えば願うほど逆に眠れなくなってしまうのだとか。おなかが空くのと同じで、眠気とは自然にやってくるもの。だから生活が不規則な場合は、まずそこから直してみて。あとは体をたくさん動かして、快眠の妨げとなるものは避けて。眠る準備さえ整っていれば、体は自然と眠りについてくれるから。
2.スマホは寝る一時間前に切り上げ! 体内時計を調節する
人は本来外が暗くなると「寝る時間」と思い込み、朝日が差し込むと「起きる時間」と察する生き物。そのため日の出とともに目を覚ます習慣をつけると、目覚まし時計も要らなくなる、とクリス博士。これは体が太陽のリズムに合わせて機能するからだそう。「日が暮れると睡眠を促す『メラトニン』と言うホルモンが自然と分泌されます。メラトニンは眠りをそそるのにとても重要な役割を果たしてくれるホルモンなのです」
通常メラトニンは夜に多く分泌され、朝になるにつれて分泌量が減っていくもの。ところがコロラド大学の新たな研究によると、最近では電子機器が放つ光を多く浴びているせいか、メラトニンの分泌量が朝になっても下がらず、起きてしばらく経ってからようやく下がる傾向にあるそう。だからこそベッドに入る1時間前には部屋の明かりを暗くして、ブルーライトを放つ電気機器は極力使わないようにして。カーテンもしっかりと閉めて、まぶしい光を放つアイテムがあればなるべく消すこと。
3.ストレスホルモンを減らす。お風呂で温めた体が冷えてきたころが狙い目
眠りにつくと、ストレスホルモンのコルチゾールと体温が下がるって知っていた? クリス博士によると、お風呂やシャワーで温めた体が冷えてくると、コルチゾールの分泌量が減るため、体は眠りに入る準備ができていると思い込み、眠気に誘われるのだとか。それにお風呂に浸かることで得られるリラックス効果も、眠りを誘ってくれるはず。お湯は適度に温かくして、ベッドに潜り込む30分~1時間前に入るのがベスト。
4.靴下を履くだけで体全体が温まる! 体がぽかぽか=「寝る時間」
もこもこの温かい靴下を履いて寝ると、足の皮膚の血管が広がり血行の循環が良くなるため、体全体がぽかぽかしてくるそう。すると、脳は「眠る時間」と認識し、自然とウトウトしてくるのだとか。
5.眠れないことにはフォーカスしない。効果的なのは妄想
リサ博士によると、「寝ないと」と考えるのをやめると、途端に眠れるようになるそう。だから眠れないときはあえて別の考え事をしてみて。ストレスを感じさせない内容の方が吉。大好きなセレブと旅行に出掛ける、なんて妄想をしているだけでも効果的のようなので、ぜひ試してみて。
6.休みを欲する体作りに。マインドフルネスを習慣付ける
ある研究によると、自分の呼吸に意識を向けて、今この瞬間を大切にする「マインドフル瞑想」はストレス過多の心を穏やかにしてくれるため、不眠改善の効果も期待できるそう。でもベッドで一回瞑想したからって、すぐに眠りにつけるわけではないよう。楽器も練習しなければうまくならないように、マインドフルネスも繰り返し行うことでコツがつかめてくるもの。すると夜が深まるにつれて、体も自然と眠りに誘われるはず。「遺伝子的にマインドを落ち着かせるのが得意、不得意などはありません。コツをつかむためには練習するのみです」
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Kristen DomonellTranslation: Ai Igamoto Photo: Getty Images