体重を減らすのは大変。同じ目的を持つ他の人には何が効果的だったのか。その答えを聞くことが一番のインスピレーションになることも。

まさにその情報を調べるべく、ひとりのレディット(世界規模の掲示板)ユーザーがインターネットに救いを求めた。「ダイエットとワークアウト、実際に効果のあるコツやトリックは?」

回答が殺到したわけではないものの、自分のアドバイスを共有しようという人から寄せられたコメントでスレッドは溢れかえった。その何が驚きかって、かなり強力な科学的裏付けのあるアドバイスが多かったこと。果たして、一般人に効果のあった7つのダイエット戦略とは? あなたにも役立つものが見つかるかも。


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「炭酸飲料の代わりに水を飲む」

シンプルだけど効果的なスワップ。カロリーをカットしたいなら、炭酸飲料、お酒、甘いコーヒーといった飲み物をカロリーのない液体と取り替えればインパクトは絶大。

炭酸飲料には砂糖と怪しげな原材料がいっぱい。例えば、コーラの缶1本には39gの添加砂糖 (1日の最大摂取量36gを超えている) と140kcalのカロリーが含まれている。1日1本のコーラをやめるだけで、1週間で1,000kcalものカロリーが削減できる。

しかも、甘い飲み物は深刻な病気のリスクを高める可能性がある。栄養学誌に掲載された研究結果では、炭酸飲料のような甘い物を飲む人には、飲まない人に比べて内臓脂肪量が10%多いことを示しているそう。このタイプの脂肪は、心臓疾患や肥満に紐づけられている。

「作り置きで人生が変わる」

これも同じユーザーからのアドバイス。ヘルシーな物を選んで食べるのに苦労しているなら、作り置きをすれば衝動的に好ましくない決断をすることがなくなる。

仕事や子育てで忙しいと、ファストフードや5分で温められる冷凍食品に手を出しがち。1週間のうち1~2日を下ごしらえに充てれば、筋肉を作るタンパク質、満腹感をくれる食物繊維、そしてヘルシーな炭水化物と脂肪を中心とした食事を確実に取ることができる。どれもダイエットには欠かせない栄養素ばかり。

「インターミッテント・ファスティングを始めたら8週間で8kg痩せた」

人気上昇中のダイエット戦略であるインターミッテント・ファスティングを押す声は複数上がった。基本的にこれは、特定のタイミングで食事制限を設け、それ以外は普通に食べたり、普通以上に食べたりするもの。

実際に、米イリノイ大学シカゴ校が行った実験結果によると、インターミッテント・ファスティングは、毎日カロリーを制限するのと同じくらい効果的。この実験では、参加者が1日置きに1日に必要なカロリー量の25%分だけ食べるという “断食日” と、1日に必要なカロリー量の125%分を食べる “祝宴日” を取り入れた。つまり、通常1日に2,000kcalのカロリーを摂取する人は、500kcal分だけ食べた翌日に2,500kcal分を食べることになる。

一貫性を持ち、プランに忠実であれば、どんなダイエットも上手くいく。メンズヘルス誌の栄養アドバイザーであるアラン・アラゴンによると、「1日置きの断食から効果が得られるのは、週3.5日は食べる量に制限がないと感じたい人」。常に特定の食事プランに従うのは難しいけど、祝宴日が持つ柔軟性は好きだという人には向いているということ。

「毎日それなりに動くだけ」

“数年前に40kg減らした” というこのユーザーにとって 「唯一上手くいったのは、毎日欠かさず行った有酸素運動。1日30分、しっかり有酸素運動をしただけ。毎日それなりに動くだけでいい。ジャンピングジャックはダイエットにとても効果的で、実際に一番役立った」 と付け加えている。

ちょっと面倒に思える有酸素運動だけれど、BMC公衆衛生学誌は、太りすぎの人が12週間のトレーニングプログラムに有酸素運動とウエイトトレーニングの両方を盛り込んだ結果、どちらか片方しかやらなかった人よりも多くの体脂肪を減らしたという研究結果を発表している。

「毎食自炊」

「袋や箱に入った物、レストランで出される物は一切食べない」 ことを勧めるユーザーもいる。

確かに、これには一理ある。イギリスで行われた研究の結果、一週間に5回以上自炊する人には肥満度指数が太りすぎ (25以上) を指す確率が28%低く、自炊が週3回以下の人に比べて余分な体脂肪がつく可能性が24%低いことが分かった。

研究チームによれば、自炊する人は、よりヘルシーな方法で調理し、より幅広い種類の食材 (フルーツや野菜など) を使い、添加砂糖とカロリーを多く含む加工食品に頼ることが少ない。さらに、自宅での料理は、定期的に運動をするといった健康的な習慣を日常生活に加えるモチベーションになるそう。

「フルーツと野菜を必ず加える」

米国疾病対策センター (CDC) のデータによると、フルーツと野菜の量が足りている人は少ない。アメリカ人を対象とした調査では、1日1.5~2カップのフルーツを食べる人の割合はたった12%、最低でも2~3カップの野菜を食べる人の割合に至っては僅か9%という結果が出ている。

でも、カロリーを減らしながらもっと食べたい人にとっては、お皿をフルーツと野菜でいっぱいにすることが極めて重要 (精白パスタはカップ1杯で200kcal以上なのに、ブロッコリーは2カップでたったの109kcal)。フルーツと野菜には満腹感をくれる食物繊維が豊富に含まれているので、食間にお腹が空くこともない。

しかも、カラフルな農産物をたっぷり摂れば、心臓疾患、2型糖尿病、肥満、種類によってはがんのリスクさえ下がることをCDCのレポートが報じている。

米国栄養学会の広報で栄養士のウェスリー・デルブリッジがメンズヘルスに語ったところによると、お皿の半分をフルーツと野菜で埋め、残りの半分を高品質の炭水化物 (全粒粉など) と脂肪分の少ないタンパク質で分け合えば、満足感のある食事になるそう。

「Noom」などのダイエットアプリで食事のログをつけると、食事のバランスもチェックができておすすめ。

「ケトン体ダイエットが成功したのは、たぶんカロリー摂取量が減ったから」

最近では、どこへ行っても話題に上るケトン式ダイエットだけど、実はそれほど新しいわけではない。21世紀前半のアトキンスダイエットに似ているものの、炭水化物制限により重点を置いているのがケトン体ダイエット。この方法でダイエットを始めたら、脂肪60~80%、タンパク質10~15%、そして炭水化物10%以下の食事構成となる。

ただし、ケトン体ダイエットは極端に制限が厳しいので、誰にでも上手くいくとは限らない。続けられるなら、理論上、体がグルコース (炭水化物に含まれる糖質) ではなく脂肪を燃料に機能するよう仕向けることで、必然的に脂肪を燃やすことができるケトジェニック状態に入ることを目指すべき。

このユーザーの言う通り、この方法では食べられる物に限りがあるので、不健康な食べ物を選ぶ機会が少なくなる。さらに、炭水化物がほとんど食べられないことを考えれば、甘いシリアルや袋詰めのお菓子といった精製炭水化物がすぐに除外できる。この仕組みがカロリーカットに役立つというわけだ。

※この記事は当初、メンズヘルスに掲載されました。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Alisa Hrustic Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images