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サプリメントの成分表示にはもっと注意を払うべきかも。米国臨床栄養学誌に掲載された新たな研究によると、ビタミンD はどれも一緒ではないらしい。その内容をアメリカ版「ウィメンズヘルス」よりご紹介。

冬季に行われたこの研究では、335名の被験者が5つのグループに分けられた。ビタミンDで強化されていないジュースとビスケットを与えられたコントロールグループ (対照群)、ビタミンD2 (エルゴカルシフェロール) ジュースを与えられたグループ、ビタミンD2ビスケットを与えられたグループ、ビタミンD3 (コレカルシフェロール) ジュースを与えられたグループ、そしてビタミンD3ビスケットを与えられたグループの5つ。1日あたりのビタミンD投与量は600IU (国際単位で、600IUは0.015mg) だった。

12週間にわたる実験の結果、コントロールグループの人々の総ビタミンD値が25%低下。しかし、ビタミンD値は冬に低下するものなのでこの変化は想定内。一方、1日あたり600IUのビタミンDを摂取していたそれぞれのグループでは、総ビタミンD値が低下を示さないどころか上昇を見せたそう。

でも、その程度が異なったのだ。ビタミンD3を飲んでいた人のビタミンD値が約75%も上昇したのに対し、ビタミンD2を摂取した人のビタミンD値の上昇は34%程度に留まった。つまり、ビタミンD3に2倍以上の効果があるということになる。

米国国立衛生研究所の現在のガイドラインは、この2つのビタミンは同等のもので、サプリの飲用で同等の効果が得られるとしている。

でも、この実験からも明らかなように、このガイドラインが正しくない可能性も出てきている。この研究文献を執筆したローラ・トリプコヴィック博士は、サプリや魚、卵といった食品からビタミンD3を摂取している人は、同様にサプリ、そしてマッシュルームや栄養分強化パンといったビタミンD2を多く含む食品を選んでいる人よりも効果的にビタミンD値を上げられる可能性を指摘している。

トリプコヴィック博士が信じるところによれば、ビタミンD2とD3の違いは体内での分子結合の仕方にある。また、ビタミンD3に比べてD2の半減期 (体内に取り込まれた薬物などの半分がその効力を失うまでの期間) が短く、それほど効果が持続しないからかもしれない。

ただし、この研究は女性を対象に行われたものであるため、男性でも同様の結果が出るかは定かではない。

それでも、ビタミン摂取量を増やすためにビタミンD2を含むサプリや食品に頼っているとしたらもったいない。しかも、ビタミンD不足はうつ病、認知症、そして深刻な心臓疾患を引き起こす可能性があると言われているから問題。

さらなる研究が必要なのは確かだけれど、ビタミンD3を含むサプリを飲み始めることで対策はできる。また、魚や卵といったD3を豊富に含む食材を選んでみよう。

※この記事は当初「メンズヘルス」に掲載されました。

http://www.womenshealthmag.com/health/vitamin-d3-is-more-effective

Text: Christa Sgobba For Men's HealthTranslation: Ai Igamoto Photo:Getty Images