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体を鍛えたければ、朝食メニューにまず浮かぶのはスクランブル豆腐かもしれない。

でも、今一度、植物の力に目を向けてみよう。空腹感を抑えるタンパク質の優秀な供給源である植物は、大腿四頭筋や二頭筋の強化に最適な燃料。

「ヴィーガンのアスリートと肉食のアスリートのタンパク質のニーズに大きな違いはない」 と語るのは、シアトルの認定管理栄養士ジンジャー・ハルティン。「様々なビタミン、ミネラル、そして抗酸化物質を供給してくれる上に、タンパク質量は肉に劣らない食材はたくさんある」。この栄養付加価値こそ、ヴィーガンは寿命が長く、慢性疾患のリスクが低いと言われる理由の一つ。

イギリスでは、食餌摂取基準 (RNI) に基づいて、成人は体重1kgにつき0.75gのタンパク質を摂取するよう勧められている。体重が60kgの成人なら、1日45gのタンパク質を摂ることになる。

でも、ヴィーガンの食生活なら必要以上の栄養が摂取できるのに、人々の頭はタンパク質でいっぱいだと指摘する専門家もいる。栄養食品学会も同様の見解だ。

ロサンジェルスのヴィーガン栄養士で『The Complete Idiot's Guide to Plant-Based Nutrition』の著者ジュリアナ・ヒーヴァーは「植物ベースの食習慣の中でヘルシーな自然食品を食べていれば、タンパク質が不足するなんてありえない」 と主張する。象、ゴリラ、カバといった地球上で最もたくましい動物は、ほぼ草食。また、ワークアウトに励めばカロリー摂取量が増える可能性が高いので、タンパク質摂取量も自然と増えるはずだというのが彼女の見解。

肉食アスリートと同様、最大限のパフォーマンスを引き出すには、いつ、どんなヴィーガンタンパク質を摂るかが大事。

ベジタリアン向け栄養管理を専門とするロサンジェルスのヴァンダラ・シェス認定管理栄養士は、血糖値を安定させ、多様なタンパク質源を取り込むために、一日を通して小さな食事を頻繁に取ることを勧めている。栄養食品学会の広報も務める彼女は 「ワークアウトを乗り切るために必要なエネルギーを体に供給するには、タンパク質、ヘルシーな脂質、炭水化物を組み合わせることが不可欠」 だという。

ジムの前にはピーナッツバターとバナナのサンドイッチか、豆乳とフルーツのおかゆを食べるのがシェスのお気に入り。ワークアウト後1時間以内に15~20gのタンパク質を摂取して、筋肉の回復を助けよう。豆入りのブリトーやレンズ豆のスープがおすすめ。バッグには、ヴィーガンプロテインバーを何本か忍ばせておこう。

専門家が選ぶ、体の強化に役立つヴィーガンフードベスト4がこちら。

1.プロテインパウダー

プロテインパウダーで作ったスムージーは、飲みやすくて持ち運びに便利。ナッツバターから豆乳ヨーグルト、そして冷凍庫の奥に少し残ったイチゴまで、何にでもミックスできるプロテインパウダーは使い勝手も非常にいい。ハルティンによると 「ヴィーガンのプロテインパウダーには、ヘンプ (麻)、ピー (エンドウ豆)、ライス (米)、ソイ (豆乳) といった種類がある。凝縮されたタンパク質を確保するには便利な方法。1食で20g以上のタンパク質が摂れるパウダーもある」。ホエイやカゼインで作られたパウダーは牛乳由来なので、ヴィーガンなら避けること。

2.豆腐

ハルティンは、他の豆類に比べ、タンパク質と脂質が多く炭水化物が少ない豆腐は、ヴィーガン栄養素の優秀な供給源だという。豆腐の原料である大豆には、イソフラボンという抗酸化物質がたっぷり。科学的な研究によって、イソフラボンは心臓疾患、骨粗しょう症、そして特定の種類の癌のリスクを減らすことが分かっている。「タンパク質、脂質、炭水化物の組み合わせによって、運動パフォーマンスも向上する」。野菜と一緒に豆腐を炒め、全粒粉のトルティーヤに挟むのがシェスのおすすめ。65gの豆腐で10gのタンパク質が摂取できる。

3.豆類

豆ほど完璧な食材はないかもしれない。ヒーヴァーによれば、食べ応えがあって美味しいだけでなく、豆類は病気の原因となる炎症や酸化を抑える食物繊維や大切な植物性栄養素をふんだんに含んでいるそう。悪玉コレステロール値と心臓疾患および糖尿病のリスクを下げることを示す研究もある。しかも、1カップに15gのタンパク質を含む豆類は、ワークアウトの燃料にも最適。ハルティンいわく 「レンズ豆などの豆を食べれば、タンパク質に加えて複合糖質が摂れるので、燃料がゆっくりと燃えて長持ちする」。休日には黒豆のスープを作ったり、サラダにひよこ豆を加えてみては?

4.ナッツとシード

持ち運びに便利でワークアウト後にもピッタリなナッツ。ヒーヴァーは、1日あたり25~55gのナッツを食べるよう勧めている。ナッツには 「炎症を和らげ、筋肉の回復を助け、体重管理にも役立つ必須脂肪酸が含まれている」

ハルティンによると、オメガ3脂肪酸もアスリートのパフォーマンスをパワーアップしてくれるそう。オメガ3脂肪酸には、クルミ、チアシード、ヘンプシード、フラックスシードが彼女のおすすめ。また、アーモンドとカシューナッツには1食あたり約6g、ピーナッツバターには8gのタンパク質が含まれている。トーストにナッツバターを塗ったり、ベリーにピーナッツパウダーを振りかけたりしてみよう。

※この記事は当初、アメリカ版ウィメンズヘルスに掲載されました。

※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Sarah Elizabeth Richards Translation:Ai Igamoto Photo:Getty Images