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2013年、タイラー・ヘイニーは『Outdoor Voices』を立ち上げた。まだ聞いたことがないあなたも、きっとすぐに着ることになるはず。

アクティブウェアのお店やオンラインショップを訪ねれば、すぐに黒いメッシュ、極端な蛍光色、強烈なデザインが目に入る。現在29歳のタイラー・ヘイニーも、そんなフィットネスウェアを着ながら陸上競技やバスケットボールをして高校時代を過ごしていた。

「“もっと大きく! もっと速く! もっとたくましく!” みたいな信条を掲げるブランドばかり着ていた。当時は “カッコいいから買おう。速くなりたいし!” という感じだった」 と振り返る。

「でも、女性らしさとスポーツマンらしさの間には、アクティブウェアのブランドが具現化していない素敵なバランスがあることに気付きはじめた。『Outdoor Voices』のアイディアもそこから浮かんだようなもの」

ヘイニーが2013年に立ち上げた『Outdoor Voices』(以下OV) は、たった1~2年のうちにフィットネスファッション業界で最も輝く新星の一つとなった。女性用も男性用も、機能的なのに控えめでクラシック。オンラインファッション誌のJ.CrewやMan Repellerで目にしたことがある人もいるかもしれない。現在OVの商品は、ホームページと選ばれた小売店、そして米国内の実店舗で販売されている。

美的感覚を越えて、OVの基本方針となっているのが物の見方。CEOであるヘイニーは 「ジムの中と外の暮らしにあまり違いがない」 コロラド州ボールダーで生まれ育った。「どこへ行くにも自転車に乗り、いつもハイキングをしている、そんな生活に繋がりを感じていた」

継続して身体的な活動を行い、何でもいいから何かするというこの考えこそが、現在のOV哲学の支柱。OVでは “色々やってみる” ことがキャッチフレーズになっている。

「特に趣味の世界では、動くことに始まりも終わりもない。私たちが服を作るのもそのため。私たちが言う “色々やってみる” には、これといった決まりがない。私たちが作るのは、様々な運動において機能的で、サッカーをするのにもヨガやピラティスをするのにも便利な服。スピンクラスに行ったり、週末はハイキングをしたり、友達とジョギングをしたりという私たちの世代のワークアウトスタイルにうまくフィットすると思う」

OVのファンの数を見れば、彼女に共感する人が多いのは明らか。ヘイニーの話は、小さなアイデアと大きな努力で巨大なブランドを築くことができるという証拠なのだ。

1.自分の興味を大切にする

ニューヨークのパーソンズデザインスクールで経営を学んだヘイニーだが、当初のプランは違ったという。「ハードル競技で進学することになっていたけど、身を引いた」。パーソンズ在学中は、技術素材の虜になった。「コンプレッション素材や汗を逃がす素材、体に最適な繊維や原材料に関するすべてのことに魅了された」。後にOVのコアとなる素材の開発をはじめ、ついに新たなビジネスが立ち上がることとなる。

2.突き動かされつつも、時間をかける

粘り強さだけでなく、我慢強さを学ぶ必要もあったというヘイニー。「最初の頃は “今これをやらなきゃ。もっと早くやらなきゃ” という感じだった。でも、時間とともに、決断を振り返り、自分のビジョンを深く理解する必要性があることに気付いた。最も価値のある学びだったと思う」

3.素晴らしい人々の中に身を置く

目まぐるしく過ぎ去ったこの1~2年と、25人にまで拡大したOVのチーム (代表取締役のアンドリュー・パリエッティを含む) を振り返り、ヘイリーはこう語る。「気が狂うほど忙しいけど、素晴らしい経験になっている。チームを作り上げ、OVに魅力を感じてくれる人がいることが一番嬉しい。自分にこんな才能があったなんて思いもしなかった。素晴らしい人達と毎日一緒に働けることが、間違いなく最高の経験」

4.会社の考え方を会社のライフスタイルにする

ヘイリーによると、活動を通して人々を一つにするのがOVの狙い。だから、毎週月曜日にはチーム全員でヨガをするのも自然なこと。一緒にバスケをすることもあれば、外部の友達を連れてのジョギングやオフィス犬の散歩をすることもあるそう。

5.システムを変える

ヘイリーとOVは物事を変えるために “色々やる”。「今までは、多くの人々にとってワークアウトやフィットネスブランドは近寄りがたいものだった。それを身近なものにしているOVは、今の世代から確実に共感を受けている」

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Alison Goldman Translation: Ai Igamoto Photo:instagram of @outdoorvoices