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ターメリック(和名:ウコン)は、カレー作りに欠かせない使われるオレンジ色のスパイス。ミランダ・カーも美容と健康のためにターメリックを摂っていると明かすなど、スーパーフードの次なるトレンドとして注目度は急上昇中。ミルクにターメリックを加えたターメリックラテは、この冬日本でもブレイクの兆し。でもそもそも、ターメリックで何がいいの?

専門家の中には、ターメリック(ウコン)は肥満に対抗する主要戦力で、健康な体には欠かせないと絶賛する人もいれば、ターメリック(ウコン)から得られるプラスの結果はどれも、プラセボ効果 (体に良いと思い込んで飲んだ偽薬が実際に効く現象) によるものだろうと反論する声もある。 ターメリック(ウコン)に関する研究は多いけれど、米国が行った文献レビューでは、プラセボ効果や観察者バイアスの影響を防ぐ “プラセボ対照二重盲検試験” を行った研究は見つからなかった。

とはいえ、このスパイスを支持する声の大きさと、アーユルヴェーダ医学で非常に重宝されてきたという事実を鑑みれば、ターメリック(ウコン)が体に良いという主張が単なるでまかせとは考えにくい。

「ターメリック’(ウコン)の健康効果は、健康・食品業界で働く人には長く知られている」 と語るのは、『Mighty Spice Express』の著者でシェフのジョン・グレゴリー=スミス。彼は、ターメリックを自分の料理に10年以上使ってきた。「問題は、鮮度の高いターメリックが手に入りにくく (欧米では新鮮なものがアジアンマーケットにしか売っていない)、毎日の食事に取り入れるのが難しいということ」

しかし、それも変わりつつある。ターメリック人気の上昇に応じて供給量も増えているのだとか。「新鮮なターメリックは飲み物に使いやすい」 というグレゴリー=スミスは、お湯にレモンスライスとひとつまみのターメリックを加えたものを毎朝飲んでいるそう。「最近ではジュースバーやミルクの代替品が流行っているので、ターメリックがカレー以外に使われるケースが増えてきた」。実際にターメリックの用途は拡大中。オンラインジュース販売店の「Raw to Door」では、ターメリックとオレンジのミックスジュースがベストセラーの仲間入り。人気カフェのメニューにもターメリックラテがあることは言うまでもない。

「用途はジュースとミルクだけじゃない」 と話すのは、イギリスの百貨店Selfridgesのパン類・乳製品バイヤー、リア・アンダーソン・オローリン。「食料品売場でもターメリックの売上が15パーセント伸びている」 という。

ターメリック(ウコン)の健康効果

●うつ症状を緩和する

植物療法研究誌に掲載された研究によると、ターメリック(ウコン)の主要ポリフェノールであるクルクミンには、重度のうつ病を安全かつ効果的に治す力があるらしい。

●免疫システムを強化する

ターメリック(ウコン)の球根は茶色く、土の中で育つ。切ってみると中は電球のようなオレンジ色。アーユルヴェーダ医学で確固たる支持を得たターメリックは、消化不良から肌トラブルまで、あらゆる問題に効く万能薬と見なされている。ロンドンでアーユルヴェーダ医学を実践するディーパ・アプテ医師によると、「アーユルヴェーダ医学では何にでもターメリックが使われる」 そうで、「抗真菌性、抗ウイルス性、抗発がん性、免疫強化作用が科学的に証明されうる数少ないもののひとつ」 なんだとか。

●物忘れを防ぐ

米カリフォルニア大学が最近行った研究では、ターメリックに含まれるクルクミンのサプリメントを毎日飲むと、認知力が改善し、脳を最高の状態に維持できることが分かったそう。ちなみに、この研究は先に述べたアメリカの文献レビューの後に行われたプラセボ対照二重盲検試験。つまり、信頼性がかなり高いということ。この研究はまた、ターメリックには脳卒中とアルツハイマー病と戦う上で不可欠といえる “脳の自然治癒能力” を高める力があることを発見したという、ドイツ神経科学医療研究所の研究結果を裏付けている。

●体脂肪を減らす

ターメリックは、血糖値をコントロールし (つまり過度の空腹と甘い物への欲を抑え)、脂肪を燃焼させる上でも非常に有効。アメリカの研究では、ターメリックを摂取したネズミの体重と体脂肪が減少したそう。

●がんのリスクを下げる

英国がん研究所の調べによると、異なる臓器に前がん病変 (がんの前兆) がある25名の患者を対象とした臨床実験で、前がん病変ががんになるのをクルクミンが防ぐような様子が見られたそう。しかし、これが事実かどうかを確かめるにはさらなる研究が必要。

※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Alice Beverton-Palmer Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。