生殖ホルモンのエストロゲンをはじめとするホルモンの調節において、実は大切な役割を果たすのが体脂肪。ランナーの体脂肪率は低い傾向にあるので、エストロゲンが減って肌に影響が出ることも。アンソン博士いわく 「エストロゲンが減るとコラーゲンの量も減り、皮膚が薄くなってハリを失くし、より乾燥しはじめる」 そう。
サーモン、赤身肉、卵、豆など、コラーゲンの生成を促進するタンパク質が豊富な食材を摂取すること。しなやかでハリのある肌を維持するために、ヒアルロン酸のような保湿効果の高い成分とコラーゲンを活性化するペプチドをたっぷり含む保湿クリームを使うのも忘れずに (コラーゲンパウダーは任意で。肌のコラーゲン供給量は増えないけれど、潤いを保つには役立つかもしれない)。
また、ランニングで体脂肪が燃えるのは確かだけど、体が正常に機能するには少なくとも女性で10~13%、男性で2~5%の体脂肪が必要であることを覚えておこう。それ以上に体脂肪を失うのは危険で、生理が止まったり血糖値を調整する能力に支障をきたしたりする恐れがある。
3.ボトックスの寿命問題
聞いたところによると、ボトックスのメンテナンスに訪れるランナーの患者さんばかり診ている皮膚科専門医もいるという。「確かに、毎日ジムに通ったり走ったりして新陳代謝がすごくいい患者さんのボトックス効果は、少し早めに薄れてくる」 と語るのはアノリック博士。特に薄れやすいのは、目の周りや目尻の小じわに対するボトックス効果なんだとか (おそらく目を細めることによるもの)。でも、これを裏付ける研究結果やデータはなく、すべての皮膚科専門医がこれに気付くわけでもない (実際にはかなり大きな議論のテーマ)。とはいえ、心配ならサングラスをかけること。目を細めることによる影響が目立ちにくくなり、紫外線から目を守ることもできるので一石二鳥。
でも、このようなリスクを理由にランニングを諦めないで。「簡単にはコントロールが利かない肌の老化要因を心配するより、体の健康を維持することの方がよっぽど大切であることを覚えておくように」 とアンソン博士。「むしろ、肌の局所治療を受ける、バランスの取れた食事をする、日光を避ける、といった簡単にコントロールできる要因に集中しよう」
※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。