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フィクションから真実を切り離してみると、顔が凍ったり脇の下に注射したりするだけがボトックスじゃないみたい。

昨年、クロエ・カーダシアンは一枚の写真でフォロワーを混乱させた。

鼻を整形したのでは? ボトックスが多すぎたのでは?

こんな疑惑を避けるために、注射を打ってもらう前には何がフィクションか知っておこう。

ボトックスの話題は、どちらかといえばまだタブー。しかも、非常に好かれるか嫌われるかのどちらかであるボトックスは、美容治療におけるマーマイト(ビールの酒粕を原料とした食品)のようなもの。

試すべきか、そうでないかを説いているわけではない。

でも、シワを凍結する気になっているなら、飛び込む前に知っておくべきことがある。そこで、ロンドンのハーレー通りで働くデイヴィット・ジャック医師にボトックスのすべてを聞いてみた。

真実#1

ボトックスとはブランド名で、実際には神経毒のこと

神経毒の分子は筋肉の神経末端にくっ付き、筋肉の収縮をもたらす神経からの衝撃を阻害する。筋肉が動くと肌が引っ張られ、結果としてシワが現れる。ボトックスは、眉間のシワ、額、目の周りに対して注射されるのが最も一般的。シワを目立たなくするために、顔の下部に使われるケースもある。

真実#2

フィラー (皮膚充填剤) とは異なる

ボトックスと違い、フィラーは毒ではない。フィラーは筋肉ではなく皮下に注射されるもの。最も一般的なフィラーはヒアルロン酸 (体内で自然に発生するもの) で、失われた量を一時的に補填する。フィラーを使えば、唇や頬といった歳を重ねるに連れてボリュームを失う場所を埋めることができる。シワを伸ばすこともできるが、ボトックスと方法は異なる。

真実#3

自分で調べること

ボトックスクリニックを探す一番の方法は人の経験に基づいた口コミ。格安プランを提供しているのはビジネスを始めたばかりの人か、スキルのない人なので避けること。払えば払うだけ質の高いボトックス治療が得られるが、処方が必要なものなので、医師、看護師、歯科医にしか扱えない。私なら、特に美容整形外科か顔面手術の外科訓練を受けた人に頼むだろう。ちなみに歯科医は、顔面解剖に非常に詳しい。

真実#4

控えめにしてこそ、大きな効果が得られる

顔を凍結したい人なんていない。筋肉が動かせなくなるまで何度も注入するのは、ボトックスの過剰注射。これによって引き起こされるのが筋委縮 (筋肉の衰弱)。使われない筋肉と同じように、萎縮した筋肉もただひたすら衰えていく。まぶたに関して言えば、サポートする筋肉がもともと少ないので垂れてくることもある。近代的な手法で少量使用すれば大丈夫。

真実#5

背筋を伸ばして座ったまま眠る必要はない!

ボトックス注射を受けた夜は、座った状態で眠るべきだというのは作り話。日中も夜も普段通りに過ごせばいい。個人的には、注射後、ジムに行くことさえある。ボトックスが効きはじめると、軽い頭痛がすることがある程度。

真実#6

結果が出るには7~10日かかる

ボトックスクリームよりも手早く効果的なのは間違いない注射だが、即効性はない。施術から3~4日経てば、筋肉の動きが抑制されていることに気付くはず。十分な効果が目に見えてくるのは7~10日目。

真実#7

予防には適さない

ボトックスは薬なので適切なタイミングで注射するべきだけれど、予防に使うのはおすすめしない。ボトックスを打ちたければ、完全にリラックスした状態の顔に深いシワが浮かぶようになってから。水分不足が原因の小じわにボトックスは必要ない。

真実#8

肌が改善する

動きが制限されることで、皮膚が休まり、ある程度再生する可能性がある。とはいえ、洗顔やお手入れの習慣を怠ってはいけない。

真実#9

誰にでも効果があるとは限らない

抗体があると、ボトックスが破壊されるので効果が出ない。過去7年間で2~3人ではあるが、どうやっても効果が出なかった患者はいるので、起こり得ること。アレルギー反応が出た人? 私の患者の中にはいない。

真実#10

繰り返す必要がある

ボトックスの効果は時間が経つと切れるので、だいたい3~6ヶ月ごとに補充が必要。長く放置する人もいれば、短い周期で通う人もいる。個人の好みで決めてもいいし、担当医の意見を聞いてもいい。

真実#11

発汗を止められる

手のひらや脇の下といった、汗をかきやすい小さなエリアに注射することが可能。また、「結果的に他の部位でもっと汗をかくようになる」 というのは完全なる作り話。ボトックスが汗腺の神経末端をブロックするので、汗が分泌されないだけ。

※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Amy Lawrenson Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images