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高校時代の大好きな彼が、バレーボール選手で陸上競技のスターである後輩女子と浮気! それまで、自分の体を気にしたことは一度もなかったという、自称運動女子のナタリー。一念発起してジムに通うも彼とは別れ、プロにコーチしてもらっているのに、理想の体形からはどんどん遠ざかるばかり。大学卒業後はトレーナーになるも、ワークアウトに悪戦苦闘し、仕事のストレスに辟易。ビビッときて結婚した夫との関係には暗雲が立ち込め……。けれど、ナタリーはついに理想の体形を手に入れる。そして訪れた価値観の変化とは? これは誰にでも起こりうる、奇跡の話。全女子へ贈る、応援歌。ボディメイクのシンデレラ・ストーリー、ナタリーの正直な告白に耳を傾けて。

それまでの私はチアリーディングやダンス、体操が大好きなアクティブ女子で、自分をスリムで小柄なタイプだと思っていた。

でも、彼氏の浮気相手はお尻が大きくてスポーティーな体格。私には、それほどのたくましくさもナイスなお尻もない。周りの女友達や、魅惑的でモテる子ほどかわいくもない。そうやって、徐々に自分をこき下ろすようになった。

……ジムに入会して、陸上競技を始めた。

ちょっと自信がついたけど、本当の収穫はジムでの体験を通してフィットネスへの興味が湧いたこと。高校を卒業するときに彼と別れ、大学では運動学……体の動きについての研究を専攻。

時が経ち、大学を卒業した私はパーソナルトレーナーの道へ。そして、もっとトレーニングをするために、ビキニコンテストへの出場を決めたのだ。

理想の体形になるはずが……。体づくりの失敗、遊びまくる日々、そして失敗した結婚

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当時の私は、小柄でスリムだったけれどほとんど筋肉がなく、体脂肪率が23パーセントあった。パーソナルトレーナーをお願いしたところ、1日2回の有酸素運動で約500キロカロリーずつ燃やし、ウエートリフティングをするようにアドバイスされる。与えられた休みは週1日。そしてもちろん、食事制限も行った。

このフィットネスプラン+立ちっぱなしの仕事=極端なカロリー不足。増やすつもりだった筋肉が減り、お尻が小さくペタンコになっていった。自分の理想とは正反対。ムキムキになるはずが、以前より細く見えてしまった。

そこからの1~2年は筋肉をつけ、ヘルシーな生活を送るのに苦戦する日々。
日常的な運動はしていたけど、やけ飲みやパーティー、薬物の使用で全部台無し! トレーナーとして人に教えることを実践できていないのに、 “本気で働き、本気で遊ぶ” という自己暗示で自分を正当化していたのだ。

この頃、ジムの同僚と付き合い始め、速断で結婚。これが賢明な判断ではなかったこと、ヘルシーな関係ではないことにすぐ気づいた。軽度のうつ病と不安との戦いが始まり、途方に暮れた。自分が心底イヤになり、離婚が必要であることも自覚。

親戚の助けを借りて新たな街に引っ越し、別のジムで仕事を見つけ、自分の面倒をしっかり見ようと心に固く誓った。

出だしは快調だったけど、環境が大きく変わったことで重度の不安と軽度のうつ病に襲われる。クヨクヨしては頻繁に泣き、なかなか前向きな気持ちになれなかった。「振り返るな、失敗するな」と自分に大きなプレッシャーをかけていた。「なんとか正気を保たなければ」と思い、フィットネスに熱中しようとした。

自分に責任を持つ。順調なはずのリスタートは、疲れとストレスにまみれて……

ジムには毎日顔を出し、最大限の努力をする。それだけは自分との約束にした。自分を変えたいのに、他のことに邪魔されるなんてもう嫌。だから、フィットネスに専念する時間を増やし、過去に戻ろうとする自分と戦う力をつけなければ!

だけど、全てを一人でこなす余裕が、心になかった。そこで自分に責任を持ち、スケジュールを立てるためにジムの同僚を雇った。

ゆっくりと、私のフィットネスへの情熱に再び火が灯り始めた。

ヘビーなウエートリフティングをする機会を増やし、スクワットやデッドリフト、ベンチプレスなどのコンパウンド(多関節)種目を重点的に。フリーウエートとケーブルエクササイズを使うアイソレーション(単関節)種目で補完。自分を駆り立て、最低でも週5日のウエートリフティングと、2日以下の有酸素運動に励んだ。

ここまでジム漬けになるのは精神的にも疲れるし、お酒とパーティーの方がずっと楽しそうに思えることもあった。娯楽とジムの間で絶えず葛藤したけど、次第にいつもジム通いを選ぶようになった。

決して楽ではなかったけど、自分で自分に責任を持つことを思い出せてくれる人=ジムの同僚がいたので、すぐに挫折してしまうことはなかった。

でも、何カ月頑張っても成果が現れなかったときは、さすがに一歩後退。

しかも、予定していた期間内に思ったほど筋肉がつかなかった。何時間もクライアントを教えてから、さらに何時間も自分のトレーニングをしていたので、過度のストレスを感じていたし、体に十分な回復時間をあげられなかった。

やりすぎをやめたら、奇跡が起きた! 不思議と変わった理想の体形、理想の自分

そこで私は、ウエートリフティングを週4日以下に減らし、もっと食べる努力をした。有酸素運動は相変わらず気が向いたときだけ。すると、筋肉の回復が早くなった!

つまり、筋力が着実に増しているということ。筋肉量が増え続け、スクワットやデッドリフト、ベンチプレスなどのコンパウンド種目に専念すると、臀筋が明らかに成長し、脚も強くなったのだ。

そして、102キロのデッドリフトと84キロのスクワットという自分の目標重量を達成した瞬間、全ての努力が報われた。長年のアップダウンと結果の出なかった努力を経て、求めていた強い体がやっと手に入った!

興味深いことに、私にとっての優先事項も変わった。フィットネスに傾倒し始めたとき、そしてジムをやめないと誓うたびに、ゴールはスポーティな体を手に入れることだった。細いウエスト、丸いヒップ、ビキニの似合う体が欲しかった。

誤解しないで。今でも間違いなく、そんな見た目が欲しい。

でも“体の強さ”を優先し、それに目覚めたら、今までで一番自分に自信が溢れ、幸せを感じた。ウエートを重くして、ワークアウトに本気で取り組む。さらに、パーティーに行ったりジムをサボる習慣から足を洗うことで、29歳の時点では気づかなかった、自分の“潜在能力”を引き出すことに成功したのだ。

いつも自分を弱々しい貧弱なボディーの女子とカテゴライズして、それを半分遺伝のせいにしていた。「そんなの自分じゃ、どうすることもできない!」と言い訳するかのように。でも、正しいエクササイズプログラムに時間を費やし、食べ物が体の進化の燃料になると気づいてからは、“自分が変われること”“強くなれること”を学んだ。そうなると、スポーティな体はおまけでしかない。

ビキニコンテストに向けたトレーニング中は体重が48キロだったけど、今はヘルシーな54キロ。さらに体脂肪を大きく減らし、筋肉を大きくして体を一段と強化。102キロ以上のウエートを使ったデッドリフト、荷重86キロのスクワット、自分の体重と同じ重さを挙げるベンチプレス。そしてサポートなしのプルアップ(懸垂)が8回できる。

うつな気分も完全に消えた。今でも時々不安になることはあるけど、昔に比べてかなり良い。一般的なストレスにも、うまく対処できるようになったと思う。

細かいカロリー計算とはさよなら。MYルールは「80%の自然食品」と「20%の節度のある楽しみ」

その日一日のカロリー量や、食事ごとのカロリー計算は今ではしていない。けれど、過去数年間はやったりやらなかったり。今は直感的にバランスを見定め、タンパク質を十分に摂って、栄養価の高い食事をするよう意識している。

口にするものの80パーセントは、自然食品。残りの20パーセントは、ハンバーガーやアイスクリームなどを楽しむ。今でも時々1~2杯お酒を飲むけど、前よりずっと自制心のある飲み方をしている。

試行錯誤の末に完成。現在の週4日のワークアウトメニューを公開!

ウエートリフティングの前にはフォームローラーを使い、動的なストレッチをして、その日使用する筋肉を目覚めさせる。下半身のワークアウトの日には、短いレジスタンスバンドで脚と臀部を動かしてから。上半身のワークアウトの日には、可動性を高めてからウエートリフティングを行う。

短期間での体の強化に有効とされるトレーニング法、コンパウンドリフティングから着手。そのあと細かいエクササイズを行う。特に、ランジやケーブルキックなどの片脚のエクササイズ、あるいは片腕のエクササイズを取り入れるのが好き。私のワークアウトは、通常5~6種類のエクササイズで構成されている。

典型的な1週間のスケジュールは、こんな感じ。

●Day1 下半身

コンパウンドリフティング:相撲デッドリフト
ユニラテラル (片方ずつの)エクササイズ:片脚ランジ
その他:レッグプレス、ケーブルキックバック、いくつかのマシントレーニング

●Day2 休み

●Day3 上半身 (胸・背中)

コンパウンドリフティング:ベンチプレス
ユニラテラル (片方ずつの)エクササイズ:片腕ロー
その他:プッシュアップ、ダンベル、ケーブルエクササイズ

●Day4 下半身

コンパウンドリフティング:バーベルスクワット、バーベルヒップスラスト
ユニラテラル (片方ずつの)エクササイズ:ブルガリアンスプリットスクワット
その他:ルーマニアンデッドリフト、いくつかのマシントレーニング

●Day5 休み

●Day6 上半身 (肩・腕)

コンパウンドリフティング:スタンディング・バーベルミリタリープレス
その他:シーテッド・ダンベルショルダープレス、腕のケーブルエクササイズ

●Day7  休み

人生とワークアウトから学んだこと。これから挑戦する人への金言

ヘビーなウエートを上げて、もっと食べることを怖がらないで。ハードに鍛えて賢く食べて、辛抱強く目標に向かって! あきらめずに取り組めば、結果は必ずついてくる。少なくとも、それが私の学んだこと。

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※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Natalie Saldana as told to Rachael Schultz Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。