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キーとなるワークアウトを続け、トレーニングの場所さえ工夫すれば、長い冬が明ける頃にはレースの準備も万端。

氷のように硬く足首に響く道、前進を阻む突風、北極のような冷気。この冬、すべてがあなたを邪魔しにくる。

それでもランナーは走り続ける。走り続けなければならない。春のレースを楽しみたいなら、暖かくなるまでトレーニングを待ってなんていられない。

厳しい冬でもトレーニング方法を見つける熱心なランナーはたくさんいる。

あなたにもできる。彼らの足跡を辿りたいなら、この先の数ヶ月をフィットに過ごしてレースに備えるコツをチェックしよう。

走れる道は必ずどこかにある

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冬の道路が雪や氷に覆われる地域に住む人も多くいる。街の中心地、特に大きな公園で、除雪されて塩がまかれた道を探そう。どこに住んでいようとも、距離を稼ぎ、必要なワークアウトをこなす場所は必ずある。クリエイティブになればいいだけ。

分割してトレッドミルを克服する

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本格的なランナーの多くは 「トレッドミルが大嫌い」。『Running Anatomy』の共著者でランニングコーチのジョー・プエロもトレッドミルが嫌いなので、苦痛を最小限に抑えながらトレッドミルをトレーニングに盛り込む術を見つけた。

「トレッドミルで長距離トレーニングを行うランナーには、それを二分割させている。午前中はテンポランニングなどの厳しいトレーニングを、午後は長くリラックスした有酸素ランニングをしてもらうようにしている」

トレッドミルセッションを二分割することで退屈さをしのぎ、負荷を加えて長距離走のストレスを再現する。プエロいわく 「トレッドミルで2時間も走りたい人なんていないけど、60分ならいける人は多い」

プエロおすすめの朝のワークアウトは20分間のウォームアップで始まる。乳酸閾値 (1時間走り続けられるペース) より若干控えめなペースから、乳酸閾値以上のペースまで徐々に上げていくトレーニングを1コマ2分で10回繰り返す。

例えば、目標乳酸閾値が7分で1.6kmというランナーの場合、トレッドミルのスピードを1時間で13kmまで上げる。2分間走ったらスピードを0.1上げて、1時間13.1kmのペースで2分間走る。1時間14.3kmになるまでこの調子で続ける。「この場合、13.8kmで目標乳酸閾値に達する。最後の3回は乳酸閾値を上げていくため。目標乳酸閾値をわずかに上回るペースで走るのはたった6分なので、疲れすぎることもない」。20分間のクールダウンでトレーニング終了。

午前のワークアウトから少なくとも6時間置いて、快適なペースで午後のワークアウトを行おう。翌日は休み、トレーニング期間中、このダブルトレッドミルワークアウトは週3日までとすること。プエロによれば、これは 「負荷の高いワークアウトなのでリカバリーが非常に重要」。でも、屋外の厳しいコンディションに直面することなく、長距離走に備えたフィットな体を作ってくれるのは確か。春のレースまでに、2時間15分は走れる自分が手に入る。

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【スピードトレーニングにはタバタ式】

ワークアウト内容

オン=20秒
オフ=10秒
8回繰り返す

これがタバタ式ワークアウトの公式。スピードスケート選手を用いた研究をベースに、1998年に非常に影響力のある文献を発表した日本の運動生理学者、田畑泉が考案した超高強度ワークアウト手法だ。スピードスケート選手たちが非常に短い休憩を挟んで一時的な全力運動を行ったところ、意外な結果が現れた。「持久力運動をする人々に比べて、この方法ではアスリートたちがVO2マックス (最大酸素摂取量) の著しい向上を見せた」 と語るのは、運動生理学者で米国アデルファイ大学の人間パフォーマンス学部長を務めるボブ・オット。「同時に乳酸耐性も向上していた」 という。

これは恐らく、短時間の一時的な高負荷エクササイズが短期的なエネルギーであるATP (アデノシン三リン酸) を素早く消耗するから。休憩が短くなれば、体はより効率的に酸素を処理せざるを得なくなり、VO2が上昇するというわけだ。タバタ式ワークアウトは、冬のトレッドミルや短時間の屋外トレーニングに最適と言える。

注意したい点が2つある。まず、この手法を正しく行うためには、全力で20秒、休憩は10秒だけ、8回繰り返すという手順に従う必要がある。オットいわく 「これは負荷の高いワークアウト」 なので、8回の代わりに3~4回から始めてもいい。ウォームアップとクールダウンをしっかり行うことも忘れずに。

また、ハーフマラソンやフルマラソンに向けた練習では、長距離走トレーニングをタバタ式ワークアウトで置き換えることはできない。

でも、タバタ式セッションを週1~2回正しく行えば、VO2マックスと乳酸閾値を維持または向上することさえ可能だというのがオットの見解。

トラックを走る

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屋内トラックを走ろう。ヘッドフォンを付け、自分のリズムに入って走り続ければ、あっという間に時間が経つ。1月でも短パンにTシャツで走ることができる。屋内トラックでは、走る方向を頻繁に変えて内側の脚への負担を軽くすること。

冬のランニング向けウォームアップ

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26歳のアンバー・ウィルソンが住む米国ワイオミング州ランダーは、1年のうち9ヶ月が冬という山岳地域。出掛ける前にはシューズと靴下をドライヤーで暖めることを学んだ彼女は、「スタートの段階で足が暖かければ、その後冷えることはないと確信している」 そう。「足が勝手に暖かくなることは絶対ない」。

雪で覆われた斜面では、ターンの必要がないスピードウォークを行っている。「トラックでコーナーを曲がる時に滑って氷に直撃するリスクも少ない」。通りを渡り切る前にまつ毛が凍ったら、トレッドミルに変更するんだとか。

※この記事は当初、runnersworld.comに掲載されました。

※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Francesca Menato Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images