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朝にスピニングのクラスをやって、パワーヨガとウェイトを上げる。HIITもやりながら体幹を鍛えるエクササイズも入れて、週末はランニングをする。こんなスケジュールの人もいるのでは。

考えるだけでも疲れるようなスケジュールだけれど、1週間の予定がこのようにアクティビティで埋まっている人もたくさんいる。そして、エクササイズの予定でいっぱいの人の多くは、運動が体重を減らすのに効果的ならたくさんやった方がいい、という考えでやっているはず。

でも、その考えは間違いかもしれない。

疲れていたり、体調が悪かったり、ケガをしているのに歯を食いしばりながら運動をしているならやりすぎが逆効果になっているかもしれない。効果が出ないやりすぎの境界線を超えていないかを一度確認してみて。

どのくらいがやり過ぎ?

この場合の「やり過ぎ」とは個人によって違うので、線引きは難しいと話すのはAtlas Physical Therapyの理学療法士のネイサン・ジョーンズ。たとえばエリートアスリートなら当然ジムに通う一般の人よりもずっとストレスに耐えられる。では一般の人はどのくらいがやり過ぎなのか。

パーソナルトレーナーのJCディーンは、いつも疲れている、なかなか寝られない、前ほどワークアウトで追い込めない、ワークアウトへの興味が薄れている、いつもイライラしているといった症状はやり過ぎのサインのことが多い、と話す。

何がダイエットの足をひっぱっているのか?

身体に悪いことや、健康全般によくないことは体重を減らすのにもよくない。トレーニングのし過ぎはストレスホルモンのコルチゾールの上昇につながってしまい、代謝や気持ちの面でも悪影響。しかもストレスは脂肪をため込むことにもつながってしまうという。

また、夕食に食べたラザニアとチョコレートケーキをジムでのワークアウトで「なかったことに」できる、という考えは正しくない。「ワークアウトをし過ぎている女性は大体、エクササイズは体型をキープするためにやっていて、もし運動量が減るとすぐに体重が増えてしまい、前よりも食べられなくなると思っている」とディーンは言う。この食べられる量を増やすためにエクササイズをするという考えは、多くのクライアントに見られることだそう。

しかし、「Medicine and Science in Sports and Exercise」の研究によると、実は体重を減らすのにエクササイズが寄与する部分はあまり大きくないということが分かっている。よく「ダイエットは食事が8割、運動が2割」と言われるがこれは実はあながち間違っていないという。

2015年のアラバマ大学の論文では、運動することでカロリー消費量を摂取量よりも減らしてやせる、というのは実は単純な引き算ではないことを示唆している。これは、身体は動的なものであることを考慮していないため。簡単に言うと、たとえ一日の摂取カロリーが目標内に収まっていたとしても、朝のランニングで300kcal燃やしたから、300kcal多く食べられるわけではないということ。

代謝は複雑な仕組みで、身体は色々な方法でカロリーを燃焼している、運動はそのほんの一部。そして、高カロリーのものを食べるためだけに運動するのは、長期間の運動のモチベーションとはならない。

ではどうすればいいの?

体重を減らすための一番の要因にはならないが、運動はそれでもやはり大切なもの。ただ、運動のし過ぎは簡単。そして、休息日に十分に休まないということもやりがち。そしてエクササイズを極端にやり過ぎるのは文化のように織り込まれているよう。運動をしないことは誰もほめてくれない一方、吐く程トレーニングすることはむしろ奨励されるような傾向もある。

でも結果を出し続けるのためには休むことは欠かせない。Journal of Strength and Conditioning Researchの研究によると「パフォーマンスを最大限に出すためには完全に回復することが必要」だとか。「エクササイズ後にしっかりと回復できず、運動の成果が出ていないのなら身体に必要以上に負担をかけている可能性がある」とディーン氏。

米国運動協会(ACE)では、休息日をトレーニングしない日、と定義している。つまりこれは身体的な負荷をかけない日のことで、ジムに行かないことが望ましい。もちろん、この日は家でドラマをひたすら見るのもいいけれど、専門家は軽い運動あるいはアクティブリカバリーをすると回復が早まるとい話す。たとえば、速足の散歩や、軽いハイキング、少し身体を動かすようなものやヨガやジムでのテクニックワークなど。

休息日もはじめからトレーニングの予定に組み込んでおいて。たとえば4日間ハードに運動したのなら、アクティブレストの日(たとえばヨガやウォーキング)を2日、完全な休息日を1日など。「もし、一日おきにランニングをずっと繰り返しているのなら腰やひざ、足首などに痛みを感じるようになる可能性が高い」とジョーンズ氏。ジョーンズ氏のクリニックはそういった症状でやってくる人が多いとか。

「やればやるほどよいという訳ではない。回復には限界があり、それ以上にやってしまうと回復できずに後退したり、けがをしてしまう」とディーン。やせたいからといって、運動のやり過ぎには気をつけて。

https://www.womenshealthmag.com/weight-loss/this-is-how-your-workouts-could-be-sabotaging-your-weight-loss

Text:Stephanie Lee Translation:Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images