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座りっぱなしの姿勢が体に悪影響を及ぼすというのは周知の事実。
座る代わりに立って仕事することで、体重が減りやすくなる可能性があるという研究が発表された。この内容をオーストラリア版ウィメンズヘルスからご紹介。

研究チームが1,184名の被験者を対象とした46本の論文のデータを分析したところ、立っているときは座っているときよりも、1分あたりのカロリー消費量が0.15kcal多いことが判明したそう。

つまり、体重65kgの人が通常の労働時間を立って過ごせば、1日54kcalのカロリーが余分で燃やせるということ。摂食量が変わらないと仮定すれば、1年間で2.5kg、4年間で10kgもの体重が減ることになる。
この研究論文の上席著者で、米メイヨー・クリニック予防心臓病学長のフランシスコ・ロパス=ヒメネス教授は、「立つことのメリットは、カロリーの消費量が増えるだけではありません。筋肉の活動量が増えれば、心臓発作、脳卒中、糖尿病の発症率が低下します。立つことには、体重管理以外の利点もあるのです」と説明している。

実を言うと、立っているときと座っているときのカロリー消費量の違いは、この論文が明かした以上に大きい可能性がある。この研究の被験者は、じっと立っているよう指示されていた。でも、実際のところ私たちは、立っている間も少しずつ動く。

「人は立っているとき、重心を左足から右足へと移したり、体を左右に揺らしたり、前後に少し歩いたりという自発運動をするものです。それを考えると、私たちが見積もったカロリーの消費量は少なすぎるかもしれません。最初から立っていれば、キャビネットやゴミ箱まで歩く可能性が高いことも考えられます」とロパス=ヒメネス教授は続ける。

研究チームは、座る代わりに立つようにすることで、将来の体重が増えにくくなると結論付けている。とはいえ、この戦略が効果的かつ現実的と断定するためにも、長時間立っていることが健康にもたらす長期的な影響を知るためにも、さらなる研究が必要。

「何時間も連続して座るのを避けることが大切です。動かずに延々と座り続けるという考えを改めるには、まず立ってみるのがいいでしょう」とロパス=ヒメネス教授。「周囲の人も刺激を受けて、立ち上がったり軽い運動を始めたりすれば、なおのこといいですね」


※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Dominique Carruthers Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。