プラスサイズモデルのアシュリー・グラハムは、その体重を非難されたことがある。でも、専門家の意見は……?
アメリカの超有名スポーツ雑誌Sports Illustratedの水着特集号でフィーチャーされたアシュリー・グラハムは、同誌のカバーを飾った初めてのプラスサイズモデル。彼女の元には、次から次へと仕事が舞い込んでいる。
でも、彼女の体重を非難する声は、いまだに止むことを知らない。2016年には、Sports Illustrated水着特集号の元カバーモデルで、今年70歳になるシェリル・ティーグスが、エンタメ誌「E!」とのインタビューの中で、アシュリーの体重に関してかなり重大なコメントをした。
「ふっくらした女性の話をするのは、彼女たちを美化することになるから好きじゃない。ウエストは88cm以下であるべきなのに。オズ医師がそう言ったから、私はそのサイズを守っている。アシュリーのサイズがヘルシーだとは思わない。彼女の顔はとても美しいけれど、長期的にはヘルシーじゃない」
さらにシェリルは、自身のツイッターでこう呟いた。
「体重についてハッキリ言っておくけど。拒食症、過食症、太りすぎは、どれも健康上の問題につながる。みんなには、できるだけヘルシーであって欲しい」
― シェリル・ティーグス (@CherylTiegs) 2016年2月26日
果たして、プラスサイズ=アンヘルシーなのだろうか?
マインドフルな食生活とトレーニングを応援するサイトAm I Hungry? の設立者、ミッシェル・メイ医学博士兼栄養士の答えは、完全にノー。「シェリルの意見には全然同意できない。彼女の発言は、まったくもって不適切」 と語り、シェリルのようなコメントが、体重が多いのは悪いことだという先入観、不名誉、そして判断の元になると批判する。
国際肥満ジャーナルに掲載された研究論文によれば、人の健康を測る上でBMI (体格指数) は当てにならない。米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究チームは、BMIでは太り過ぎ (BMI値が25~29.9) とみなされるアメリカ人の半数近く (正確には3,440万人)、ならびに肥満 (BMI値が30以上) とみなされるうちの1,980万人が、実は健康であることを発見したそう。
逆に、BMIでは “正常” (BMI値が18.5~24.9) とみなされる人々の30%が、実は不健康という結果に。
米国カリフォルニア大学デービス校の研究員で、『Body Respect: What Conventional Health Books Get Wrong, Leave Out, and Just Plain Fail to Understand About Weight』の著者であるリンダ・ベーコン博士によると、最後のグループに属する人は自分が健康であると信じているので、病気が進行するまで診断を受けずにいることが多い。
体重が多い人に病気が多く見られるとしても、問題なのは体重そのものではなく、体重と関連するその他の変数なんだそう。
例えば、体重と貧困および貧困と病弱さの間には強い相関関係がある。
「つまり、見た目でその人の健康状態を測ろうとすると、大きな間違いを犯すことになる」 とメイ博士。水着姿ひとつで女性の健康状態を判断することはできないし、するべきでもないのだ」
これにて一件落着。
※この記事は当初、アメリカ版ウィメンズヘルスに掲載されました。
Text: Christina Heiser Translation: Ai Igamoto Photo:instagram of @ashleygraham