Hand, Finger, Technology, Gesture, Stock photography, Gadget, pinterest

マインドフルネスで不安を解消する方法。英語に “あくせくせず身近な物の美を味わって” ということわざがある。これは単なる有益なアドバイスではなく、ストレスに対するセーフガード。過去の研究によって、マインドフルネス、または個人的な判断を避けつつ意識的に今という時を見つめることで、心身の健康が促進されることが分かっている。その内容をアメリカ版「ウィメンズヘルス」からご紹介。

米国ユタ大学の研究によれば、普段からマインドフルネスを心掛けている人々は日中の感情がより安定し、夜もリラックスしやすいという。

研究チームは、実験に参加した20~45歳の38名に対しアンケートを行い、周囲の環境に注意を払い、意識的に行動する能力といった日頃のマインドフルレベルを測った。2日間にわたり、被験者は日中の気分と就寝前の身体的および認知的な覚醒度合い (不安感の計測) を自己評価。普段からマインドフルな人は日中の感情の起伏が少なく、気持ちをコントロールできる状態にあり、落ち着いてベッドに入ることができると報告した。

この研究は、マインドフルネスが気持ちのアップダウンを防ぎ、感情的な緩衝剤として働くことを示している。「マインドフルな人は、体内の変化や感情の状態から自分を切り離しておくことができる」 と語るのは、この文献の共著者でユタ大学心理学助教授のポーラ・ウィリアムス博士。「マインドフルな人は、反応の早い人とは対照的に観察力が鋭い」。周囲の環境の小さな変化にいちいち反応することがなければ、心は必ず落ち着くもの。

幸いなことに、マインドフルネスは性格特性であるだけではなく、誰にでも学べるもの。ニューヨーク長老派教会ウェイル・コーネル医療センターの臨床精神医学部心理学科で教授を務めるスーザン・エヴァンズ博士が、マインドフルネスを鍛えるためのコツを教えてくれた。

ゆっくりと朝を始める

ベッドから何とか這い出るまでにスヌーズボタンを押しまくり、仕事にギリギリ間に合うのが平日の朝。エヴァンズ博士は、バタバタと朝を過ごす代わりに、毎朝30分ほど静かに座り、ただ呼吸に集中することを勧めている。「気が散ったら意識を呼吸に戻して」。これで、心と体が休息モードから活動モードに切り替わるための時間を稼げる。長時間座っていることで身が悶えるなら、たった5分の瞑想でも何もしないよりずっといい。

デスクから離れる

数分間のメンタルリチャージのために、タバコを吸いに行く必要はない。でも、エヴァンズ博士いわく、これこそが生命線。散歩に出たら、空の色、風の動き、体に感じる刺激のすべてに注意を払うこと。マインドフルネスとは自動操縦で生きることの反対で、小休憩は今この瞬間に感謝することを教えてくれる。「人は未来や過去についての思考に捕らわれがち。小休憩はそこから抜け出すチャンス」

ランチ休憩をしっかりとる (真面目な話)

難しいのは承知の上。ウェブ上の情報を漁ったり、提出物の最終チェックをしながらランチをかっ込む誘惑に打ち勝つのは大変。でも、これでは食事が楽しめないし、何を食べているのかすら分からない。20分間デスクを離れ、食べ物の質感や味に注意を向ける時間を作ること。エヴァンズ博士は、これでランチが楽しめるようになり、スローダウンできる上に食べる量まで減ると言う。

切り替える時間をあげる

来る日も来る日も、キャリアウーマンからズンバマニア、そして家庭の女神へと変身するあなた。役割を次々と変える代わりに切り替えるための時間を作れば、気持ちがすっきりして目の前のタスクに集中しやすくなる。朝デスクに座る時には1分かけて精神の統一を図り、「今私がいるのはこの場所」 だと言ってみる。同様に、夜帰宅したら意識的にギアチェンジを。新たな役割を受け入れる準備ができ、周りの人にしっかりと意識を向けることができる。

耳を傾ける

会話の途中でボケッとしてしまうのは誰にでもあること。正直、オフィス内の噂話が面白いとも限らない。評価したり邪魔したりせず、相手が言っていることにだけ集中するマインドフルリスニングを練習すれば、考えることをやめられる。思考に休息を与えていると思えばいい。これで親交だって深まるかも。誰だって聞き上手な人が好き。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text:Amary WigginTranslation:Ai Igamoto Photo:Getty Images