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敏感な人はすぐに動揺するけれど、敏感肌でもそれは同じ。赤いプツプツや痒い発疹は、女性の機嫌を損ねるのに充分。そもそも敏感肌の原因とは? 乾燥肌への対処法を見つけて、落ち着いた肌を手に入れよう。

「敏感肌の女性の免疫システムは異常に活発で、特定の商品や気候を敵と判断し、異物として撃退しようとする」 と語るのは、マイアミに拠点を置く皮膚科専門医のマリアナ・ブリュミン=カラシック医学博士。「多くの場合、この反応が皮膚の赤み、痒み、チクチク感、ヒリヒリ感、剥離を引き起こす」。

ブリュミン=カラシック博士いわく、彼女が治療した女性の30パーセントは敏感肌。でも、ホルモンの増減や肌には強すぎる成分を含む商品の過剰な使用によって、さらに多くの女性が人生のどこかで敏感肌の症状を経験する。米国マウントサイナイ医科大学の皮膚科学臨床助教授であるフランチェスカ・フスコ医学博士によれば、「女性はこれまでになく沢山のアンチエイジング商品を使うようになっており、その中に含まれる強力なスクラブ成分が炎症の原因になることがある」 という。「だから敏感肌の症状を訴える女性の数が増えている」。ハッピーな肌を手に入れよう。

香料

スキンケアブランドDermaDoctorの設立者で皮膚科専門医のオードリー・クニン医学博士によると、「香料は化粧品やスキンケア商品に含まれるアレルギー源のナンバーワン」。シトラス、フローラル、ミントの香りは最もひどい肌荒れの原因なので、無香料の美容・家庭商品を選び、低アレルギー性やホルムアルデヒドフリーと書かれたものを探してみて。ブリュミン=カラシック博士は、「香料を除いた商品には、商品の不快な臭いを抑えるために、さらに刺激の強い化学物質が加えられることもある」 と注意を促す。

お気に入りのフレグランスを諦めたくない人は、“寝かせてスプレー” のルールに従うこと。「ベッドに着たい服を置き、フレグランスを軽くスプレーする。フレグランスが繊維の上で乾くまで数分間待ってから着る。これならフレグランスが皮膚に直接触れないので、肌荒れが防げる」 とブリュミン=カラシック博士。

石鹸や洗顔料に含まれる化学物質

キュッキュッと音がするほどキレイになった気がするかもしれないけれど、界面活性剤として知られる洗浄成分が敏感肌を卑劣な罠にかける。ラウリル硫酸ナトリウムはボディソープ、洗顔料、石鹸に含まれる刺激の強い乳化剤。皮膚から汚れや油分を取り除く一方で、肌が乾燥やダメージに耐えられるように皮膚細胞をくっつける接着剤である貴重な脂質を分解してしまうかも。

石鹸の中には、EDTAテトラナトリウムやトリクロサンといった皮膚を乾燥させる抗菌性の成分を含むものもある。ブリュミン=カラシック博士によれば、敏感肌は大抵常に乾燥している。よって、水分を吸い取ってしまう商品で洗うと皮膚がかゆくなったり剥けたりするので、敏感肌または乾燥肌用に作られた石鹸を代わりに使った方がいいそう。このような商品に含まれるラウリル硫酸ナトリウムは比較的マイルド。ラベルを読み、より一般的かつ刺激性の高い “ラウリル硫酸” ナトリウムではなく、“ラウレス” 硫酸ナトリウムであることを確かめて。

化粧品に含まれる化学物質

アイシャドウによく使われる色素である群青 (グンジョウ) が敏感肌をいじめることも。実際に肌の調子が悪いなら、刺激性の化学色素が少ないベージュやブラウンといったニュートラルなトーンのアイシャドウで肌をいたわろう。また、米国デューク医科大学の皮膚科学顧問教授のゾーイ・ドラエロス医学博士によると、「ミネラルベースの化粧品やブロンズパウダーには、化学特性で光を反射するマイカという粒子が含まれており、これがかゆみを引き起こす大きな原因」 だという。

肌をチクチクさせることで知られるツヤ出し成分、オキシ塩化ビスマスも敏感肌の敵。「残念ながら、これらの成分は私たちがブラシで肌に激しく塗りつける商品に入っているので、商品が毛穴深くに押し込まれ、炎症が悪化する」 そう。ブラシを使わないリキッドタイプのチーク、ブロンザー、ファンデーションを選ぶことで、落ち着いた肌をキープできる。

環境

敏感肌では、晴れの日もさほど喜べない。「ほんのちょっとの日差しでも、肌を過敏にする紫外線にさらされてしまう」 と語るのは、DermalogicaおよびThe International Dermal Instituteのグローバル・エデュケーション・ディレクター、アネット・キング。紫外線は皮膚のタンパク質を変化させる。これが皮膚細胞にダメージを与え、肌が赤くなってヒリヒリする光過敏症として知られる反応を引き起こす。これを防ぐためにキングは、晴雨を問わず紫外線を物理的にブロックする日焼け止めを使うよう勧めている。肌を刺激する可能性のあるパラアミノ安息香酸、ベンゾフェノン、ケイ皮酸エステルのような紫外線吸収剤を含む化学的な日焼け止めとは異なり、物理的作用をもつ日焼け止めには、肌に悪さをしない酸化亜鉛や二酸化チタンが含まれている。

悲しいことに、日照時間の短い冬になっても敏感肌はホッとできない。乾燥した冷たい空気と突風が皮膚から水分を奪うので、肌が干上がり、ヒビ割れして赤くなる。ニューヨークシティの皮膚科専門医であるエレン・マーマー医学博士によれば、「秋冬の湿度の低さは肌に大打撃を与える」 (湿度の高い地域に暮らしていれば、肌が乾燥して痒くなる可能性は低い)。グリセリン配合で水分をたっぷり含んだ保湿液をふんだんに使えば、肌が潤いを取り戻し、顔や体から水分が逃げるのを防ぐことができる。保湿液を入浴直後に使って肌への吸収率を高め、日中も必要に応じて塗り直すこと。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Jill Percia Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。