割れた腹筋にスクワット……いったい脂肪率はどこまで下げていいんだろう。羨望のヘルシーボディへの秘訣とは？
カイラ・イチネスは間違いない。モデル組では、エミリー・ラタコウスキーもヴィクトリアズ・シークレットがランウェイでいつも見せびらかしているし、ジョーダン・ダンもソーシャルメディアにアップしている。でもこの割れた腹筋、いわゆる超引き締まった体を作るためには、実際のところどれだけお腹の脂肪を減らせばいいのだろう。パーソナルトレーナーでイギリスのスイ・ジェネリスジム（suigenerispt.com）の設立者、ジェームス・ティリーによると、腕立て、腹筋にちょっとの有酸素運動では足りないらしい。美しい腹部を手に入れるには、真剣な食事計画が必要なんだそう。「体脂肪率を20％以下にすれば裂け目が出始める。でも、より明らかな筋肉の波が現れるのは、体脂肪率が15％に近づいたときだよ」
女性にとって健康的な体脂肪率とは？
でも女性の推奨体脂肪率は20～30％とされており、オックスフォード・オンライン薬局の熱心な診療医、ヘレン・ウェバーリーも「19％以下だと、私たちも心配し始めるわ」と言う。一体、この熱狂的なフィットネストレンドは、女性にとって何を意味しているのだろうか？
「過剰な体脂肪は有害になり得るけど、少なすぎも同じくらい問題よ」とウェバーリー。「体脂肪とは、体がエネルギーを貯蓄するスペースで、食事と食事の間や睡眠中はブドウ糖に使わせているの。さらに、脂肪細胞はエストロゲンというホルモンを生成する。エストロゲン量の不足は、骨密度の低下、骨粗しょう症、妊娠率の低下、月経停止、早老の原因になりかねない。簡単に言えば、体は早期閉経に入ったと考えるわけね」
女性によっては一生腹筋が割れない？
さらに悪い情報が。イギリスのトレイン・フィットネスでパーソナルトレーナーを務めるブライアン・レイによると、どんなに頑張ってワークアウトしても、どんなにダイエットしても、腹筋が絶対割れない女性は多いらしい。「腹部の形成は主に遺伝によるもの。一生かけてトレーニングしても、憧れの腹筋が手に入らないことはあり得るんだ」
代わりにティリーがおすすめするのは、全身を使う筋力増強、引き締め強化、有酸素運動をバランスよく取り入れて体幹の状態を良くすること。「いつものトレーニングにスクワットやデッドリフトなどを混ぜて、HIITやLISS（HIITに対し、ウォーキングや水泳など長時間ペースが一定の低強度有酸素運動）と組み合わせてみよう。どうしても腹筋トレーニングだけしたいなら、腹筋と腹斜筋の全体をカバーする動きを6～10種類取り入れたサーキットエクササイズを。一点集中型の腹筋を100回やっても効果的ではないよ」
どこに努力を集中させるべき？
食事制限に関して、栄養士のサラ・ウェストは、引き締まった体を作るためには、バランスの取れた食事を取るよう心がけること、そして質の良い食べ物を選ぶことが重要だと主張する。「カロリーを摂らずにいるより、体に本当に有益な、自然と栄養価の高い物を選んで。一食の中にフルーツか野菜、全粒食品、そして鶏肉やツナ、卵といった脂肪分の少ないタンパク質が少なくとも一品はあること。特に上質のタンパク質は、エクササイズで疲弊した筋繊維を修復するために必要なアミノ酸を体に供給してくれる。しかもワークアウトへの適応反応として、新たな筋肉の生成を促進してくれるわ」とサラ。
要するに、最新の流行に乗る代わりに、トレーニングも食事も長期的な収穫に焦点を合わせて。体はソーシャルメディアだけではなく一生のものだから。
http://www.womenshealthmag.co.uk/fitness/sexy-abs/5965/the-dangers-of-getting-too-lean/
Text: Emma Pritchard Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images
